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自動車の電動化、軽量化、高効率化が進む中で、高性能セラミックスはエンジン部品、パワートレイン、排気系、ブレーキ系、センサー類など多岐にわたって採用が拡大している。
金属に比べて軽量で高温強度、耐摩耗性、絶縁性、耐腐食性に優れる点が評価され、特にSi₃N₄、SiC、ZrO₂、Al₂O₃、アルミナ‐ジルコニア複合体などが中心材料となっている。
これらのセラミック部品の性能を最大化する鍵は、焼成とその後の冷却プロセスである。
焼成は粉末同士の粒子間結合を進め、高密度化と結晶粒微細化を同時に達成する工程である。
自動車部品の場合、曲げ強度800MPa以上、耐熱衝撃ΔT>800℃、内部欠陥ゼロといった厳しいスペックが要求される。
この物性を得るためには、最適な温度プロファイル、昇温速度、保持時間、雰囲気制御が不可欠となる。
酸化物系の場合は大気、窒化物系・炭化物系ではN₂あるいはAr、さらには加圧N₂、加圧Arを使用する。
とくにSi₃N₄は高温で分解が起こるため、0.3~1.0MPaの加圧N₂雰囲気が推奨される。
雰囲気ガスの純度は99.999%を確保し、酸素・水分含有量を1ppm以下に抑えることで脱炭や粒成長を抑制できる。
シャトル炉は多品種少量での柔軟な温度制御に強みがあるが、熱効率が低い。
ローラーハース炉は大量生産に適し、連続雰囲気制御が容易。
圧力焼結炉(HIP炉)は加圧雰囲気下での高密度化が可能で、ガスタービンブレードやベアリングボールなど高信頼部品に必須となる。
脱バインダー温度帯(200~600℃)では、有機物を完全に除去しないと残留炭素が微小孔となる。
酸化物系では低昇温速度(1~3℃/min)、窒化物系ではバッチ排気とプログラムパージを組み合わせる。
目標温度は材料系で異なり、Al₂O₃系1600℃、Si₃N₄系1750℃、SiC系2050℃が一般的。
保持時間は粒径と助剤量で設定し、微粉末であれば10~30分、粗粉末では1~2時間とする。
過度に長い保持は粒成長を招き、破壊靭性低下を引き起こすため注意する。
主焼成温度から1000℃付近までは炉内ひずみを最小化するために、2~5℃/minの緩冷が推奨される。
ここで急冷すると熱応力割れや異方収縮が発生し歩留まり低下を招く。
Si₃N₄ターボチャージャーローターのように熱衝撃特性が求められる部品では、1100℃以下での急冷(20℃/min以上)により、表面圧縮応力を導入し耐衝撃性を高める方法がある。
一方、ZrO₂酸素センサー素子ではマルテンサイト変態を伴うため、700℃以下で徐冷し残留応力を緩和する必要がある。
目的性能に応じて冷却曲線を複合的に設計する。
炉冷の場合は雰囲気ガス流量を制御し、温度勾配を均一化する。
外部急冷ではエアブロー、窒素ガスブロー、真空→He置換高速冷却などが用いられる。
水冷は金属焼入れと異なりセラミックスでは熱衝撃が大き過ぎるため原則採用しない。
有限要素法シミュレーションを用いて、冷却速度と応力分布を事前解析することが歩留まり向上の鍵となる。
実験値とのフィードバックにより、冷却曲線と部品形状の最適化を行う。
焼成・冷却後に内部欠陥を見逃すと、走行中に破壊リスクがある。
X線CT、超音波探傷、レーザー共振法など非破壊検査を組み合わせ、99.9%の欠陥検出率を目指す。
焼成後の収縮率は1.0~20%と材料により幅広い。
CAD/CAM設計段階で逆算補正し、焼結後に研削・ラッピング・ホーニングで最終精度±2μmを確保する。
マイクロ波による内部加熱はエネルギー効率が高く、1/3の時間で焼成完了できる。
粒成長抑制効果もあり、SiCパワーデバイス用基板やEV用インバータモジュールで研究が進む。
積層造形した窒化物セラミックグリーン体をレーザーで局所焼結し、その後一括焼成する手法が提案されている。
複雑形状の自動車冷却チャネル一体型部品などへ応用が期待される。
セラミック基板と金属配線を同時焼成し、センサー、アンテナ、制御回路を一体化する技術がコネクテッドカー需要を背景に拡大中である。
高性能セラミックスは自動車の高効率化と信頼性向上に不可欠なキーマテリアルである。
性能を最大化するためには、焼成温度、雰囲気、保持時間、冷却速度を部品ごとに最適化し、熱応力を制御することが重要となる。
シミュレーション、非破壊検査、新焼成技術の導入により、歩留まりを向上させつつ生産コストを抑える取り組みが加速している。
今後もマイクロ波焼成や3Dプリント複合プロセスが実用化されれば、自動車業界におけるセラミックス部品の採用領域はさらに拡大するであろう。

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