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CMS導入がマーケティング改善につながらない典型パターン

目次
はじめに:CMSは魔法のツールではない
製造業でマーケティングのデジタル化を推進するなか、多くの現場が「CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)さえ導入すれば何かが変わる」と考えてしまいがちです。
しかし、実際には思ったほどの成果が出ず、現場からも「期待外れ」と嘆きの声が聞こえてきます。
今回は、CMS導入によるマーケティング改善がなぜ期待どおりに進まないのか、典型的なパターンとともに現場目線で深堀りし、今こそ昭和的アナログ思考から一歩脱却するヒントを提示します。
CMSに過剰な期待を持つ現場の勘違い
CMSを導入しただけで情報発信力が劇的に上がるという幻想
多くの現場でありがちなのが、「CMSを導入すれば、自社サイトは自動的に魅力的になる」との誤解です。
そもそもCMSは、ウェブコンテンツの管理や更新を効率化する「運用ツール」に過ぎません。
肝心の中身、つまり「何を発信するか」「誰のために情報を届けるか」の設計がなければ、どれほど高機能なCMSを導入しても宝の持ち腐れです。
実際、私が関わった製造現場でも、運用担当者がアクセス解析の見方やSEO知識もないまま、とりあえずニュース更新や製品情報のカタログ掲載を繰り返しているケースを多々見かけました。
これでは顧客に価値ある情報は届かず、マーケティング改善にはつながりません。
IT部門主導でCMSを導入し、現場が置き去りにされる
多くの大手製造メーカーでは、CMS導入プロジェクトが情シスやIT部門の主導で進みます。
その際、用途やKPIの具体的イメージがないまま、ベンダーの言葉を鵜呑みにして「最新」や「シェアNo.1」といった理由でパッケージを決定してしまう傾向があります。
現場の営業やマーケティング担当が本当に必要としている現場ニーズ(たとえば、特定顧客向け事例の掲載や、製品ページのレイアウト自由度など)が後回しになり、結果として「現場の不満が残る使いにくいCMS」ができあがってしまいます。
現場ノウハウの反映不足こそ壁になる
製造現場の知見がウェブに生かされていない
製造業の強みは現場の技術やノウハウ、そして品質にあります。
ところが、CMS導入プロジェクトの現実は「IT担当×外注ウェブ業者」主導で進みがちです。
そのため、本来表現すべき現場の工夫や、開発エピソード、品質保証の裏側といった差別化ポイントがサイトに反映されません。
単なる「仕様カタログ」や「問い合わせフォーム」だけでは、他社との差別化は不可能です。
マーケティングを強化したいのであれば、日々現場で技術に向き合う人々の声やノウハウを、どうCMSを通じてアウトプットしていくかの視点が欠かせません。
「社内お便り」化してしまうコンテンツ
CMS導入直後は、多くの中小・大手問わず現場から「なにか書かなきゃ」といった義務感でお知らせ記事や季節のイベント情報ばかりが発信されます。
しかし、こうした情報は来場者(=見込み顧客)にとって価値が小さく、むしろ「またお決まりの社内報か」と飽きられがちです。
製造現場が本来発信すべきは、調達購買の現場改善事例や、新しい生産技術導入の苦労話、サプライヤーとバイヤー双方の視点でのQ&Aといった「現場でしか書けない一次情報」のはずです。
それがCMS導入後も変わらないのは、仕組みの問題ではなく「発信する中身=戦略」の欠如によるものです。
DXという言葉が独り歩きする業界構造
昭和的マインドと「見せかけDX」の蔓延
製造業界がDX(デジタルトランスフォーメーション)を叫ぶ一方、未だ「FAXでの受発注」「紙の検査記録」「対面会議重視」といったアナログ業務が根強く残っています。
CMSの導入も「見栄え」や「最新化」を名目に進められることが多く、業務改善や業績向上に直結する改革になかなかつながりません。
特に経営層が「うちもDXやってます」と外部向けにアピールするためだけにCMSを導入すると、現場には「導入効果不明」「とりあえず使ってみるが仕事が増えただけ」と距離感が生まれるのです。
ITリテラシー格差が壁になる
CMSは「誰でも簡単に使える」が売りですが、実際には現場担当者のITリテラシー格差が大きな障壁です。
たとえば、タイトルや見出しの付け方ひとつで記事の検索性や閲覧数に大きな差が生まれますが、SEOやUIUXの基本も知らずに更新業務が属人化すると、単なる業務負担増になるだけです。
現場で培ったスキルを組織横断的に共有し、ウェブコンテンツ活用を「現場力の拡張」として位置付ける視点が不可欠です。
バイヤー・サプライヤー視点を発信にどう生かすか
現場事情を知る誠実な発信が信頼を生む
CMSを活用する真の意義は、サプライヤー/調達担当双方が「相手の立場」でリアルに情報を開示し、接点を増やす点にあります。
たとえばQCD(品質・コスト・納期)課題でよく起きるすれ違いに対して、現場担当が苦労した調達交渉の舞台裏や、バイヤーが求める本音、サプライヤーが直面する生産現場の事情をコンテンツとして発信することで、取引先との信頼性向上につながります。
また、購買層にとっても自社の強みや改善事例の公開は「共感ポイント」になります。
CMSでの情報発信を「単なるお知らせ」で終わらせず、「取引先に安心と信頼を与えるストーリーテリング」に昇華させることが競争力強化につながるのです。
バイヤーが本当に求めている情報とは
現場の購買担当者がCMS経由で知りたいのは、単なる製品スペックや企業規模ではありません。
「現場でのトラブル対応力」、「短納期時の調整経験」、「代替提案の柔軟性」などのリアルな現場対応力こそが評価ポイントです。
また、担当者名入りのコラムや失敗体験談など、血の通った一次情報は問い合わせ増加にも大きく貢献します。
このような現場起点の営業・情報発信文化が確立できれば、CMSは「マーケティングを根本から変える」武器になりえます。
CMS導入を「現場改善」の一環で捉えるべき理由
現場が主役の「攻めの業務変革」を意識せよ
製造業はこれまで現場改善(カイゼン)やQCサークルなど「現場主体」の改革で成長してきました。
CMS導入も「情報の見える化によるカイゼン」と同じように、現場担当者が主役となって「自分たちの知見をどこまでデジタルで広げられるか」を考えるべきです。
「CMSをどう使うか」ではなく、「現場課題をどうCMSで可視化・共有・発信して社内外の改善につなげるか」、この逆転発想が昭和的思考から抜け出すカギとなります。
本来のマーケティングDXは現場に根差す
CMS導入を単なるシステム更新やコスト削減目的で終わらせてはいけません。
現場力・現場目線の知見こそマーケティングの最大の武器です。
組織横断で「現場が発信する文化」や、失敗事例・改善ノウハウの積極的な共有を促す仕組みとしてCMSを活用しましょう。
トップダウンではなくボトムアップで、現場の小さな成功体験から着実に成果を積み上げていくことが、持続可能なマーケティング改善への最短ルートです。
まとめ:CMS導入は手段に過ぎない、主役は現場の知恵と実践力
CMS導入によるマーケティング改善がうまくいかない典型パターンは、「ツール導入=成果」と安易に考え、現場目線のコンテンツ戦略やメンバーの巻き込み、現場ノウハウの共有が不十分なことに起因します。
発信する内容・方法・組織文化をいかに変革できるかが真の課題です。
昭和的アナログ思考から脱却し、現場を主役とする攻めのマーケティングDXにチャレンジすること。
それが、製造業が更なる発展を遂げるための唯一の道だと、私は20年以上の現場経験から確信しています。
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