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赤外線乾燥装置は、赤外線ランプやカーボンヒーターなどの発熱体から放射される電磁波を利用し、物質内部の水分子を直接振動させて加熱・乾燥する装置です。
波長帯は近赤外線、中赤外線、遠赤外線の三つに大別され、それぞれ到達深度や吸収効率が異なります。
食品加工では、表面だけでなく内部まで均一に温度を上げられる近赤外線が多用されますが、表面仕上げを重視する場合は遠赤外線が採用されるケースもあります。
赤外線乾燥の最大の特徴は、加熱媒体が空気ではなく電磁波である点です。
空気を温めてから熱を伝える対流式乾燥と比べ、熱移動の段階が一つ少ないため熱効率が高く、短時間で目標水分に到達できます。
赤外線は水分子の固有振動数に近い波長を持つため、食品内部で直接エネルギーに変換され、急速な温度上昇を引き起こします。
この直接加熱効果により、表層が過乾燥になる前に内部水分を蒸発させられるため、品質を保持しながら乾燥時間を短縮できます。
食品ごとに含有水分量や成分構成が異なるため、最適波長の選定が重要です。
たとえば高含水の野菜や果物には、吸収ピークが水に近い短波長域を用いることで内部加熱を強化できます。
一方で、油脂を多く含む製品では表面過熱を避ける目的で中波長域を選択し、温度勾配を緩やかに保つ方法が採られます。
近年はPLCやIoTセンサーを組み合わせ、乾燥室内の温度と排気湿度を秒単位でモニタリングするシステムが普及しています。
フィードバック制御により、目標水分に達した瞬間に出力を下げることで過乾燥を防止し、エネルギーコストを最小化できます。
短時間乾燥技術は高速だけでなく、高精度な制御があってこそ成り立ちます。
対流式ホットエア乾燥は設備コストが低く汎用性が高い半面、乾燥速度が遅く、表面品質の低下や栄養素の損失が問題となります。
真空凍結乾燥は品質保持に優れるものの、装置が高価で処理量も限られます。
マイクロ波乾燥は内部加熱に優れますが、加熱むらや電磁波による部分焦げが課題です。
赤外線乾燥はこれらの長短を補完する中庸の技術として位置づけられ、食品業界での採用が加速しています。
ポテトチップスやコーンスナックでは、フライ後の余分な油分を除去し食感を調整する目的で赤外線乾燥が導入されています。
短波長の近赤外線を用いることで内部から水分を一気に蒸発させ、サクサク感を向上させつつ油っぽさを低減できます。
従来比で乾燥時間を40%短縮できた例も報告され、ラインスループットが大幅に改善しました。
即席麺は蒸煮後、油で揚げるもしくはエアドライする工程があります。
赤外線乾燥を前工程に組み込むことで、麺内部の水分を均一に減少させ、揚げ油の吸油率を抑制できます。
これによりカロリー低減と油コスト削減を同時に実現し、健康志向市場に対応した製品開発が可能になります。
干物や魚介珍味では、表面菌数の抑制と乾燥効率の両立が課題です。
赤外線は表層温度を急速に上げられるため、短時間で殺菌温度に達し微生物リスクを低減できます。
同時に内部水分も効率的に移動させるため、歩留まりを維持したまま乾燥時間を30~50%削減した事例があります。
遠赤外線を用いた低温長波長乾燥では、メイラード反応の進行を抑制し、鮮やかな色合いを保持できます。
特にイチゴや桃など色変化の激しい果実で効果が顕著であり、糖度や香気成分の残存率も高い値を示します。
セントラルキッチンで調理後、冷凍保管している食品を店舗で仕上げる際、赤外線乾燥を組み合わせたリヒートオーブンが活躍しています。
短時間で表面をクリスピーに仕上げながら芯温も迅速に上げるため、提供時間を短縮し、顧客満足度を向上できます。
既存生産ラインに赤外線乾燥装置を後付けする場合、コンベヤ速度と発熱体出力を同期させる必要があります。
製品ごとに滞留時間が異なるため、ゾーン分割や可変出力方式で柔軟に対応できる設計が求められます。
食品業界ではHACCP対応が必須です。
赤外線ヒーター周辺は粉や油分が付着しやすいため、工具不要で分解洗浄できるカバー構造やステンレス部材の採用が推奨されます。
定期的なランプ交換時にも異物混入リスクを抑制する治具設計が重要です。
赤外線乾燥は瞬時に立ち上がるため待機電力が小さく、稼働時間が短いラインほど投資回収が早まります。
電力料金単価、稼働時間、削減できるガス使用量を比較し、ROIを定量的に評価することが導入成功の鍵となります。
近年はハイブリッド乾燥として、赤外線と熱風、マイクロ波を組み合わせた装置が開発されています。
赤外線で表面加熱、マイクロ波で内部加熱、熱風で蒸発水分を排気する三段構成により、乾燥ムラを最小化し総処理時間を半減できます。
またAIを活用した乾燥シミュレーションで、原料ロットによる含水率のばらつきを予測し、出力カーブを自動調整する事例も登場しています。
ある米菓メーカーでは、遠赤外線乾燥に切り替えた結果、年間のガス使用量を24%削減し、製品割れ率も15%低減しました。
一方で、赤外線ランプの寿命管理と交換コストが新たなランニング費用として発生し、運用マニュアルの整備が必要になりました。
また、製品厚みが不均一な場合は加熱ムラが生じることがあり、成型工程の精度向上が連動して求められました。
赤外線乾燥装置は、電磁波による直接加熱で高効率かつ短時間の乾燥を実現し、食品業界で多彩な応用が進んでいます。
波長最適化、リアルタイム制御、他方式とのハイブリッド化によって、品質保持と省エネを両立できる点が大きな魅力です。
導入時にはライン適合性、衛生性、コスト回収シミュレーションを総合的に検討する必要がありますが、成功すれば生産性向上と製品差別化につながります。
今後はAI制御やデジタルツインによる最適運転が普及し、さらなる短時間乾燥と品質向上が期待されます。

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