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味噌作りでは、塩は単なる調味料ではなく微生物の活動速度をコントロールする鍵です。
塩分は浸透圧を高めて麹菌や酵母、乳酸菌などの水分活性を低下させます。
結果として発酵速度が抑制され、長期熟成向きの深い旨味や香りが形成されます。
一方、塩分を低く設定すると微生物が活発化し、短期間で香りと甘みが立つフレッシュな味噌になります。
つまり塩分濃度は「熟成時間」「香味の方向性」「安全性」のバランスを左右する最重要パラメータです。
10~12%:甘口~中甘口味噌で最もポピュラーです。熟成期間は6か月前後。
12~14%:中辛口。安全域が広く家庭でも失敗が少ない濃度です。熟成は9~12か月。
8~10%:減塩タイプ。発酵が速い反面、雑菌汚染リスクが高まります。熟成は3~4か月。
14%以上:長期熟成向き。芳醇な香りと複雑な旨味を得られる反面、完成まで1年以上かかります。
麹菌(Aspergillus属)はデンプン分解酵素やタンパク質分解酵素を産生し、味噌の甘みと旨味の源を作ります。
品種改良や分離源の違いにより、酵素活性・芳香成分生産能が大きく異なります。
主に米味噌や麦味噌に使用される一般的な麹菌です。
アミラーゼ活性が高く、甘みが立ちやすいのが特徴です。
塩分耐性は中程度で、10~13%が最適域です。
クエン酸を多産生し、爽やかな酸味を付与します。
減塩味噌や低アルコール発酵食品で重宝されます。
塩分耐性はやや低く、8~11%で活性が最大化します。
泡盛用として知られますが、タンパク質分解酵素が強力で、旨味が濃い味噌を作れます。
塩分耐性が高く、13~15%でも安定して働きます。
麹菌は塩ストレスにさらされると胞子形成を促進し、酵素産生量が低下します。
このとき酵母や乳酸菌の増殖も鈍り、全体の発酵速度が落ちます。
反対に低塩では麹菌の酵素活性が最大となり、糖やアミノ酸の生成が急増します。
生成された栄養源を酵母が取り込み、エタノールやエステル類を産生して香りが早く立ち上がります。
したがって「どの麹菌を選ぶか」と「どの塩分に設定するか」は切り離せない要素です。
塩分:8~9%
麹菌:黄麹菌または白麹菌
理由:高アミラーゼ活性と低塩により糖化が迅速に進み、3か月程度で甘みとフルーティーな香りが整います。
塩分:11~12%
麹菌:汎用黄麹菌
理由:安全域が広く、雑菌抑制と発酵速度のバランスが良好です。半年~9か月で安定した味わいに仕上がります。
塩分:13~14%
麹菌:黒麹菌
理由:高プロテアーゼ活性がタンパク質を分解し、1年熟成後にアミノ酸が凝縮します。塩分が高いので保存性も優秀です。
塩分:8%
麹菌:白麹菌
理由:クエン酸産生でpHが下がり、低塩でも腐敗菌を抑制できます。発酵は速く、約2か月で食べ頃になります。
温度は微生物の増殖速度を指数関数的に変化させます。
短期熟成狙いなら25~28℃をキープし、長期熟成なら18~20℃に抑えましょう。
大豆を粗く潰すと表面積が小さくなり、塩分浸透が遅れて発酵速度が落ちます。
滑らかに潰し、30~45日に一度天地返しを行うとガス抜きと酸素供給で発酵が均一化します。
同じ塩分でも吸水量で水分活性が変わります。
0.90以下に保つとカビ汚染を防ぎつつ酵母の活動を維持できます。
発酵が遅いと感じたら、温度を上げて追い麹を0.5~1%追加します。
逆に速すぎる場合は食塩を1%追加し、浸透圧で活動を抑えます。
産膜酵母が原因です。
塩分を0.5%追加してよく撹拌し、アルコールスプレーで表面を清潔に保ちます。
タンパク質分解が過剰に進んだ証拠です。
温度を18℃以下に下げ、塩分を0.5~1%追加すると匂いが落ち着きます。
低塩環境で雑菌が繁殖した可能性があります。
pHと塩分を測定し、基準(pH4.5以下・塩分8%以上)を下回っていれば廃棄を検討します。
味噌の発酵速度は、塩分濃度と麹菌の組み合わせによって自在にコントロールできます。
短期熟成なら低塩×黄麹菌、長期熟成なら高塩×黒麹菌が基本方針です。
白麹菌を用いれば減塩でも安全域を確保しやすく、酸味やフルーティーさが加わります。
仕込み後は温度・水分活性・撹拌を調整し、必要に応じて追い麹や追い塩で微調整しましょう。
目的に合わせて最適な条件を選べば、家庭でも思い通りの味噌を安定して製造できます。

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