ホワイトオークとレッドオークの違い―家具・フローリングに適した選び方

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ホワイトオークとレッドオークの違い―家具・フローリングに適した選び方

オーク材とは?

オークはブナ科コナラ属に属する広葉樹で、北米を中心に世界各地で利用されています。
とくにホワイトオーク(Quercus alba 系)とレッドオーク(Quercus rubra 系)は流通量が多く、家具やフローリングの定番材として知られます。
同じオークでも性質や見た目に違いがあり、用途に応じた正しい選択が品質とコストを左右します。

色味と木目の違い

ホワイトオークは黄白色から淡褐色で、上品な落ち着きを感じさせる発色が特徴です。
年輪幅が狭く、虎斑(とらふ)と呼ばれる美しい放射組織が現れやすいため、高級感のある表情を演出できます。
一方、レッドオークはピンクがかった淡紅褐色から濃紅褐色を帯び、華やかな暖色系のイメージがあります。
木目はやや粗く、大胆なストライプが現れるため存在感が強く、カジュアルなインテリアやアメリカンスタイルに調和します。

硬度と耐久性

Janka 硬度の比較では、ホワイトオークがおおよそ 1360lbf、レッドオークが 1290lbf です。
数字だけ見ると大差はありませんが、ホワイトオークのほうが全体的に密度が高く、衝撃や摩耗に強いと評価されます。
椅子やテーブルの脚、高い歩行頻度のフローリングにはホワイトオークが好まれやすい要因となります。

耐水性・耐腐朽性

ホワイトオークは道管内にチロースと呼ばれる封塞物が多く、液体の浸透を防ぐ構造です。
そのためウイスキーやワインの樽材に選ばれ、屋外や湿気の多い場所でも比較的長持ちします。
レッドオークはチロースが少なく道管が開放的で、水分が浸み込みやすい性質があります。
室内専用での利用が前提なら問題ありませんが、水まわりや玄関土間に使う際はこまめな塗装メンテナンスが必須です。

加工のしやすさと仕上げの相性

どちらのオークも曲げや切削に強いものの、ホワイトオークは密度が高い分だけ工具の消耗が大きく、刃物の切れ味管理が重要です。
レッドオークは繊維がやや粗いことでサンダー仕上げが早く、ステインの吸い込みも良好です。
はっきりとした着色を楽しみたい場合はレッドオーク、透明感を生かしたクリア塗装ならホワイトオークが映えます。

価格と入手性

北米産一次製材の FOB 相場では、レッドオークがホワイトオークより 10〜20%安く取引されることが多いです。
国内在庫もレッドオークのほうが豊富で、コスト重視のプロジェクトや大量発注に向いています。
ただしホワイトオークは高値でも需要が安定しており、高級住宅やホテル仕様の案件で指名買いされるケースが増えています。

家具に適した選び方

椅子・テーブル:使用頻度が高く局部荷重が集中しやすい箇所には、硬度と耐摩耗性に優れるホワイトオークが安心です。
キャビネット・収納:視覚的なアクセントや着色塗装を楽しみたい場合、レッドオークの華やかな木目が映えます。
アンティーク調:虎斑を強調したクラシカルな意匠を求めるならホワイトオークを柾目取りし、オイルフィニッシュで深みを引き出す手法が定番です。

フローリングに適した選び方

リビング・ダイニング:人の行き来が多く水滴も落ちやすい空間では、耐水性と寸法安定性に優れたホワイトオークが推奨されます。
寝室・書斎:足触りを柔らかくしたい場合はレッドオークの幅広材を使い、ワックス仕上げでナチュラルな温かみを演出すると心地よいです。
床暖房対応:ホワイトオークは含水率変動による収縮・膨張が小さく、床暖房システムとの相性も良いと報告されています。

環境負荷とサステナビリティ

どちらのオークも FSC 認証や SFI 認証を取得した森林から供給されている製品を選べば、違法伐採や過剰伐採のリスクを抑えられます。
ホワイトオークは成長に時間がかかり、直径 50cm の丸太になるまで 60〜80 年を要すると言われます。
レッドオークは成長が早く、30〜50 年で収穫可能なため、循環型林業の観点ではレッドオークが優位となるケースもあります。
環境配慮をアピールしたい物件では、原産地証明と認証マークの有無を必ず確認しましょう。

メンテナンスのポイント

ホワイトオークの無垢フローリングは、硬いワックスブラシと専用オイルで年 1 回のメンテナンスを行うと光沢を長持ちさせられます。
レッドオークの場合、導管が粗いぶん汚れが入り込みやすいので、ポリウレタン系のトップコートを二重に塗布すると耐汚染性が向上します。
家具に関しては、乾拭きと年 2〜3 回のオイル再塗布が基本です。
高温多湿の時期はエアコンの除湿運転を併用し、含水率の急激な変動による反りや割れを防止してください。

まとめ:用途と好みで最適なオークを選ぶ

ホワイトオークは密度が高く耐水性に優れ、重厚感と高級感を求める家具や高耐久フローリングに最適です。
レッドオークは柔らかい色味と豊かな木目が魅力で、コストパフォーマンスを重視しつつ温かみのある空間を演出したい場合に向いています。
硬度・耐水性・価格・環境負荷という多角的な視点で比較し、使用シーンとデザインコンセプトに合わせて選択しましょう。
適切なメンテナンスを行えば、どちらのオークも世代を超えて価値を保ち、暮らしに豊かな表情をもたらしてくれます。

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