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ノベルティの単価を下げた結果ブランド価値が毀損したケースの実態

目次
はじめに:ノベルティの単価とブランド価値の関係性
製造業において、ノベルティは企業のブランドイメージや商品価値を顧客や社会に伝える重要なツールです。
展示会や営業活動、新製品の発表時など、さまざまな場面でノベルティが活用されています。
しかし、コスト削減や調達の現場都合から「ノベルティの単価を下げる」ことが意識されすぎると、短期的なコストメリットの裏で、長期的なブランド価値の毀損という深刻な問題を招くことがあります。
昭和時代から続くアナログな現場思考や、数字だけで評価されやすい調達購買部門の実態も交えつつ、ノベルティの単価とブランド価値の関係性について現場目線で深掘りしていきます。
ノベルティ単価ダウンの背景:調達現場のリアル
現場で起きているコストダウンプレッシャー
多くの製造業メーカーでは、調達購買部門に厳しいコストダウンの目標が課せられています。
とくに近年は原材料高騰や人件費の上昇を背景に、全社的なコストマネジメントが一層求められています。
ノベルティは直接製品の原価に影響しないため、利益貢献度が見えづらく「安ければいい」という発想に囚われやすいアイテムです。
調達部門では「前年比〇%減」の目標達成のため、価格交渉や製造拠点の海外シフトなど、あらゆる手段で単価ダウンを求めます。
この構造的なプレッシャーが、ノベルティの質やデザイン、本質的な目的を後回しにする傾向を産んでいるのが現場の実態です。
発注側も“消化試合”に陥りやすい状況
ノベルティの選定や発注を任されるのが、営業推進部門やマーケティング部門、または総務や庶務という場合も多くあります。
彼らはノベルティの「ブランド価値へのインパクト」を真剣に議論せず、「予算内で多くの数を発注する」こと自体が目的化してしまうことが見受けられます。
このような消化試合的な発注状況は、低品質・安易な選定を誘発し、「ブランドを体現するノベルティ」という本来の役割が見失われる原因となっています。
ノベルティ単価を下げたことで生じたブランド毀損の実例
例1:安価なボールペンに置き換えた結果、“ケチな会社”の印象拡大
ある大手メーカーでは、社名入りの金属製高級ボールペンからごく一般的なプラスチック製安価ボールペンへとノベルティ切り替えを実施しました。
単価は数分の一に抑えられ、調達部門は会心のコスト削減実績として表彰されました。
しかし数か月後、営業担当者が取引先や展示会で配布するたびに、
「大手のくせに、こんなペンなんだね」
「すぐに書けなくなる、残念」
といったネガティブなフィードバックが顕著に増加。
一流メーカーの信頼感や技術力の裏打ちといったブランドストーリーと、ノベルティの質があまりにも乖離していたのです。
顧客の印象は、何年も築いてきた「技術に自信あり」から「細かいところで手を抜く会社」へと書き換えられてしまいました。
例2:環境配慮型と謳いつつ、実態は低品質素材のトートバッグ
SDGsや環境対応がトレンドとなるなか、「再生素材使用」を前面に打ち出したエコバッグをノベルティとして採用した企業がありました。
しかし実際には、強度や縫製が甘く、使い続けるうちに取っ手が千切れたり、糸がほつれるなど低品質が目立つ品でした。
顧客からのクレームは「環境に良いと言いながら長く使えない、結局ゴミになる」「サステナブルブランドの信頼感がゼロ」といったものが多く、ブランドの掲げるメッセージそのものが根底から疑われる事態となりました。
結果的に、SNSやレビューサイトでネガティブな口コミが広がり、一時的なコストダウンが数年分の信頼損失へと繋がってしまいました。
なぜノベルティ≠ノンバリューと誤解されるのか
ノベルティは「無料でもらえるもの」であり、「本来の製品価値には関係しない」ものと軽視されがちです。
特にBtoB・BtoC双方で価格競争が激化し、本業部分での価値創出が最優先となる今、「ノベルティは経費の無駄」とする経営陣も珍しくありません。
この発想は、いわば「昭和から抜け出せないアナログ発想」の表れです。
ノベルティの持つ“手に取った瞬間の驚き”や“ブランド体験のフック”といった心理的インパクトを理解できていない現場が多いため、費用対効果=配布数÷コストといった誤ったKPI設定に陥りやすい傾向があります。
リアルな現場でのノベルティ活用の価値を再評価する
良質なノベルティは「ブランド体験」の入り口
展示会や商談時、デジタルが主流になりつつある現在でも、“手触り”や“質感”、デザインのこだわりといったフィジカルな体験は、強いブランドイメージの定着には欠かせません。
たとえば加工技術や耐久性を売りにするメーカーが、その技術を活かしたパーツやミニツールをノベルティにする場合。
「おっ、すごい技術だな」
「このパーツ、家でも使えるじゃん」
と、ワクワク感や“使ってみたい”というシンプルな気持ちが沸き上がります。
ここで感じた感動が、単純な“広告効果”だけでなく、
「このメーカーと長く取引したい」
「ものづくりの姿勢が信頼できる」
といった強固なブランド支持につながっていくのです。
現代は“シェアされるノベルティ”が牽引
近年は、SNSや口コミサイトを通じて「企業のノベルティが話題になる」機会が格段に増えています。
実際ユーザー側の目線で言えば、「もらって嬉しい」「使って便利」「人に話したくなる/シェアしたくなる」という三拍子が揃ったノベルティは、自然と拡散される傾向があります。
製造業という“地味”な業界イメージを覆すようなアイデアノベルティは、想像以上のバズを生み、ブランドに新しい価値を付加します。
ここに単なる単価ダウン品では生み出せない、「認知アップ」「ロイヤリティアップ」の巨大な波及効果が隠れているのです。
サプライヤーの立場で考える:バイヤーが見ている“評価ポイント”
単価だけでなく、調達購買は“ブランド哲学”も見抜いている
サプライヤーが陥りやすいミスの一つは、「バイヤーは安さ重視」と思い込むことです。
一方実際の現場では、ノベルティの本質的な目的(ブランディング・ストーリー性)を本気で追求するバイヤーが増えています。
特に、長期的なリレーションシップを大切にしたいサプライヤーは、「どれだけブランド哲学に寄り添った提案ができるか」が重視される傾向にあります。
安易な“値引きベースの価格競争”ではなく、
「御社らしい技術を活かした新しいアイデア」
「長く手元に置かれる、持続的ブランド訴求効果」
といった提案力・共創力こそが、サプライヤー自身の価値向上につながるのです。
納期・品質対応は“説明責任”が重視される時代
現場のバイヤー目線では、「なぜこの価格なのか」「なぜこの仕様が最適か」、数字や設計上の根拠をきちんと提示する説明責任が一段と重視されています。
価格が高い場合も、「なぜ高い資材を用いているのか」「ブランド価値につながるストーリーは何か」を納得感あるドキュメントやロジックで伝えることが、商談成功のカギとなります。
また、品質トラブルや遅延リスクが発生した場合も、「正直・適切な説明」と「誠実な対応力」が選定の大きなポイントとなるのが、現代調達の特徴です。
まとめ:ノベルティの価値は「単価」ではなく「体験」で決まる
ノベルティの単価ダウンが引き起こすブランド毀損リスクは、決してレアケースではありません。
“コスト削減”という数字で現場が動くあまり、「体験価値の毀損」「ブランドストーリーの断絶」という負のインパクトを見逃してしまうと、気づいた時にはブランド価値の低下がビジネス全体を脅かすことになります。
現場目線でいえば、
「ノベルティとは、ブランドを“リアル”に感じてもらう最初の体験」
この原点を忘れず、単価ではなく会社としての思いを“カタチ”にする努力を惜しまず続けることが、長期的に見て最大のコストパフォーマンス向上・競争力強化へと繋がるのです。
今こそ調達購買・品質管理・現場のすべてが一枚岩となり、「強いブランド体験」を生み出すノベルティ戦略に本気で取り組んでいきましょう。
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