高タンパク質バーのしっとり感を維持するための油脂と水分管理

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高タンパク質バーに求められる「しっとり感」とは

高タンパク質バーはタンパク質強化のために大豆たんぱくやホエイたんぱくを高配合する製品です。
しかしタンパク質原料は吸水力が高く、水分を奪いやすいのでパサつきやすい性質があります。
消費者調査でも「おいしさ」と直結する要素として、しっとり感が最重要視される傾向にあります。
そのためタンパク質量を確保しながら、油脂と水分をどうコントロールするかが製品開発の鍵になります。

しっとり感を左右する三大要素

水分活性(aw)の最適化

しっとり感は単純な含水率だけでなく、水分の結合状態を示す水分活性(aw)に強く影響されます。
一般的に0.6〜0.7程度のawが「しっとり」かつ微生物的安全性を両立しやすい領域です。
タンパク質バーの場合、吸水性タンパクが自由水を取り込み過ぎるとawが下がりすぎ、口溶けが悪くなります。
逆に保水性甘味料や多価アルコールを組み合わせると、適度な自由水を保持でき、食感改善が期待できます。

油脂相の分散と結晶化

油脂は水分の蒸発を抑制し、舌触りを滑らかにする役割を果たします。
しかし油脂がタンパク質と均一に分散しなければ、油染みや硬化の原因になります。
特に高融点のパーム核油やココアバターを使用する場合、β’結晶を形成させる温度管理が重要です。
適切なプリクリスタライゼーションにより、時間経過後も滑らかな油脂ネットワークを維持できます。

多価アルコールと糖アルコールの吸湿性

マルチトールやグリセリンは保湿剤として機能し、タンパク質の水分保持をサポートします。
これらは水素結合により水分子を内部に固定するため、製品中の自由水を安定化させます。
甘味・カロリー抑制に加えテクスチャー改善という二次的効果も得られるため、配合検討に値します。

油脂選定のポイント

融点と飽和度のバランスを取る

常温で固体の油脂はバーを構造的に支えますが、融点が高すぎると口溶けが悪化します。
ココナッツオイル(融点24℃前後)は夏季の軟化リスクがありますが、カカオバター(融点34℃前後)では硬すぎる場合があります。
シアバターやハイオレイックひまわり油をブレンドし、融点30℃前後に調整すると、咀嚼時にちょうど溶け始める食感が得られます。

機能性油脂で付加価値を向上

中鎖脂肪酸(MCT)はエネルギー源として注目され、スポーツユーザー向けに差別化できます。
オメガ3系油脂を微細乳化して加えると、健康訴求をしながらオイリー感を抑制できます。
ただし不飽和度が高い油脂は酸化リスクがあるため、トコフェロール系抗酸化剤の併用が必須です。

水分管理のテクニック

バインダーシロップの調整

バインダーとして用いる水あめやイヌリンシロップの固形分濃度は70〜75%が目安です。
濃すぎると加工粘度が上がりミキシングムラが発生し、薄すぎると乾燥時に過剰な収縮と表面ひび割れを招きます。
ホットミックスで80℃程度に加熱し、粉体タンパクに素早く絡めることで均一性を確保できます。

タンパク質原料の前処理

ホエイアイソレートは粒子表面が親水性のため、予備吸水させると後工程での急激な水分吸収を防げます。
前処理として10%水溶液をスプレーし、30分静置してから本練りに投入すると、バー内部での水分移動を抑制できます。

製造プロセスにおける注意点

ミキシング順序

1. 粉体タンパクと難消化性デキストリンをプレンド
2. 液体糖アルコールと油脂を80℃で溶解
3. バインダーを粉体に注ぎ、低速でプリミックス
4. 高速ミキサーを短時間使用し、過混ぜによる気泡混入を防止
このフローにより油脂相と水相の微細分散が保たれ、しっとり感が長期化します。

温度と圧縮成形

押出しやロール成形時の温度は35〜40℃が適温です。
低すぎると油脂が固化して割れやすく、高すぎると自由水が蒸散してパサつきます。
圧縮圧力は50〜70kg/cm²で設定し、空隙を最小化することで乾燥収縮を防止できます。

包装と保存条件

バリア性の高いアルミ蒸着フィルムを使用し、酸素と水蒸気透過度をそれぞれ1ml/m²・day以下、1g/m²・day以下に抑えます。
窒素置換を行えば油脂酸化をさらに抑えられます。
保管温度は25℃以下、相対湿度60%以下が望ましく、温湿度変動が頻繁な物流環境ではパレットカバーを活用します。

配合例:しっとり系高タンパク質バー(100kgバッチ)

ホエイプロテインアイソレート 35kg
コラジェンペプチド 5kg
オート粉末 7kg
難消化性デキストリン 6kg
マルチトールシロップ(70%固形分) 20kg
グリセリン 5kg
ココアバター 8kg
ハイオレイックひまわり油 3kg
MCTオイル 2kg
フルーツペースト 6kg
レシチン 0.3kg
トコフェロール 0.1kg
香料・塩 適量
水 2.6kg
仕上がりaw 0.68、含水率11%、タンパク質含有率40%(乾物ベース)を実現します。

トラブルシューティング

油脂ブルームが発生する

原因は油脂の不均一な結晶化です。
成形前の冷却トンネル温度を17℃から20℃に引き上げ、ゆっくりとβ’結晶を成長させると改善します。

経時硬化が早い

糖アルコール比率が低い、または保湿剤が不足している可能性があります。
グリセリンを1〜2%追加し、awを0.65から0.7に調整すると軟化が持続します。

まとめ

高タンパク質バーのしっとり感を維持するには、油脂と水分を物理化学的にコントロールする総合設計が必要です。
ポイントは適切なaw設定、融点バランスの取れた油脂選定、保湿剤による水分固定、そして製造プロセスでの温度管理です。
これらを最適化することで、タンパク質高配合でもおいしく食べやすい、競争力の高い高タンパク質バーを実現できます。

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