貴社の強みや特徴を一言で表現
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ひしお味噌は醤油麹と味噌麹を掛け合わせた独特の発酵食品で、複雑な旨味と芳醇な香りが特徴です。
しかし複数の原料と高塩分環境が絡み合うため、仕込みごとに風味や発酵速度がばらつきやすい課題があります。
原因は原料ロット差もありますが、最も影響が大きいのは使用する微生物の組成です。
適切な菌種ブレンドを設計し、毎回同じスターターを投入できれば、pH推移やアミノ酸生成量を再現性高くコントロールできます。
麹菌はデンプン分解酵素とタンパク質分解酵素を大量に産生し、後続の乳酸菌や酵母が利用できる糖とアミノ酸を供給します。
品種によりプロテアーゼ活性や耐塩性が異なるため、目的に合わせた株を選ぶことが大切です。
高塩耐性で酸生成力が強いT. halophilusは、pHを緩やかに低下させて腐敗菌の侵入を防ぎます。
また遊離グルタミン酸を増やし旨味を伸ばす働きもあります。
他にLactiplantibacillus plantarumは酸味が穏やかで、植物性原料の香気を引き立てます。
Z. rouxiiは高浸透圧に強く、アルコールとエステル類を産生して特有のふくよかな香りを付与します。
もう一つの候補であるCandida versatilisはバレルエイジング時にメラノイジン反応を促進し、色調を深める作用があります。
ひしお味噌の塩分は13〜18%が一般的です。
麹菌は比較的塩に弱いため、耐塩乳酸菌と酵母で早めに環境を整える必要があります。
スターター比率を麹菌2:乳酸菌3:酵母1に設定すると、高塩環境でも発酵遅延を防げます。
旨味の核は遊離グルタミン酸と核酸関連物質です。
麹菌を二系統(プロテアーゼ高活性株+グルコアミラーゼ高活性株)に分けて混合すると、タンパク質と糖質の分解が並行して進み、総アミノ酸量が20〜30%上昇します。
再現性を高めるには、菌種だけでなく初期細胞数(CFU/g)を規格化します。
目安として麹菌1×106、乳酸菌1×107、酵母1×106を確保すると、仕込み量500kgでも温度依存性が小さくなります。
最も汎用性が高く、製造コストも低い組み合わせです。
pHは仕込み4日目で5.2、14日目で4.8に安定し、20日目以降は熟成期へスムーズに移行します。
塩分14%設定で、グルタミン酸量が従来比1.3倍に増加。
乳酸菌由来のマイルドな酸味が後味を引き締め、減塩レシピでも物足りなさを感じにくくなります。
30〜35℃の高温で7日間発酵させる工場ライン向けです。
短期でも褐変を抑え、香りを残すことが可能です。
まずピロッカー法で菌体数を測定し、乾燥麹粉末1gあたりのCFUを算出します。
次に各菌種の比率を重量ではなく細胞数で調整し、ブレンド誤差を±5%以下に抑えます。
1. 滅菌米糀に麹菌を接種し、30℃で48時間培養。
2. 乳酸菌を0.5%、酵母を0.1%接種し、25℃でさらに24時間共培養。
3. 含水率を35%まで乾燥させて粉砕。
この手順で麹菌の酵素活性を失わずに他菌種を取り込めます。
スターターは4℃以下で遮光保存し、1か月以内に使用します。
継代は最大3回までに限定し、PCR-DGGEで遺伝子レベルの純度を確認すると混入リスクを最小化できます。
仕込み初期は25〜28℃で酵素活性を最大化し、ガス発生が増えたら22℃まで下げて香気成分の揮散を抑えます。
自動制御による昇温・降温を行うと、香味のブレを約40%低減できます。
麹歩合20%の場合、塩分15%が標準です。
塩分を下げるときは麹歩合を25%に引き上げ、酵素供給量を確保しないと微生物バランスが崩れます。
好気性の麹菌と酵母が共存するため、仕込み3日目までは1日2回撹拌し酸素を送り込みます。
乳酸菌優勢期に入ったら撹拌を週1回に減らし、酸素過多によるオフフレーバー生成を避けます。
温度が20℃以下、もしくは初期乳酸菌数不足が主因です。
再仕込みでスターターを追加接種し、30℃に昇温すると再起動できます。
空頭空間を小さくし、酸素を制限することが基本です。
表層に1%の食塩水を霧吹きすると、好塩性菌以外の増殖を抑えられます。
官能評価はJASの5段階法を採用し、同時にグルタミン酸、アルコール、pHを分析します。
官能スコアと化学データを相関解析すると、次回の菌種比率調整にフィードバックできます。
ひしお味噌の発酵安定化には、麹菌・乳酸菌・酵母の特性を理解し、塩分や温度に合わせた最適な菌種ブレンドを設計することが不可欠です。
スターターを規格化して投入すれば、製造ロット間のばらつきを最小限に抑えられます。
さらに環境制御と品質評価を組み合わせることで、伝統の味を守りながら工業的な再現性を実現できます。
ひしお味噌の可能性を広げる第一歩として、自社に最適な菌種ブレンドの開発に着手してみてください。

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