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青梅は未熟な状態で収穫されるため、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸を豊富に含みます。
その結果、ピューレに加工すると爽やかな酸味が際立ちますが、酸味だけでは商品としての使い勝手が限定されてしまいます。
ジャム、菓子、ドリンクベース、ソースなど多用途に展開するには、酸味に対して甘味を均一に補正し、ターゲットの嗜好に合った糖度に整えることが不可欠です。
糖度を適切に管理すれば、製品の風味が安定するだけでなく、保存性や発酵リスクの低減にもつながります。
食品業界で用いられる糖度は一般にBrix(ブリックス)と呼ばれます。
Brix値は溶液100g中にショ糖が何g含まれるかを示す指標で、果汁やシロップの甘さを客観的に判断するものです。
青梅ピューレは果肉繊維が多く、濁度の影響で屈折計が不安定になる場合があります。
このため、固形分を除いた上澄み液の測定、または温度補正機能付きデジタル屈折計の使用が推奨されます。
糖度だけに着目すると「甘いのに酸っぱい」といった風味ギャップが生じることがあります。
pHを測定し、酸味の指標となる全酸量を同時に把握することで、甘味と酸味のバランス調整が効率化します。
青梅ピューレのpHは2.5〜3.5が一般的で、これを基準に甘味料添加量を試算すると精度が高まります。
南高梅は果肉が厚く酸味が穏やかで香りが高い一方、小梅系品種は酸味が強く果皮タンニンも多い傾向があります。
同じ糖度に調整しても品種差による味覚の立ち上がりが異なるため、事前に官能評価を行うことが望ましいです。
未熟果はクロロフィルが多く酸味が鋭いですが、成熟が進むと有機酸が一部糖に変換され、自然な甘味が増します。
糖度管理においては、原料となる青梅の収穫タイミングを意図的に早めるか遅らせるかで、後工程で必要な糖添加量が変わります。
1. ピューレをホモジナイズして均一化する。
2. 100メッシュ以上のステンレスふるいで固形分を分離。
3. 分離した上澄みを20℃に安定させる。温度が異なるとBrix値が±0.2以上変動します。
・アナログ屈折計:コストが低いが視差による誤差が出やすい。
・デジタル屈折計:温度補正機能付きで正確。粘度の高いピューレでも測定しやすい。
・卓上型糖度・pH複合計:大量サンプルの連続測定向け。HACCP対応のトレーサビリティ確立に便利です。
ロット番号、日時、作業者、測定値を記録し、クラウドや製造実行システム(MES)に連携すると品質監査や輸出書類作成がスムーズになります。
青梅ピューレを汎用原料として販売する場合、Brix20が最も取り回しが良いとされています。
ジャムや菓子に使用する際はBrix40以上が求められるケースもあるため、最終用途に応じて数値を決定します。
・グラニュー糖:コストと汎用性に優れる。熱負荷に強い。
・液糖(転化糖シロップ):低温溶解性が高く、結晶化のリスクが少ない。
・トレハロース:甘味度は砂糖の45%程度だが保水性と凍結耐性が向上。冷凍ピューレに最適。
・果糖ぶどう糖液糖:甘味度が高く粘度が低い。ドリンクベース向き。
ターゲット糖度に到達した後でも、保存温度で粘度が変わる場合があるため、甘味料の物性を考慮して配合することが重要です。
バッチ方式で糖添加するとロット間差が出やすいですが、連続式ブレンドシステムにインライン屈折計を組み込むとリアルタイムで糖度を監視できます。
設定したBrix値から外れた場合、自動で甘味料ポンプが補正するため、均一化が容易になります。
糖溶解のために加熱する場合、真空濃縮釜を用いれば60〜70℃の低温でBrixを上げられます。
高温保持を避けることで梅由来のグリーンノートやフレッシュな香気成分が残り、製品価値を高めます。
糖度が高いほど水分活性(Aw)が低下し、微生物の増殖が抑制されます。
しかしBrix60未満では浸透圧耐性の高い酵母や好浸透圧性酵母が生育する余地があるため、pH3.5以下を維持し、脱気・加熱殺菌を組み合わせることで二段構えの防御を施します。
近年は高圧処理(HPP)やパルス光殺菌といった非加熱技術も導入され、香味劣化を最小限に抑えつつ長期保存を実現できます。
Brix15〜18が推奨。
酸味を活かしつつ飲みやすい甘味レベルで、希釈用シロップやカクテルミキサーとして需要があります。
Brix35〜40が標準。
ベイク後に水分が飛ぶため、仕込み段階で適度な糖度を設定しないと甘味不足になります。
トレハロースを一部置換すると焼成後のしっとり感を保持できます。
Brix30前後。
糖度が低すぎると氷結点が高まり、食感がシャリシャリしすぎるため注意が必要です。
酵母のアルコール発酵を考慮し、Brix22〜25で仕込み、最終的にBrix12〜14程度まで落ちる想定でレシピを組み立てます。
酸度が高いと酵母活性が低下するため、カルシウムや窒素源を補給することで発酵が安定します。
・糖度追加後にピューレが高粘度化しポンプが閉塞
→ステップフィーディング方式で数回に分けて糖を投入し、温度を45℃以上に維持して粘度を下げる。
・瓶詰後に浮上分離が発生
→ホモジナイザーを使用し、粒度を30μm以下に整えることで分離を防止。ペクチナーゼ処理も有効。
・保管中に褐変
→酸素を極力排除し、アスコルビン酸を0.05%添加。ガスバリア性の高いパウチで冷凍保管。
青梅ピューレの酸味と甘味を均一化するには、糖度管理を中心とした総合的なプロセス設計が必要です。
Brix、pH、酸度を多角的にモニタリングし、原料の品種・熟度差を補正することで品質が安定します。
甘味料の特性や加熱条件、インライン測定技術を組み合わせれば、用途ごとに最適化されたピューレを効率良く製造できます。
糖度管理は味のバランスだけでなく、安全性や保存性を向上させる要の工程です。
正確な測定とデータ管理を徹底し、市場ニーズに応じた青梅ピューレの価値を最大化しましょう。
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