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投稿日:2025年7月15日

流れの基礎式と非均質流疑均質流均質流抵抗減少効果と低減法

はじめに:製造業の「流れ」を再発見する

製造業の現場において「流れ」とは何を指しているのでしょうか。

日々の業務で目にする素材や部品、製品の物理的な移動の流れ、そして情報や指示系統の流れ——。

この「流れ」がスムーズであれば現場は活気づき、停滞すれば全てが乱れていきます。

では、この「流れ」を理論的に支える「基礎式」や「流れの均質・非均質」について、どれだけ現場で意識されているでしょうか。

この記事では流体工学や生産現場における「流れ」の基礎的な考え方から、現場目線での非均質流・疑均質流・均質流、そして抵抗減少効果や現実的な低減法までを解説します。

昭和のやり方から抜け出せないアナログな現場でも、すぐに活かせるノウハウを盛り込みます。

サプライヤー、バイヤー個々の立場でも「流れ」の理解は今後の交渉や現場改善のキーポイントになるでしょう。

流れの基礎式とは何か:なぜ知識が必要か

流体工学の基礎:連続の式とエネルギー保存則

製造現場で扱う「流れ」の多くは液体や気体の動きです。

その基本となるのが「連続の式」と「エネルギー保存則(ベルヌーイの定理)」です。

連続の式は、パイプやダクトを流れる流体の断面積と流速の関係を示し、「流量(断面積×流速)はどこでも一定」と解釈できます。

ベルヌーイの定理は「流れに沿って圧力・運動エネルギー・位置エネルギーの合計は一定」というもので、損失がなければどこでも成り立ちます。

現場ではエア搬送や液体搬送、そして排気・吸気システムなど、さまざまな部分でこの原理が応用されています。

現場で使える基礎的指標

昭和型のアナログ現場では「圧力計」「流量計」「配管径」などを経験値で見ています。

しかし、例えばパイプの途中で口径を細くするとどうなるか。

単純に流速は上がりますが、圧力損失も増え、結果的に下流で欲しかった流量が出ない——。

この現象も基礎方程式で分析できます。

工程や配管設計の段階で基礎式を知っているだけで、ムダな改造や現場トラブルを未然に防ぐことができます。

流れの「均質」と「非均質」とはどう違うのか

均質流:理想状態の「きれいな流れ」

均質流とは、速度・温度・濃度などが流れ方向および断面全体で均一になっている状態を指します。

例えば、水道管の真っ直ぐな部分で、水の速度や圧力がどこをとっても同じ状態。

この均質流は設計上の理想で、計算も容易です。

実際にはうまく「均質化」されていれば、省エネで安定した搬送が可能です。

非均質流・疑均質流:現場での現実

しかし、工場の現場では曲がりくねった配管・途中のバルブ、合流や分岐点、異物の混入など、実に多くの要因で「非均質流(流れのむら)が発生」します。

非均質流とは、流速や圧力分布がバラバラで、例えば配管の中央だけ速く、壁際だけ遅い、もしくは温度が断面で違うなどです。

疑均質流は、ぱっと見「そこそこ均質だけど実は細かい部分にむらがある」状態。

例えば気泡の混入、異物の部分滞留、あるいは混合不良製品の「狭間」など、各工程で重大な品質トラブルの起点になります。

なぜ「非均質流」を恐れるべきか

非均質な流れは、配合ムラ・製品ムラ・局所的な過熱や冷却不足・残存物の付着・目詰まりリスクなど、直接的に品質・稼働率・コストに響きます。

材料・流体だけでなく、作業者の動線や情報・指示の流れもまた「非均質」になりがちです。

「うちの陽気なパートさんがいつも渋滞を作ってくれる……」という現場あるあるも、「人の流れの非均質化」で、典型的な例です。

抵抗減少効果とその極意:現場流の低減法

抵抗とは何か?流れの敵と味方

流れに対する抵抗は、「エネルギーロス」「圧力損失」「流量低下」として現れます。

典型的なのは、配管の曲がり、面積変化、バルブ、粗い内部表面、浮遊物など。

この抵抗がなぜ問題かと言えば、泵やファンの大きな消費電力、メンテ頻度増、品質不良に直結するためです。

抵抗減少の効果:どこまで伸びる効率化

現場の「ムダ・ムラ・ムリ」は抵抗そのものであり、これを減らせば、「小さなモーターで済む」「製品歩留まりUP」「顧客からのクレーム激減」など、経営インパクトも大。

最新のスマート工場では「流れが可視化」され、その分抵抗の分析・削減も進化しました。

しかし、多くの既存工場では以下の方法論が即効性を発揮します。

実践的流れ抵抗低減法(物理・工程・管理)

  • 配管・ダクト設計の見直し:
    曲がり部分をR曲げに。
    鋭角から鈍角へ。
    径を変える場合は「徐々に」拡大・縮小を徹底。
    壁面も研磨等で滑らかに。
  • バルブや継手削減:
    どうしても必要な場所以外はバイパス化。
    自働バルブの動作サイクル改善。
  • フィルター保守管理:
    目詰まり警報の活用。
    交換サイクルの前倒し。
  • 現場作業者の動線改善:
    物理的なレイアウト変更だけでなく、道具の住所を明確化。
    ピッキングや運搬のムダを徹底削減。
  • 情報の流れの均質化:
    「紙からデータ」へだけでなく、「現場で1次入力」し、上流で使えるデータの構築。

実は、どれも一つ一つは地味です。

しかし「5%ずつの改善」を積み重ねるだけで、年間で大きな省エネやクレーム減につながります。

工場オートメーション(FA)技術の導入でも、まずは既存の「流れ」を分析し、その抵抗源をつぶす工夫こそ本質です。

バイヤーの視点:流れとコストダウンの関係

バイヤーは仕入れコストや納期、品質だけでなく、「サプライヤーからの流れ(物流)」の抵抗にも着目しています。

例えば安価な部品でも、納入時の梱包形態が悪いだけで検品にムダな手間がかかったり、適切なタイミングでの納入がばらつくと、生産ラインで「ダンゴ状態」ができ、間接的なコストがかさんでしまいます。

工場現場の流れ(物理・情報両方)の均質化を意識し、「手戻り」を減らす支援策を提示するサプライヤーは、これからのサプライチェーンにおいて確実に重宝されます。

サプライヤー目線:現場の流れを理解し提案力を高める

サプライヤー側で「バイヤーは何を重視しているか?」の一つの答えが、「納入後の現場負荷をどれだけ減らせるか」です。

消費現場の配管の流れや、作業員の動線、不良流防止策を把握し、自社の納入品がそれらを助ける具体提案を打つと、競争力が跳ね上がるでしょう。

例えば、配管の途中に設置するバルブや温度計の種類・位置、梱包開封しやすさ、「カスタム仕様」でのムダ削減ノウハウの提供など、流れの抵抗低減効果を「見える化」して説明することで、バイヤーからの信頼も厚くなります。

まとめ:製造現場の「流れ」を最適化するために

流れの基礎式から均質流・非均質流、抵抗減少、現場での実践的低減法まで。

昭和から連綿と続くアナログな現場でも、本質は変わりません。

現場目線での細やかな観察と、物理法則に立脚した改善こそが、結局は時代の最先端にも通じる近道です。

バイヤーもサプライヤーも、「流れ」の基礎を知り、現場での抵抗削減の思想を持てば、製造現場における持続可能な発展につながるでしょう。

業界全体の底上げを目指すなら——まず、自分の現場の「流れ」の見直しから始めてみませんか。

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