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投稿日:2026年1月6日

ショットブラスト装置で使うショット貯蔵タンク部材の製法と摩耗対策

はじめに:ショットブラスト装置とショット貯蔵タンクの重要性

ショットブラスト装置は、金属表面の錆やバリの除去、表面粗さの調整など幅広い用途で使用されています。

この装置の心臓部ともいえるのがショット(投射材)の貯蔵タンクです。

ここで使用される部材の耐久性や安全性、メンテナンス性は、装置全体の稼働効率とコスト競争力に直結します。

特に、日本の製造業では古くから「とりあえず使ってみる」「壊れたら修理」のアナログ志向が根強く残っており、最新の摩耗対策や部材の改良が十分に普及していない現場も多く見受けられます。

この記事では、ショットブラスト装置で使われるショット貯蔵タンクの部材製法から、現場ならではの摩耗対策、選定ポイントまで、実践的な視点で掘り下げていきます。

製造現場で日々奮闘されている方や、バイヤーを目指す方、あるいはサプライヤーからバイヤーのインサイトを知りたい方に向けて、実践的かつ今の時代に即した情報をお届けします。

ショット貯蔵タンクの基本構造と使用環境

ショット貯蔵タンクは、装置内で投射材を一時的に保管し、必要に応じて供給するための部材です。

多くの場合、タンク本体・ホッパー・ゲート・供給口などで構成されており、常にショットが金属表面に衝突する過酷な環境下で運用されます。

この現場では、以下のような環境的要素が重大な課題となります。

– 強度のある衝撃・摩耗
– 温度変化や湿度による腐食
– 投射材の種類による材質への負荷

昭和時代からの一部工場では、補修を繰り返しながら長年同じ部材を使い続ける文化が色濃く残っていますが、製造現場の省人化や不良率減少、イノベーション推進を目指すなら、本格的な部材改良と摩耗対策は待ったなしの課題です。

ショット貯蔵タンク部材の主な製法と材料選定

一般的な主要製法

ショット貯蔵タンクの主な製法には以下の方法があります。

1. プレス加工+溶接
– 鉄板や鋼板をプレス加工し、必要な形状に曲げた後、パーツを溶接して一体化する方法です。
– 費用が比較的安価で、中ロット品やオーダーメイド品に適しています。

2. 鋳造(キャスト)
– 耐摩耗性が特に求められる部位や、複雑な形状のホッパーには鋳造製法が用いられます。
– 強度が高く肉厚のコントロールもしやすいため、大型設備やカスタマイズにも向いています。

3. ライニング(二重構造化)
– ベース材の上にセラミックやゴム、ウレタン等のライニングを施すことで、摩耗への耐性を強化します。
– 摩耗だけでなく、吸音・防振の副次的効果も狙える工法です。

材料選定とそれぞれの特徴

ショット貯蔵タンクの材料には主に以下のものが使われます。

– SS400などの一般構造用鋼
– コストが安い一方、摩耗には弱いです。

– 耐摩耗鋼(ハードックス®、JIS SCM鋼など)
– 摩耗に対して優れた耐性を発揮しますが、加工性や溶接性への配慮が必要です。

– 鋳鉄・ダクタイル鋳鉄
– 衝撃荷重に強く、耐摩耗性も良好。重量物になりますが、タンク自体の長寿命化が図れます。

– セラミック、あるいは複合ラミネート材
– 主に摩耗が著しい部分にインサートやライニングとして使用されます。
– 高価ですが、頻繁なメンテナンスコスト削減につながることも。

これらの材料選定は、現場ごとの稼働状況、投射材の種類・粒径、メンテナンス体制、予算などによって最適解が異なります。

業界のアナログ志向が抱える課題と最新の動向

製造業の現場といえば、設計変更や材料切替えには「前例がない」「壊れてから考えよう」といった昭和的なメンタリティが根強く残っています。

実際、多くの現場では部材交換のたびに「前回と同じ仕様で」と指示が出ることも珍しくありません。

しかし、少子高齢化、技術者不足、カーボンニュートラルへの流れといった背景から、部材選定の考え方も大きく揺らぎ始めています。

例えば、自動化・DXを進める工場では、IoTセンサーで摩耗量や温度変化をリアルタイム記録し、摩耗寿命に基づく適切な部材交換や材料選定を行う動きも現れています。

また、従来型の「汎用鉄材」にこだわらず、部分的に高耐摩耗鋼やセラミックライニングを導入し、LCC(ライフサイクルコスト)で最適化する現場も増加しています。

進化が迫られる今こそ、現場目線での課題の洗い出しと、新技術の積極導入が求められています。

実践的な摩耗対策とメンテナンスの工夫

摩耗メカニズムの理解と対策の考え方

摩耗対策を考える際、まず「どういった摩耗が起きているか」を明確に把握することが重要です。

ショット貯蔵タンクでは、ショット材が自由落下する部分・曲面で方向が変わる部分・出口付近で流速が上がる部分など、局所的な摩耗が集中しやすいポイントが存在します。

対策の要は「摩耗の起点を特定し、集中的に強化する」ことです。

実践例:摩耗対策の具体的手法

1. 局所ライニングの活用
– 特に摩耗が激しい箇所にウレタンやセラミックパーツだけを後付けすることで、メンテナンス範囲を限定化できます。
2. パーツの分割設計
– タンク全体を一体型ではなく、摩耗部位だけユニット交換できる設計を採用することで、全体交換コストを大幅低減可能です。
3. 投射材の見直し
– ショット材自体の形状や材質を変更することで、部材寿命が飛躍的に向上した例もあります(特に非鉄金属や軟鋼への対応時)。
4. 摩耗頻度の見える化
– 定期的な厚み測定や、磁気センサーなどを活用して、摩耗進行度合いを「感覚」ではなく「数字」で把握することが安全に直結します。

バイヤー・サプライヤー目線で見る部材選定の極意

バイヤーが重視するポイント

– LCC(ライフサイクルコスト)での評価
– 初期コストの安さだけでなく、交換頻度やダウンタイムのトータルコストを重視します。

– 安定供給・納期遵守
– 未曾有のサプライチェーンリスクを見据え、サプライヤーの調達力やBCP体制も選定軸です。

– トレーサビリティと品質証明
– 不良発生時の追跡性や、第三者証明・材質証明書へのニーズが着実に高まっています。

サプライヤーとして押さえるべき対策

– 客観的な摩耗寿命データの提示
– 実際の使用現場での摩耗テスト実績や、従来品からの改善ポイントを具体的数字で示せれば大きな説得材料となります。

– 多様なカスタマイズへの柔軟対応
– ユニット設計やピックアップ交換パーツの提案など、差別化ポイントを提示できるかが受注率に直結します。

– コミュニケーション
– 現場担当者への定期的なメンテナンストレーニングや、アフターサービス体制の強化が、顧客との信頼構築のカギです。

まとめ:アナログからの進化と、これからのショット貯蔵タンク選定

ショットブラスト装置のショット貯蔵タンク部材は、単なる「ストック庫」ではなく、生産効率や品質管理の根幹を支える重要な技術要素です。

従来型の「現場の勘」や「前例主義」だけでなく、摩耗対策や材料選定においても科学的根拠をもってアップデートしていくことが、これからの時代に求められています。

バイヤー、サプライヤー、現場技術者が三位一体となり、「現場目線の課題」と「最先端の技術」を融合させ、次代の製造業をともに進化させていきましょう。

本記事が現場の一助となり、日本のものづくりがさらに力強く前進する一歩となれば幸いです。

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