貴社の強みや特徴を一言で表現
詳しくは、下記リンクより詳細をご覧ください👇
フレキソ印刷はパッケージやラベルを中心に急速に普及している印刷方式であり、高速生産や環境負荷の低減といった利点があります。
しかし、生産スピードが速いほど問題になりやすいのが「インク密着性」です。
密着性が不十分なまま出荷すると、輸送中の擦れや内容物との摩擦でインク剥離が発生し、クレームやリコールにつながります。
そのため、素材ごとの表面特性を理解し、適切な前処理とインク選定を行うことが求められます。
インクが基材表面をどの程度濡らせるかは表面張力に左右されます。
一般に、インクの表面張力が基材の表面エネルギーより20〜30mN/m低いと良好に濡れます。
濡れ不足はピンホールやミスティングの原因となり、乾燥後の密着不良へ直結します。
水性インクは水の蒸発による乾燥、溶剤インクは溶剤の揮発、UVインクは光重合で硬化します。
各インクは樹脂の極性、顔料分散性、添加剤の種類により密着挙動が異なります。
特にUVインクは硬化後に高い硬度を持ちますが、収縮応力が大きく、低極性フィルムでは割れやすい傾向があります。
コロナ処理やプラズマ処理はフィルム表面を活性化し、極性基を導入します。
また、OPニスやラミネートはインク層を保護する一方、インクとの相溶性が低いと層間剥離を招くこともあります。
後加工まで見据えたトータル設計が不可欠です。
紙は多孔質で吸収性が高く、インクが内部に浸透して密着しやすい素材です。
しかし、リサイクル紙や耐油紙は表面に撥水剤が残留している場合があるため、密着性が低下します。
シリカ系コーティングやプライマーを追加し、表面エネルギーを上げることで対応できます。
PEは表面エネルギーが30mN/m程度と極めて低く、密着性確保のために高出力コロナ処理が必須です。
処理後は経時でエネルギーが低下するため、24時間以内に印刷工程へ送るのが理想です。
水性インクの場合、架橋剤としてイソシアネート系硬化剤を併用すると剥離強度が向上します。
OPPは透明性と剛性に優れ、食品パッケージに多用されますが、PE同様に低極性です。
コロナ処理に加え、プライマー塗布や静電気除去で微細な粒子付着を防ぐことが重要です。
UVインク使用時は、基材収縮とインク収縮の差を最小化するため、柔軟性の高い樹脂を選定します。
ナイロンは高極性でインクとの相溶性が高く、密着性は良好です。
ただし吸湿性が高く、含水率が上がると寸法変化や表面白化が発生します。
保管時の湿度管理と印刷前の予備乾燥が欠かせません。
金属面は化学的なアンカー効果が小さいため、密着不良が生じやすい素材です。
化成処理やプライマーでアンカーサイトを形成し、エポキシ系やポリアミド系樹脂を配合したインクで接着力を高めるのが一般的です。
さらにラミネート処理を行う場合は、インクと接着剤の相溶性を確認し、層間剥離を防止します。
インク層に縦横11本ずつ切れ込みを入れ、基材まで達するようカットします。
粘着テープを一定荷重で貼り、90°で剝離した後の残存率を評価します。
5Bから0Bまでの規格で4B以上が目安です。
印刷面に幅25mmのセロハンテープを貼り、180°方向に毎分300mmで剥離して残渣を観察します。
定量的に剥離力を数値化しやすく、工程間で比較しやすいメリットがあります。
印刷面を摩耗輪で一定荷重・一定回転させ、質量減少や光沢変化を測定します。
ラミネートやOPニスの保護性能まで含めた耐久性評価に有効です。
原因
・処理電圧不足
・高温多湿保管で低分子が再配向
対策
・処理電力を0.5kW・min/m²以上に設定
・印刷までの保管を低湿度で行い、48時間以内に使用
原因
・乾燥不足で水分が残留
・インク層が柔らかく、隣接面と圧着
対策
・ホットエア乾燥温度を5〜10℃上げる
・架橋剤添加量を0.5〜1.0%増やして硬度を向上
原因
・硬化速度が速すぎ、内部応力が高い
・フィルムの熱収縮に追従できない
対策
・高分子量モノマーを減らし、柔軟性を確保
・ランプ出力を段階的に上げるグラデーション硬化を採用
従来のコロナ処理より高い活性化エネルギーを持ち、酸素や窒素ラジカルによる化学結合が可能です。
処理後の表面エネルギーは50mN/m以上を長時間保持しやすく、再処理の手間を削減できます。
水性樹脂とUV硬化モノマーをハイブリッド化し、水分乾燥後にUVランプで最終硬化させる技術です。
VOCを大幅に削減しつつ、高硬度と密着性を両立できます。
食品包材のインキミグレーション規制にも適合しやすく、採用が進んでいます。
プライマー中にナノサイズのシリカ粒子を高分散させ、荒れた微細凸凹を形成します。
これによりアンカー効果を増強し、紙・フィルム・金属のあらゆる基材で剥離強度を30%以上高めることが報告されています。
フレキソ印刷におけるインク密着性は、表面張力、インク成分、前後工程の3要素で決定されます。
紙系から低極性フィルム、金属基材まで、それぞれの特性を理解した上でコロナやプラズマ処理、プライマー、インク配合を最適化することが不可欠です。
クロスカットやテープテストなど定量評価を行い、異常があれば速やかに乾燥条件や添加剤配合を見直します。
最新の大気圧プラズマ、水性UVハイブリッド、ナノシリカプライマーといった技術を組み合わせれば、環境規制に対応しながら高い密着性を実現できます。
最終的には印刷から後加工、流通までの全工程を視野に入れたトータルな材料設計が、フレキソ印刷の品質と信頼性を飛躍的に高める鍵となります。

詳しくは、下記リンクより詳細をご覧ください👇
You cannot copy content of this page