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投稿日:2026年1月5日

ショットブラスト装置で使う仕切り板部材の加工と粉塵回り込み問題

はじめに―現場目線で考えるショットブラスト装置の課題

ショットブラスト装置は、表面処理や塗装前処理など、ものづくり現場に欠かせない設備です。
この装置をメンテナンスなくしでは、安定した高品質生産は実現できません。
ところが、現場から上がるトラブルの一つに「仕切り板部材の加工精度」と「粉塵の回り込み」による問題があります。

業界の変化は著しいものの、昭和からのアナログ技術も根強く残る製造現場。
新旧の知見が混ざり合うなかで、どうこの課題に立ち向かっていくのか。
本記事では、現場で20年以上の経験を積んだ筆者が、ラテラルシンキングを交えて、ショットブラスト装置の仕切り板部材の加工と粉塵回避策について徹底解説します。

ショットブラスト装置の基本構造と仕切り板の役割

ショットブラスト装置とは何か

ショットブラストとは、金属等のワークに高速でメディア(鉄砂、ガラスビーズなど)を衝突させ、バリ取りや錆落とし、表面粗度の均一化を図る工程です。
ブラスト装置の内部は、強力な遠心力でメディアがワーク表面に叩きつけられる過酷な環境です。
そのため装置の構造材や交換部品は耐摩耗性、耐衝撃性が最も重要な要件になります。

仕切り板部材の機能と必然性

仕切り板とは、投射材(メディア)が無用に機内全体に飛び散ることを防ぎ、ワークと直接接触しない部分を守るための保護板です。
また機内で生じる多量の粉塵が特定部分に集中したり、重要機構部へ回り込んだりするのを防ぐ役割もあります。

この部材の出来映えによって、装置の寿命、安全性、さらには後続の工程品質まで大きく左右されます。

仕切り板部材の加工に関わる現場課題

加工精度と寸法誤差の影響

昭和から続くアナログな現場では、一つ一つの仕切り板の加工が手作業や汎用工作機械によるものが多く見られます。
そのため、設計上の公差をオーバーする精度不良が起こりやすく、それが「わずかな隙間」や「段差」となって見逃されがちです。

この隙間こそが、粉塵やメディアが本来流れ込んではいけないゾーンに回り込む原因となり、最悪の場合は装置ダウンや修理コスト増大の引き金となります。

バイヤー・サプライヤー双方の立場から言えば、図面通りの精度と現場取付時の調整工数削減—このバランスと現実をどう線引きするかが、大きな分かれ目となります。

材質選定ミスによる早期摩耗や変形

ショットブラスト装置の仕切り板は、常に高圧・高速で粒状体がぶつかり続ける過酷な場所に使われます。
よくある失敗例として、十分な硬度や耐摩耗性を持たない鋼板や溶接構造を選択した結果、わずか数ヶ月で摩耗・破損が発生してしまう事例が繰り返されています。
また現場での「何でも溶接で補修」の文化が根強く残っているため、余計な歪みや変形、予期せぬ応力集中を呼び込み、知らぬ間に粉塵回り込みを助長している現実もあります。

粉塵回り込みが生じる構造的要因

粉塵発生メカニズム

ショットブラストにおける粉塵は、主にワーク表面からの剥離物、消耗したメディアの破片、搬送時に舞い上がる微粒子などが複雑に混じり合います。
これらは、仕切り板の合わせ目、コーナー部、また構造的な死角に溜まりやすく、一定量を超えると機能維持に深刻な悪影響を及ぼします。

現場でよく見る「ありふれたミス」

・ボルト止め部が緩み、徐々に隙間拡大
・シーリング材の経年劣化に目が届かない
・増設や改造による「つなぎ」部分で段差発生
・清掃しにくい死角部位に粉塵が集積
など、想像以上に小さい要因がボディブローのように積み重なり「気付けば装置全体に粉塵が回り込んでいた」という事例は、どこの現場でも多発しています。

粉塵回り込み問題への実践的な対策

設計・調達段階でのラテラルシンキング

設計段階では、単なる図面通りの仕切り板ではなく「現場の取付容易性」「清掃・点検手順」「摩耗時の交換性」に着目した工夫が重要です。
たとえば、
・ワンタッチで着脱できるカバー化
・微小な隙間まで目視確認できる透明部挿入
・摩耗部だけを容易に交換可能な分割構造設計
といったアイデアが、実効性の高い対策につながります。

バイヤー目線でいえば、サプライヤーに単なるコスト削減だけでなく、このような「現場で助かるアイデア」を提案させて付加価値化することが、購買力・調達力の証となります。

加工品質の向上と測定・検査の強化

サプライヤーの立場からは、多工程を通じた加工精度の保証が欠かせません。
・NC機械導入による高精度・高再現性化
・形状測定は三次元測定機だけでなく、現場仮組みシミュレーションの実施
・表面のシール加工は現場での塗布・貼付け補助とともに、QC工程を工程内で逐一実施
こうした一手間が、結果的に“粉塵回り込みゼロ”工程に結びついていきます。

運用・メンテナンスでのアナログ的知恵

昭和タイプの熟練工が得意とする微調整スキルを、形式知として引き継ぐことも、現場改革の重要な要素です。
・定期的な揺れや緩みの点検
・溶接や補修時の「ひずみ」と「段差」発生チェック
・現場自主保全活動に頼らない、設計・購買と連動した全体最適の仕掛け
こうした仕掛けは、アナログ技術を活かしながらも現代的な改善策となります。

今後の業界動向と求められるバイヤー・サプライヤーの新たな視点

業界全体として、DX化や自動化、品質データのトレーサビリティ強化が進む今こそ、“仕切り板”のような小部品一つに真剣に向き合うことが全体最適への鍵となります。
また、購買部門・現場・サプライヤーが日常的に「なぜ」「どこに問題が潜んでいるか」をラテラルに問うことで、ありふれた粉塵回り込みも新たな解決策が生まれてきます。

従来の「現場が合わせる・現場が我慢する」発想から、
「現場の潜在ニーズを設計・購買・サプライヤーで共有し、開発力に変える」発想への転換が、競争優位を生むでしょう。

まとめ―“現場発”の課題解決マインドで未来を拓く

ショットブラスト装置の仕切り板部材に関する粉塵回り込み問題には、設計・加工・取付・メンテナンスのすべてにおいて、細やかな気配りと横断的な改善が必要です。

バイヤー・ものづくり現場・サプライヤーが一体となって課題を深掘りし、多面的な知恵を結集する。
その先には、QCサークルや自主保全の枠を超えた“本物の現場力”が育つはずです。

今日も製造現場の片隅で、わずかな隙間から粉塵が舞い込み未来のトラブルの種になるかもしれません。
しかし、それに気付き、行動変革につなげるのが、私たち製造業のプロとしての矜持です。

現場発の発想を、バイヤーも現場担当者も、そしてサプライヤーも共有し、明日のより良いものづくりに活かしていきましょう。

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