ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の差異と選定基準【製造者必見】

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ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)は、ともに汎用プラスチックの代表格として包装材や日用品、工業部材など幅広い分野で採用されています。
しかし外観や比重が似ているため、用途の違いを把握しづらいという声も少なくありません。
本記事では、物性・加工性・コスト・環境影響という四つの観点から両樹脂を徹底比較し、最適な材料選定の指針を提示します。

ポリエチレン(PE)とは

基本構造とグレード

PEはエチレンを重合させた熱可塑性樹脂です。
密度によってLDPE(低密度)、LLDPE(線状低密度)、HDPE(高密度)に大別され、結晶化度が上がるほど剛性と耐熱温度が高まります。

主要特性

・優れた耐薬品性:酸・アルカリ・有機溶剤に対して高い耐性を示します。
・衝撃強度が高い:低温でも割れにくいため、冷凍食品包装や屋外タンクに適します。
・電気絶縁性:水分を吸わず誘電率も低いため、ケーブル被覆に多用されます。

ポリプロピレン(PP)とは

基本構造とグレード

PPはプロピレンを重合させた熱可塑性樹脂で、等規性PPと無規性PPに大別されます。
結晶性が高く、結晶融解温度が約165℃とPEより大幅に高い点が特徴です。
共重合タイプ(ランダム、ブロック)やガラス繊維強化PPなど、機械特性を付与したグレードも豊富です。

主要特性

・軽量で高剛性:比重は0.90〜0.91と樹脂中で最軽量級、引張強度も高めです。
・耐熱・耐薬品性:オートクレーブ殺菌に耐える温度まで使用できます。
・ヒンジ特性:分子構造が層状に折り畳まれるため、蓋の開閉ヒンジ部に繰返し使用できます。

PEとPPの主な差異

物性比較

耐熱温度:PE(LDPE 80℃前後、HDPE 110℃前後)に対し、PPは135〜145℃。
耐衝撃性:室温ではHDPE≒PPですが、−40℃領域ではPEが優位です。
剛性:PP>HDPE>LDPEの順で高く、薄肉成形での寸法安定性に直結します。

加工性比較

押出・ブロー:溶融粘度が低く温度域が広いPEが扱いやすいです。
射出成形:結晶化収縮が小さいPPが寸法制御に適します。
溶着・接着:PPは表面エネルギーが低くプライマーが必須、一方PEはホットメルトや高周波溶着が容易です。

製造用途別の選定基準

包装フィルム

ヒートシール性と柔軟性が求められる場合はLDPEまたはLLDPEが第一選択です。
耐ピンホール性を高めたいときはLLDPEをベースにメタロセン添加で強度を底上げします。

食品容器

電子レンジ対応や熱充填を行う成形トレーは、耐熱性に優れるPPが最適です。
脂肪分の多い食品でも抽出が起こりにくく、透明性を確保したい場合はランダム共重合PPが有効です。

自動車部品

バンパーやインパネでは剛性と耐衝撃を両立できるガラス繊維入りPPや、エラストマー改質PPが主流です。
燃料タンクは耐薬品性と層構造化によるガスバリア向上を目的にHDPEが採用されます。

医療・理化学容器

オートクレーブ殺菌が必要なシャーレやシリンジはPP一択です。
低温保存用の血液バッグや試料チューブには、低温脆化に強いPE(EVA共重合を含む)が求められます。

コスト・環境面の比較

原材料コスト

一般的にPEの方がPPより1〜2割安価ですが、需給バランスや添加剤量で逆転するケースもあります。
高機能グレード(透明PP、ガラス強化PP)はPEより高価になる傾向があります。

リサイクル性

両樹脂とも単一素材であればマテリアルリサイクルが容易です。
ただしPEとPPは密度が近く、選別ラインで混在すると品質が低下するため、識別マークと色分別が重要です。

環境負荷と脱炭素

燃焼時のCO2排出係数はほぼ同等ですが、PPは単位重量あたり物性が高いため軽量化による総排出量削減に寄与します。
バイオマスナフサ由来のPE・PPや、化学的リサイクル技術も国際的に拡大しています。

加工時の注意点

水分管理

PEは吸湿性が極めて低く前乾燥不要ですが、PPは微量でもブツ発生のリスクがあるため80℃×2h程度の予乾燥を推奨します。

静電気対策

PE・PPとも帯電しやすく、薄膜ではハンドリング不良やごみ付着を起こします。
帯電防止剤の内添加、または製袋工程でのイオナイザー設置が効果的です。

印刷・表面処理

密着性向上にはコロナ放電またはフレーム処理で表面張力を38mN/m以上へ向上させる必要があります。
処理後は時間とともに効果が減衰するため、できる限り速やかに印刷やラミネートを実施します。

まとめ

ポリエチレン(PE)は耐衝撃・耐薬品性・加工のしやすさに優れ、柔軟包装や低温用途で真価を発揮します。
ポリプロピレン(PP)は耐熱・剛性・軽量化の面で優れており、食品容器や自動車部品、医療機器に最適です。
製品が要求する物性と製造プロセス、コスト、リサイクル方針を総合的に比較することで、材料選定の最適解が導き出せます。
上記の差異と選定基準を把握し、製品設計の初期段階で適切な樹脂を採用することが、品質向上とコスト削減、さらには環境対応につながります。

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