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乳化安定性とは、水と油が長期間にわたり分離せず、均一な分散状態を保てる度合いを指します。
食品、化粧品、医薬品など幅広い分野で重視される品質指標です。
分離やクリーミングが発生すると、外観や食感が損なわれ、機能性成分の均一性も崩れます。
このため、乳化安定性を高める技術開発は製品競争力の基盤といえます。
レシチンはリン脂質を主体とする天然由来の界面活性剤です。
親水基(リン酸基)と親油基(脂肪酸鎖)を併せ持つ両親媒性構造により、水相と油相の界面に吸着します。
その結果、界面張力が低減し、微細な油滴形成が容易になります。
さらに、レシチン分子は界面に緻密な皮膜を形成し、油滴同士の再凝集を物理的に阻害します。
電気的二重層や静的反発力の付与により、長期保存中のオストワルド熟成も抑制できます。
遠心処理後の上澄み高さを全体高さで除した値で、数値が小さいほど安定性が高いと判断します。
レーザー回折法で測定し、D90が小さく尖鋭な分布を示すほど、物理的安定性は高まります。
一定温度で静置し、光学系で油層厚みの増加速度を連続計測します。
温度依存性が大きいため、使用環境を想定した条件設定が重要です。
レシチン配合設計では「種類」「配合量」「添加タイミング」「補助乳化剤との併用」が四本柱になります。
一般的に用いられるのは大豆由来とヒマワリ由来です。
大豆レシチンはコストパフォーマンスに優れ、HLB値は7前後で多用途に応用可能です。
アレルゲンフリーを求める場合はヒマワリレシチンが好まれます。
脱アセトン処理でリン脂質純度を高めると、乳化力は向上しますが粘度も上昇するため、粘度対策が必要になります。
油相重量に対して0.3〜1.2%の範囲でスクリーニングするのが一般的です。
少なすぎると界面被覆が不十分で粗大な油滴が残り、過剰添加では粘度上昇や味への悪影響が懸念されます。
粒径分布と分離指数を組み合わせて評価し、最適点を探索します。
レシチンは油相に先溶解してからプレミックスを形成する方法が推奨されます。
高せん断ホモジナイザーでは、レシチンを後添加すると凝集塊が生じ、微細化効率が低下します。
熱に弱い香気成分を含む場合は、冷却工程でレシチンを追加投入し、二段階で被覆層を強化する手法も有効です。
レシチン単独ではHLB幅が限定的なため、ポリグリセリン脂肪酸エステルやモノグリセリドと併用し、HLBバランスを微調整します。
イオン性界面活性剤と組み合わせると、電荷反発により小粒径化が望めますが、pHや電解質の変動で再凝集する可能性があります。
従来の一変数法では、配合最適化に多大な手間とコストがかかります。
DOEを用いると、少ない試験回数で主効果と交互作用を同時に解析できる利点があります。
・2水準全因子計画:レシチン濃度、撹拌速度、添加温度を要因として設定し、交互作用を定量化します。
・中心合成計画(CCD):レシチン0.3〜1.2%、HLB値6〜10、シェアレート5000〜15000 s⁻¹を連続変数とし、応答曲面から最適条件を導きます。
目的変数に分離指数を設定し、最小化を狙います。
半定量的な官能評価を加えることで、物性面と官能面の双方を最適化できます。
レシチンは弱アニオン性であるため、pHが低下すると電荷が減少し、油滴間の静電反発が弱まります。
酸性飲料ではクエン酸によるpH低下に加え、多価酸とのキレートでリン脂質が沈殿するケースがあります。
この場合、カルシウムシェレート剤やクエン酸緩衝塩を併用し、pHを3.5以上に保つことが推奨されます。
レシチンは高濃度でゲル化傾向を示し、ポンプ搬送性を損ないます。
増粘剤カラギーナンを併用する場合は、レシチン濃度を0.6%程度に制限し、増粘剤で粘度を補完する方が操作性に優れます。
一方、ドラッグデリバリー用途では高粘度が利点となるため、レシチン濃度1.0%以上で油滴を被覆し、徐放性を高める設計が採択されます。
ラボスケールで得られた最適配合は、工場スケールで再現性が低下することがあります。
主因はエネルギー密度の差で、高粘度系では特に顕著です。
インラインホモジナイザーのL/D比、キャビテーション数をパイロット検証し、同等の分散エネルギーを確保します。
熱履歴も粒径に影響するため、プレヒート温度を±2℃以内で制御することが推奨されます。
原因はレシチンの酸化劣化による界面活性低下が多いです。
過酸化物価(POV)が5 meq/kgを超えた場合、新規ロットへの切替えで改善することが報告されています。
高濃度レシチンはリン脂質特有の豆様臭を呈することがあります。
脱臭済みグレードの採用、またはレシチン濃度を0.8%未満に調整すると解決しやすいです。
レシチンは天然由来で安全性が高く、乳化安定性向上に欠かせない原料です。
最適な乳化を実現するには、種類選定、配合量、添加タイミング、補助乳化剤の併用を総合的に設計する必要があります。
DOEを活用した統計的アプローチにより、短期間で科学的根拠に基づく最適条件が構築できます。
pH・電解質・粘度といった外的要因を考慮し、スケールアップ検証を綿密に行うことで、製品の再現性と市場競争力が大幅に向上します。

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