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高圧二酸化炭素処理は圧力を数十MPaまで上げた状態で食品と二酸化炭素を接触させる非熱的殺菌技術です。
二酸化炭素は臨界点付近で液体と気体の性質を併せ持ち、微生物細胞膜への浸透性が飛躍的に高まります。
熱をほとんど加えないため、色調、風味、栄養素の劣化が抑えられる点が大きな特長です。
高圧下ではCO2が微生物の脂質二重膜に溶け込み流動性を変化させます。
膜構造が膨潤し、透過性が亢進して細胞内外のイオンバランスが崩れます。
CO2は水と反応して炭酸を生成し、細胞質のpHを一時的に4以下まで低下させる場合があります。
酵素活性が阻害され、代謝が停止します。
高圧CO2はタンパク質の疎水結合に干渉し、三次構造をゆるませます。
結果として必須酵素やリボソームが機能不全に陥り、微生物は増殖できなくなります。
高圧処理(HPP)やパルスUVなどと比べ、CO2処理はエネルギー消費が小さいメリットがあります。
一方、圧力脱気の工程が必要なため、炭酸ガス回収設備の導入コストが課題です。
オレンジジュースやベリースムージーは熱殺菌で色が暗くなりやすい製品です。
高圧CO2を用いると天然色素の退色が抑えられ、ビタミンC残存率も90%以上を維持できます。
ナトリウムを減らすと日持ちは短くなります。
CO2処理後に冷蔵流通することで、リステリアや腸管出血性大腸菌の発育が検出限界以下となり、安全性が向上します。
葉菜類は表面に好気性細菌が多く付着しています。
包装前にCO2処理を行うと呼吸速度がわずかに低下し、褐変抑制効果も得られます。
1 原料を耐圧容器に充填し、余剰空気を置換します。
2 圧縮機でCO2を設定圧力まで加圧し、温度を30〜45℃程度に制御します。
3 保持時間は3〜20分が一般的で、対象菌種や水分活性によって最適条件を設定します。
4 減圧時にCO2が気化し、製品温度が一時的に低下するため結露を防ぐ排気設計が重要です。
加圧容器はSUS316L製が標準で、Oリングはパーフルオロエラストマーが推奨されます。
CO2循環系には高圧ブースター、熱交換器、ガスセパレータが組み込まれます。
処理後の排ガスは液化回収して再利用し、CO2排出量を削減できます。
水分活性が高いほどCO2が溶解しやすく、高い殺菌効果が得られます。
酸性食品であればpH低下が相乗効果を示します。
温度を上げるとCO2の拡散が速まり、短時間で同等の効果が得られます。
しかし過度の加温は熱変性を招くため、40℃前後が実用的です。
ターゲット菌が芽胞形成菌の場合、20分以上の保持が必要になるケースがあります。
菌種ごとのD値データを蓄積し、最適サイクルを設計します。
ビタミン、ポリフェノール、アミノ酸など熱に弱い成分が残存します。
香気成分の揮発が抑えられるため、フレッシュ感が向上します。
また加圧と減圧を繰り返すことで気泡が抜け、舌触りが滑らかになる効果も報告されています。
初期投資額はバッチ処理200L装置でおよそ8,000万円前後です。
CO2はリサイクル率95%以上を目指せば、ランニングコストは1トン当たり5〜8円に抑えられます。
熱殺菌に比べてエネルギー消費は約40%削減でき、長期的にはコスト競争力が高まります。
欧州ではノベルフード規則の審査対象外となり、一般的製造工程として扱われています。
日本では食品製造用機器に関する明確なガイドラインがなく、各社が自主規格でバリデーションを行う状況です。
HACCPプランに組み込む際は、CCPとして圧力と時間の二重監視を設定する例が多いです。
芽胞菌やウイルスへの効果を高めるため、乳酸添加や超音波との併用研究が進んでいます。
連続処理装置の開発により、飲料ラインへのインライン組込みが検討されています。
環境面ではCO2を化学品副生ガスから回収するカーボンリサイクル型サプライチェーンが期待されます。
高圧二酸化炭素処理は熱を加えずに微生物を制御できる革新的な技術です。
品質劣化を最小化しながら、安全性と保存性を両立できるため、高付加価値食品の製造に適しています。
装置コストやガス回収設計の課題をクリアすれば、持続可能なフードチェーンの中核技術となるでしょう。

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