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異業界から製造業の会社に転職する20代へ送る業界事情としての体力面

目次
はじめに:製造業のリアルな現場、なぜ“体力”がカギなのか
製造業は時代とともに高度化・自動化が進み、一見すると「ライン作業もオートメーションだし、ラクそう」と思われがちです。
確かにロボットやITツールの導入により、重作業や単純作業の人手は減っています。
しかし、実際に現場で働いている人なら誰もが、「製造業の本質は今も“体力勝負”である」と感じているのが現実です。
とくに20代で異業界から製造業へ転職を考えている方、あるいは新卒・第二新卒としてファクトリーの世界に飛び込もうとしている方にとって、見落としがちなポイントがこの“体力面”です。
今回は、実際の工場長経験や現場マネジメントの視点から、「なぜ今の時代にも体力が重要なのか」「なぜバイヤーも体力が問われるのか」、そして「どうやってその壁を乗り越えていくか」について、現場ならではの本音を交えて詳しく解説します。
異業種出身の20代がハマりやすい“体力の落とし穴”
1. オフィスワークとのギャップ
サービス業やIT、営業職など、イスに座ってパソコンに向かう仕事をイメージして転職を考えている方は要注意です。
たしかに事務所業務もありますが、製造業の大半の時間は「現場」が舞台になります。
ラインの動きを間近で確認したり、トラブル発生時に即座に駆けつけたり、資材や製品を搬送・検品したりと“動き回る”仕事がつきものです。
こうした現場作業は、縦横無尽に歩きまわり、場合によっては工場内階段を何度も昇降し、さらに季節によっては暑さ・寒さと戦わなければなりません。
新卒や未経験者は、頭で理解している以上にこのギャップに辛さを感じがちです。
2. 工場の環境は想像以上にハード
日本の製造業は昭和時代から続く工場が今も稼働しているケースが多いです。
一部最新鋭のクリーンルームで快適、という現場もありますが、その多くは夏はサウナのような高温・湿度、冬は底冷えする寒さが待っています。
鳴り響く機械音、独特の油のニオイ、粉塵が舞う空気、規則正しい動きが要求される現場――。
これら物理的な“体力消耗”が日常です。
また、持ち上げるモノ全てが10kg以上あるような現場も少なくありません。
危険物や薬品、扱いを誤るとケガにつながる道具とも日々向き合います。
3. 精神的な体力も問われる
現場の体力消耗は肉体的なものに限りません。
「納期」という名のプレッシャー、不良品を出せない緊張感、不測の事態に現場の仲間とともに立ち向かう精神的“粘り強さ”が不可欠です。
現場チームでは経験年数や年齢に大きな幅があり、ベテラン社員と若手の板挟みに遭うことも珍しくありません。
施策やルールが決まれば即座に現場が動き始めるため、“変化への耐性”という名の精神的な体力も欠かせない要素です。
体力勝負な“バイヤー”の世界――サプライヤーにも求められる視点
1. バイヤーの現場同行、現物主義の流儀
バイヤーと聞くと、机上で見積書や取引条件を比較するイメージが強いかもしれません。
しかし、現実のバイヤー業務は、現場の実状を自分の足で見て、触れて、掴む力が求められます。
多くの企業では、サプライヤーとの打ち合わせや現場視察のために全国、時には海外工場へも出張します。
飛行機移動、長距離車移動での現場チェックは、体力の消耗が激しい作業です。
工場の溶鉱炉や鋳造ライン、板金工場や塗装現場など、多種多様な現場を歩きまわることも少なくありません。
机上だけでは判断できない微細な現場のニュアンスを感じ取るセンスは、体力と現場経験の裏打ちが不可欠なのです。
2. サプライヤー目線で“バイヤーの体力観”を知る意味
供給側であるサプライヤーの方にとって、バイヤーの体力観を理解することは自社提案の精度向上に直結します。
書類やメールだけでは“見せきれない現場”をどう伝えるか、体力勝負のバイヤーとのコミュニケーションでは、「自分たちも現場目線で汗を流している」という証拠が信頼を呼びます。
バイヤーに現地に足を運んでもらう、実機を見てもらう、体感してもらう。
その中でこそ、本当に伝わる“製品や現場の価値”が見えてくるのです。
つまり、体力を使って歩み寄ることで、より本質的な「現場理解の促進」と「強固なパートナーシップ構築」が実現するのです。
昭和アナログはなぜ今も残るのか?体力と「根性」の現実
製造業で「昭和のやり方」「根性主義」と揶揄される現場がいまだ多いのはなぜでしょうか。
ここには、単なる“旧態依然”では説明しきれない現場事情があります。
1. IT化・自動化の“最後の一歩”にある壁
いくらシステムやロボティクスが導入されても、微細なトラブルや、段取り替え、イレギュラー対応には人間の目や勘、そして迅速な“体の動き”が不可欠です。
コストダウン圧力や納期短縮競争の中で、「最後の歯車」として現場担当者の体力・根性が事業を支えているのです。
また、ベテラン層が伝承してきた匠の技や現場判断は、一朝一夕ではITシステムに落とし込めません。
そのため、現場の「動き」「対話」「気付き」の基本が、やはり“動いてなんぼ”“体力勝負”として残り続けています。
2. チームワーク形成に体力が不可欠な理由
製造業の現場では、ひとつの工程ですべてが完結することはほぼありません。
原材料調達、生産、加工、検査、出荷…。
すべてが“人のリレー”で成り立っています。
状況によっては、予定外の緊急処置が何度も発生し、全員で“場当たり的な力を合わせる”局面も多発します。
そうした場面では、チームの誰かの体力的・精神的な余裕が、全体の生産性や安全に大きな影響を与えます。
根性論だけではなく、現場のベースを守る基礎体力の重要性がここにあるのです。
これからの“体力”とは?スマートファクトリー時代の新しい現場適応
1. “体を動かす”だけではない、新しい体力観
もちろん、昭和的な「力仕事」「根性」だけでは現代の製造業をサバイブできません。
最新の現場では、“考える体力”“学び続ける体力”も問われています。
現場作業のイノベーションや、生産管理ツールのアップデートにキャッチアップするため、常時新しい知識を吸収する粘り強さや、形骸化した慣習を柔軟に乗り越えるパワーを持つ――。
こうした“知的体力”が、スマートファクトリー時代のカギとなっています。
2. 持続可能な体力づくりの現場実践例
私が工場長を経験した現場でも、次のような取り組みを実践してきました。
・定期的なウォーキングミーティングで現場を一周し、体と頭を同時に使う習慣付け
・過度な根性論や長時間労働を排除し、業務改善(カイゼン)活動に全員参加するシステム
・社内スポーツイベントやジム補助など、基礎体力アップを会社ぐるみでサポート
・若手がベテランから技術伝承を学びつつ、逆にデジタル活用のマインドを教える“世代間交流”の奨励
これらを通じて、体力=肉体労働だけでなく、“持続可能な働き方”に向けた総合的な適応力の重要性を痛感しました。
まとめ:異業界からの挑戦を応援したい、だから伝えたい“現場の体力観”
異業種から製造業へ転職する20代にとって、現場の体力勝負は想像以上にタフな側面があるかもしれません。
ただし、それは決して「体育会系でなければ無理」ということではありません。
動くこと、現場で学ぶこと、変化に適応すること――これらの“体力”は、年齢や経験に関係なく、環境やチームワーク、学びの継続で誰でも身につけられます。
バイヤーやサプライヤーの方にも、「現場で汗をかき、現物を見て判断する目」と「変化を受け入れる新しい体力」を養ってほしいと強く感じます。
製造業は今も進化し続けていますが、本質は「現場・人・体力」が軸です。
ラテラルシンキングで自分の強みを新しい現場に持ち込み、未来の製造業を一緒に変えていきましょう。
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