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都市木造化の進展やサステナビリティ重視の流れにより、建築材料として木材を採用するケースが世界的に増えています。
一方で、木材は燃えやすいという弱点を抱えています。
従来は薬液含浸や表面塗布による難燃処理が一般的でしたが、燃焼が始まった際に持続的な自己消火が難しい、薬剤が経年で流出する、揮発性有機化合物(VOC)の排出が懸念されるなどの課題が顕在化しています。
こうした背景から、燃焼初期に自ら火を消し止め、かつ環境負荷を最小限に抑える「自己消火性を付与した次世代難燃木材」の需要が急速に高まっています。
自己消火とは、外部からの火源が除かれた後に燃焼が継続せず、自発的に鎮火する性質を指します。
木材に自己消火性を持たせるには、熱分解で発生する可燃ガスを抑制しつつ、不燃性ガスと炭化層を迅速に形成することが鍵となります。
炭化層は熱の内部伝播を遮断し、酸素供給を遮るバリアとして機能します。
同時に、リン系・窒素系の難燃剤が熱により膨張して発泡層を作ると、木材表面が断熱コーティングされ、温度上昇がさらに鈍化します。
これら複合的な反応により、燃焼連鎖が短時間で断ち切られ、炎が自己消火に至ります。
次世代難燃木材の開発では、①無機難燃ナノ粒子の均一分散、②深部まで浸透するバイオベース樹脂、③表面反応による高耐久コーティング、の三位一体アプローチが採用されています。
主成分は層状水酸化物(LDH)や酸化アルミニウムなどの無機ナノ粒子です。
これらを界面活性化処理し、平均粒径数十ナノメートルまで分散させることで、木材細胞のミクロ空隙にまで浸透します。
ナノ粒子は熱の上昇で水分子や不燃性ガスを放出し、可燃性ガス濃度を希釈する働きを担います。
トウモロコシ由来のポリ乳酸(PLA)やリグノフェノール樹脂を溶剤に溶解し、減圧含浸法で木材内部に注入します。
樹脂は硬化後、ナノ粒子を固定化しながら木材細胞壁を補強します。
この樹脂ネットワークが熱変形を抑え、炭化層形成時のクラック発生を防ぎます。
最外層にはシロキサン基を含むハイブリッド塗膜を形成します。
高温時にリン酸エステルが脱水縮合して膨張し、断熱性の高い発泡炭化層を生成します。
加えて、UV劣化や水洗浄に対する耐候性が向上し、屋外環境下でも難燃成分の流出を最小限に抑えます。
開発材はISO 5660のコーンカロリメータ試験にて、熱釈放率ピーク値を通常木材の1/4以下に低減しました。
UL-94 垂直燃焼試験では、V-0ランクを達成し、炎が消えるまでの平均時間は3秒未満でした。
さらに、複数回の再着火テストでも自己消火性を維持し、炭化層厚みは従来材の約1.8倍となりました。
VOC放散試験(JIS A 1901)では、ホルムアルデヒド放出量が基準F☆☆☆☆を大幅に下回り、室内空気質への影響も抑制されています。
原料の70%以上を再生可能資源とし、製造時のCO₂排出量を従来難燃木材比で約35%削減しました。
役務期間における火災リスク低減により、建物全体のLCCO₂(ライフサイクル炭素フットプリント)は約12%削減される試算も得られています。
焼却廃棄時には、無機成分がセメント原料として再利用可能で、循環型社会に貢献します。
自己消火性木材は、構造材、内装材、外装サイディングなど多用途に適用できます。
施工時は通常の木材同様に切削・釘打ちが可能ですが、樹脂含浸により刃物摩耗がやや早い傾向があるため、カーバイド刃の使用が推奨されます。
塗膜の物理損傷が発生した場合は、シロキサン系トップコートで部分補修が容易に行えます。
欧米ではMass Timberの高層建築が拡大しており、厳格な防火基準を満たす自己消火性木材のニーズは今後さらに高まります。
アジア圏では住宅密集地での防火規制が強まっており、日本の木造住宅にも導入が予想されます。
将来的には、センサーと組み合わせて火災検知から自己消火までをスマートに管理する「インテリジェント難燃木材」への進化が期待されます。
自己消火性を付与した次世代難燃木材は、無機ナノ粒子、バイオベース樹脂、反応型コーティングを組み合わせることで、優れた防火性能と環境性能を両立しました。
国際規格の厳しい難燃試験をクリアしつつ、ライフサイクルでのCO₂削減にも寄与します。
都市木造化が進む現代において、安全性とサステナビリティを兼ね備えた革新的建材として、本技術の普及が期待されます。

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