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運動支援の参加率が低い理由を直視する

目次
運動支援の参加率が低い理由を直視する
はじめに:なぜ製造業現場で「運動支援」は定着しにくいのか
製造業の職場では、従業員の健康維持のために様々な運動支援プログラムが導入されています。
しかし、その一方で多くの現場で「参加率が低い」「形骸化している」といった課題が根強く残っています。
なぜこうした支援策が浸透せず、本来の目的である健康増進や現場力の向上に結びつかないのでしょうか。
この記事では、昭和から続く業界の空気感や現場独特の事情なども交えて、運動支援策の低参加率の根本要因を探り、現場目線の本質的なアプローチ方法について考察します。
昭和型の組織体質と「やらされ感」
義務化の歴史と現代とのギャップ
製造業の多くの職場では、運動支援が義務的に実施される傾向があります。
ラジオ体操やストレッチ体操を始業前に全社員で行うなど、昭和のモーニングルーチン文化は今なお根強く残っています。
しかし、本来の健康増進やリフレッシュという目的より、「就業前の儀礼的な一環」として消化されているケースが少なくありません。
特に若い世代や職場に新しく配属された人からは、「なぜやるのか分からない」「効果を感じない」という声も多く、参加意欲が生まれません。
現場リーダーの姿勢が参加率を左右する
リーダー層が「周囲の目」や「規定だから」を理由に運動支援を進めると、下のメンバーにもやらされ感が伝わります。
逆に、現場長や係長が率先して楽しみながら運動し、具体的な効果(疲労軽減・集中力向上など)を実感していれば、その姿勢は自然とメンバーにも波及します。
「上が本気でない姿勢」が現場の温度を下げ、参加率低下につながる典型です。
業務実態と運動支援のミスマッチ
「動いている仕事なら不要」の誤解
現場作業者の中には「毎日立ち仕事で十分身体を動かしている」「製造現場で汗だくなのに、余計な運動はしたくない」という意見があります。
しかし、単調な動作の繰り返しや偏った筋肉しか使わない現場作業は、意外と“全身の健康”に結び付きません。
特定部位(腰・膝・肩など)ばかり酷使され、慢性疲労や故障リスクが増します。
そのため、現場特有の“動いているのに身体が固まる、痛める”実態にフィットした運動支援が必要です。
現場特有のシフト・忙しさ・人員配置
製造現場は「交代制」「残業」「繁忙期」対応が当たり前です。
「この時間に必ず運動を」と決めても、シフトやラインの稼働都合で全員が出揃うことは難しいのが実情です。
また人手不足や人員配置のやりくりの中で、「運動支援のために生産ラインを止める」ことへの抵抗感がマネジャーサイドにも生まれがちです。
柔軟さや現場リアリティを欠いた支援設計は、現場から敬遠される原因となっています。
“メリット体感”の乏しさと効果の見える化不足
数値目標と現場メリットがつながらない
運動支援の「参加率○%」「健康診断の結果向上」など経営指標はあっても、現場ひとりひとりが「自分事」としてメリットを感じていない場合がほとんどです。
日常的に身体の痛みや倦怠感に悩んでいる作業者こそ、ピンポイントの運動支援を求めているのに、画一的なプログラムだと「自分には関係ない」と感じてしまいます。
参加による“変化”が見えづらい
運動支援に取り組んで「ここが楽になった」「生産性がわずかに上がった」など成果を実感した人は、参加意識が高まります。
逆に、「成果が見えない」まま時間だけ奪われていると思うと、次第に参加は義務化になり、やがて離脱につながります。
支援プログラムと実際の作業・業務成果・心理的充実感といった部分の“見える化”が課題です。
業界として根付く「アナログ思考」と運動支援
紙の管理表、集計優先の罠
昭和型の運動支援は「実施チェック表へのハンコ」「参加率提出」といったアナログ管理が主流でした。
この方式では「形だけ参加」「チェックのための参加」が起きやすいのが問題点です。
現代ではDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいるはずの工場でも、意外に“運動支援だけアナログ”なケースが多数。
本質的な健康増進や現場コミュニケーション向上の効果というより、「やったという記録」が目的化しています。
現場独特の“空気”と心理的抵抗
職人気質や上下関係を重んじる現場文化では、リラックスや馴染みのない運動(ヨガ・ストレッチなど)は笑われたり、「何を気取っているんだ」と揶揄されたりします。
この「何となく恥ずかしい」という雰囲気や、現場の仕事優先主義も参加率の低さにつながっています。
今こそ変革!現場起点で運動支援効果を生むには
現場発(自分たちのため)のプログラムづくり
一方的なプログラム導入ではなく、現場の声を積極的に取り入れて作る「現場発の運動支援」は参加率アップに繋がります。
たとえば「足腰がツライ」「肩こりがひどい」など具体的な困りごとをヒアリングし、それに合った運動を一緒に検討してみましょう。
短時間・省スペースでできるメニューや、複数案を用意して「選べる」形式にすると、メンバー自身の納得感と主体性が生まれやすくなります。
成果・変化を可視化し、Goodな例を共有
デジタルツールや社内SNSを活用して「参加したら腰痛が軽減した」「現場の雰囲気がよくなった」という事例を写真・コメントで共有しましょう。
できれば、上司や管理職も具体的な変化を数値や体感で示し、Goodな事例には表彰や感謝の声を伝えることが重要です。
「やった人が損をしない」「成果がきちんと伝わる」環境なら参加率は自然と向上します。
コーチや第三者の介入を活用する
現場の「同調圧力」や「恥ずかしさ」を和らげるために、社外の専門コーチや健康アドバイザーを定期的に呼ぶのも有効です。
第三者の視点やアドバイスは新鮮で、普段は口に出せない悩みも相談しやすくなります。
単なる健康指導でなく「なぜこの動きが現場に効くのか」「続けた人の働きがどう変わるか」を解説してもらいましょう。
バイヤー・サプライヤー視点での“健康経営”とメリット
サプライチェーン全体で考えるべき健康増進
今やESG経営や人的資本経営の視点から、バイヤーとしては「取引先がどれほど健康経営に真剣か」も重視されます。
安定した生産力・ミス低減・離職率低下といった指標へ寄与する運動支援は、単なる社内の話題に留まらず、調達購買の視点でも取引先選定の材料となっています。
受け身のアナログから主体的なデジタルへ
かつての受け身・一律・アナログ管理から、今後は「現場発」「柔軟対応」「成果見える化」といったキーワードに基づくデジタル化がカギです。
競争力のある現場・調達網を築くためにも、サプライヤーはバイヤーがどのような視点で健康経営を見ているか意識し、現場の声・実態を軸に施策を展開する重要性が増しています。
まとめ:製造業の地平線を変える“現場起点の健康改革”
運動支援の参加率低下を「やる気がない」などと片付けず、現場で20年以上働く筆者の経験から見えた多層的な要因を直視することは、今の製造業現場に不可欠です。
現場目線での納得感・成果体感・仕組みの柔軟性が伴ってこそ、本当の意味で従業員に根付く健康活動となります。
地に足の着いた実践型改革によって、従来の昭和的なアナログ発想や「やらされ感」から脱却し、令和の現場・サプライチェーン強化へと踏み出しましょう。
運動支援の本質的価値に立ち返ることこそ、日本の製造業をさらに一歩進化させ、現場で働く人の幸福感・生産性を高める第一歩なのです。
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