製造業の購買担当者がAIにかわることってあり得るの?
生産現場で長年を過ごした経験から、中小企業の購買管理の効率化は重要な課題の1つだと感じてきました。
この中、クラウドサービスの活用法が注目されるようになりました。
実際、私の知る限り、クラウドERPを導入した中小メーカーさんの購買管理は一変しました。
その事例を共有したいと思います。
事例となったのは、関東地方に本社を置く電気部品メーカーのA社です。
A社は20年以上にわたり自社開発のERPを使用してきましたが、近年、在庫管理や購買計画などの管理作業が大変複雑化していました。
部品調達先は100社を超え、小ロット多品種の生産が特徴でした。
その上、在庫情報の共有が不十分で、生産現場と購買部門で情報が食い違うケースが後を絶ちませんでした。
特に、新規顧客からの受注増加に伴い、納期管理が一層重要視されるようになり、購買力不足が課題となっていました。
A社は長年使用してきた自社ERPの陳腐化と期待できるクラウドERPのメリットから、大手クラウドERPベンダーのサービスを導入しました。
クラウド上で共有可能な在庫・購買情報と、購買計画立案・注文機能の活用が可能となりました。
特に在庫情報の共有化により、生産現場と購買部門間の連携が飛躍的に強化されました。
また、購買計画立案ツールを活用し、長期・短期的な部品調達計画を立てられるようになりました。
この結果、納期遅れ件数が半減。在庫管理コストも20%程度削減できたとのことです。
A社では、今後IoT機器を活用した自動化も進められる見通しです。
例えば、部品受入れ時の入庫作業をIoTセンサで自動化し、重要情報の入力ミスを回避したい考えだそうです。
また、クラウドを活用したリモートモニタリングにも注目しているところです。
購買管理面での更なる効率化と、生産管理の最適化が期待されます。
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。