調達購買アウトソーシング バナー

投稿日:2026年1月12日

製造業の会社に転職する第二新卒たちへ送る業界の本音としての安定性

はじめに ~昭和から令和への橋渡しとして~

日本の製造業は、アナログ文化が色濃く残りつつも確かな安定性を誇る産業です。
バブル崩壊やリーマンショック、グローバル化による海外との競争激化、近年ではコロナ禍や半導体不足など、幾多の荒波を経てもなお、日本社会のインフラとして根強く存在しています。
このたび第二新卒として製造業への転職を志すみなさん、この業界にはどんな現実や「安定性」があるのか、20年以上現場で働いてきた立場から実務感たっぷりに伝えたいと思います。

製造業の本当の安定性とはなにか

「なんとなく安定」は昭和のまま?

多くの人が「製造業=安定」というイメージを持っています。
しかし、その「安定」の中身は時代とともに少しずつ変わっています。
高度成長期や昭和後期は、終身雇用・年功序列が強く、モノづくり大国ニッポンの神話がありました。
ところが平成以降、特にグローバル化やデジタル化の進行、そして昨今の激変する社会環境の前に、「安定」は絶対的なものではなくなってきています。

それでも、製造現場は「人」と「技術」と「組織」の3点で“底力”を維持しています。
この底力が、今もなお多くの企業で「安定」の源泉となっています。

景気に左右される業界、でも根本が違う

もちろん製造業は景気や国際情勢に強く影響されます。
自動車や電機などの大手メーカーでも、リーマンショックやコロナ禍で生産調整や雇用調整が生じました。
とはいえ、全ての業界に比べて、製造業には日本国内外でのネットワークや複雑なサプライチェーンがあり、社会基盤インフラ(食料・素材・機器など)と結びついている会社が多いです。
つまり、“なくなることがない”という強みが依然として大きな後ろ盾です。

「現場」を支えるリアルな安定要素

技術ノウハウは一日にしてならず

製造現場には、部署ごと、工場ごとに何十年と積み重ねられたノウハウや暗黙知があります。
このノウハウが、設備投資、人づくり、安全・品質文化、改善活動など、あらゆる面での土台です。
新技術が導入されても、設計者と現場作業者、購買バイヤー、品質管理など、それぞれのベテランが培った経験はすぐには置き換えが利きません。

したがって、リストラや自動化が進んでも、必ず“人”が必要な工程や、現場判断が不可欠な業務として残り続ける分野が多く存在します。
現場力が会社の競争力のコアである限り、この点での安定性は非常に高いです。

工場自動化の進展と人の役割シフト

近年、「スマートファクトリー」や「工場の自動化(FA・IoT)」が進みつつあります。
ですが、実際には多くの工場が「人と機械の分担」を模索している段階です。
完全自動化は理想でも、現実には多能工・現場改善・不具合対応など、機械ではカバーしきれない“人の知恵”へのニーズはむしろ高まっています。

自動化が進むと、単純な作業はいずれ消えますが、逆に「改善活動」「生産管理」「品質保証」「調達交渉」「現場での工程設計」など、上流工程や調整・バランス型の仕事が増えます。
AIもIoTも、現場経験者が「使いこなす側」になることで、業界の中での安定した地位や希少価値を築けます。

調達・購買・生産管理の“本当の”仕事現場

バイヤーの視点で見る安定性

バイヤー(調達購買)は「原価低減」や「納期・品質管理」だけでなく、サプライチェーン全体の戦略づくりやリスク管理が大きな仕事です。
グローバル化でサプライヤーが増えた分、調整役・調査役としての役割が拡大。
サプライヤーの信用調査・交渉・契約締結からコスト・納期トラブル対応まで、現場感覚・データ分析・コミュ力・ときには胆力も求められます。

調達購買は商品供給全体をコントロールする要だといえます。
これらの経験は他業種や他国でも評価されやすく、安定性とともに「転職市場での市場価値」も高い職種となっています。

サプライヤー側から見えるバイヤーの本音

サプライヤーはバイヤーに納品し評価をもらう側であり、価格だけでなく提案力・安定供給・品質トラブル時の即応が重視されます。
現場で交渉していると「値下げ交渉ばかり…」とネガティブに見えがちですが、実際のバイヤーは「取引先の安定調達を最重視」「サプライヤーとの信頼関係強化」を最も大事にしています。
なぜなら調達停止や生産ストップは命取りだからです。

人手が足りないいま、優良サプライヤーは手放しません。
このためサプライヤーとして「何を喜ぶか」「何に困るか」を現場目線で共有し、ともに課題解決できる関係づくりが、製造業の安定基盤なのです。

第二新卒で製造業に転職するメリット

ゼロからの構築力を身につけられる

第二新卒で製造業に飛び込むことで、ものづくりの根本的な業務フロー、各部門が支え合うリアルな現場環境、チームワークや工程改善など、「曖昧ながらも全体感をつかむ力」が身につきます。
特に今は「OJT文化」「職人芸」の壁が崩れつつあり、未経験や他業種出身でもOJTや研修で基礎から丁寧に育てる企業が増えています。
この「育てる文化=人材を大事にする組織」は、長期的視点でもやはり“安定”の証です。

転職後のキャリアの広がり方が違う

製造業での経験は、設備投資や生産技術、現場運営から工程改善・原価管理・サプライチェーン戦略まで、幅広い視野が養われます。
実は製造業経験者は「現場で使えるノウハウ」=“リアルな課題解決力”が身につくため、他業種・他職種への応用性がとても高いのです。
これも「将来的な安定性」すなわち“会社に頼らず市場価値を磨ける”ことにつながります。

業界の未来と「変化の中の安定」

デジタル化・環境対応・グローバル化……安定は変化適応力から生まれる

従来の「会社が守ってくれる」安定から、「業界や環境変化に適応できる力」が安定の源泉へと移っています。
デジタル化、CO2削減やDX、国際調達や人手不足など、変化は待ったなしですが、現場での適応力や改善力、柔軟な思考を持つ人の価値はむしろ上昇しています。

現場を知り、課題解決してきた製造業出身者は、環境変化への耐性も高いです。
その意味での「安定性」はいま、むしろ高まっているともいえます。

まとめ~本当の安定性は「現場力×適応力」~

製造業は「根強い現場の底力」「人を大事にする土壌」「社会インフラとの密接なネットワーク」「変化適応力へのシフト」という4つの側面から、今でも他産業にない“本質的な安定性”を持っています。
第二新卒での転職不安も多いでしょう。
ですが、現場で得る実践力や幅広いキャリアは一生の財産です。

私自身も波乱万丈な20年を現場と共に越えてきました。
経験者だからこそ語れるのは、「変化の最中でも、人が鍛えられ、人と人とのつながりが強い現場でこそ、本当の安定性が育まれる」ということです。

みなさんもぜひ、製造業という大海原で、現場を知り、ともに新たな“安定のかたち”をつくっていきましょう。

ノウハウ集ダウンロード

製造業の課題解決に役立つ、充実した資料集を今すぐダウンロード!
実用的なガイドや、製造業に特化した最新のノウハウを豊富にご用意しています。
あなたのビジネスを次のステージへ引き上げるための情報がここにあります。

NEWJI DX

製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。

製造業ニュース解説

製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。

お問い合わせ

コストダウンが重要だと分かっていても、 「何から手を付けるべきか分からない」「現場で止まってしまう」 そんな声を多く伺います。
貴社の調達・受発注・原価構造を整理し、 どこに改善余地があるのか、どこから着手すべきかを 一緒に整理するご相談を承っています。 まずは現状のお悩みをお聞かせください。

You cannot copy content of this page