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投稿日:2026年1月7日

コーターマシンで使うドレン排出部材の詰まり問題

はじめに:コーターマシンの現場で「詰まり」はなぜ起こるのか

コーターマシンは、紙・フィルム・金属など様々な基材へのコーティングに使われる製造ラインの要です。
高品質なコーティング製品を安定して作るために、溶剤やコーティング剤の供給と排出の管理は非常に重要となります。

その中でも「ドレン排出部材の詰まり」は、日々の現場を悩ませる厄介なトラブルの一つです。
昭和の時代から続く設備、長年の運用で生じるルールやクセ、そして自動化の波に乗りきれないアナログな機構によって、根強く残りやすい課題とも言えるでしょう。

この記事では、現場目線からドレン排出部材の詰まり問題の発生メカニズムと、現実的な解決アプローチ、そしてひと歩進んだ最適化や自動化のヒントまで、実践的に解説します。

コーターマシンのドレン排出部材とは:役割とトラブルの実態

コーターマシンのドレンとは何か

コーターマシンの「ドレン」は、主にコーティング時に発生する余剰の液体や洗浄水、異物を効率的に排出するための部材です。
フィルター付きノズルや弁、トラップ、配管、その出口に設定されるコックなどが主な構成要素となっています。

この「ドレン排出部材」が詰まってしまうとコーター全体の動作に影響を及ぼし、以下のような問題が発生します。

– 排出不良による加圧、配管の破損や漏れ
– 溶剤・洗浄水の残留による品質低下
– 異物混入による製品歩留まりの低下
– 設備停止や工程遅延による生産性低下

詰まりの主原因:「ゴミ」「スラッジ」「析出物」

現場でドレン排出部材の詰まりが多発する原因は、主に「異物」によるものです。
具体的には以下の三つが多く見られます。

– コーティング剤の固化物や皮膜
– 溶剤成分の析出物や結晶
– 清掃時に混入したウエス片・チリ、設備から出たスラッジ

これらは、液体が通る細い隙間やフィルター、バルブ部分に溜まりやすく、短期間で目詰まりを引き起こします。

昭和的アナログ運用が詰まりリスクを高める構造的要因

「うちは昔からこれ」で止まる現場改善

製造業、とくにコーターマシンなど古参設備を運用する現場では、「昔から同じやり方でやっているから安全」「新しいやり方は不安」といった文化が根強く残っています。
設備の改造も「コストがかかる」「止められない」「現場に合わない」などの理由で後回しになりがちです。

このような現場が約20年前の私の職場にもありました。
ラインが毎日フル稼働しており、朝一番・夕方・夜間と三交代で回していると、ドレン部からちょっとした液漏れや詰まりサインも「次のメンテナンスで直せばいいや」となり、慢性的にトラブルが蓄積していきました。

応急処置と現場依存がもたらす再発のループ

ドレン部材の詰まりは、一度応急処置的に掃除・水通しをして直ったように見えても、根本的には詰まる構造や運用、タイミングが変わらない限り再発します。
現場任せの「熟練者しかできないコツ」「○○さんしか詰まりを直せない」という属人化は、設備保全の観点からも大きなリスクです。

私の経験では、現場のリーダー格が休んだ日にドレン詰まりがひどくなり、「どうしても分解できない」「ラインを止めないと直せない」と手詰まりになったこともありました。

コーターマシンの詰まり対策:現場で実践できる解決策

(1)根本原因の明確化とデータ記録

まず「なぜ詰まったのか」の原因を分析します。
現場では下記のような情報を簡単なチェックシートに記録していきます。

– 何日周期で詰まるのか
– どの工程(液種・洗浄剤など)で起こるか
– 詰まった時に観察できた異物の種類、量
– 設備の流量・圧力変動の有無

この記録を積み上げることで、「●月は洗浄時にストップ」「同じノズルの一番奥側ばかり」といった傾向が読み取れるようになります。

(2)部材の構造見直し&適切なフィルター設置

多くのコーターマシンでは、数十年前のままの簡易型バルブやシンプルな排出口を使い続けているケースがまだまだ多いです。
しかし、現場の実情と近年の材料(低揮発・高粘度化、無溶剤化など)の変化に合わせて、フィルターの細かさ(メッシュ数)や形状、排出部の径の見直しが不可欠です。

例えば、
– フィルターをワンタッチ取り外し可能なカートリッジ式へ変更
– 排出ラインに逆止弁や洗浄ノズル部分を後付け

こうした小さな改良でも、定期的に詰まっていた箇所のトラブル頻度を半減できた経験があります。

(3)定期清掃手順のマニュアル化と教育

「汚れたら都度清掃」の現場習慣では属人化が避けられません。
敢えて生産につながる「TPM(Total Productive Maintenance)」手法を応用し、朝一・昼・夕方など定時の簡易分解清掃を手順化し、パート・派遣の方も同じ流れで対応できるようにしておくことが重要です。

清掃ごとにチェックリストへの記入を徹底し、「誰でも」「いつでも」安定した清掃ができる体制にすると詰まりリスクは格段に低減されます。

昭和から令和へ:自動化・IoT化で現場ストレスをゼロへ

現場に定着しやすい「省力化」のヒント

製造現場にIoTや簡易自動化を導入する際、「複雑なシステムは現場に馴染まない」「最初の初期投資が大きい」といった障壁が根強いです。
しかし「詰まり問題」は、生産性に加えて人件費や歩留まりに直結する“儲けポイント”です。

例えばこんな省力化ツールがあります。

– ドレン排出部の流量監視センサー設置(詰まり検知アラームを現場に通知)
– 清掃用BOXの自動開閉やワンタッチ洗浄キット追加(分解時間を最小化)

現場を熟知したメーカー出身のサプライヤーと協業することで、「現場が使い続けられる」省力化ソリューションを共同開発するのも有効です。

詰まりトラブルから脱却、成功事例と費用対効果

実際に私が導入した「フィルターカートリッジ型+流量センサーアラート」の現場では、詰まりでの計画外停止が年間12回→1回へ激減しました。
トラブル対応時間も1/3に短縮。
追加投資(約60万円分)に対して、人員の残業削減、歩留まり改善で半年以内に費用を回収できています。

今なお昭和的な製造現場が多い中で、「詰まるのが当たり前」「詰まったら分解して清掃一択」ではなく、「詰まる前に知らせる・詰まらない設計にする」時代に一歩踏み出しましょう。

サプライヤー・バイヤー双方にとっての最適解とは

現場主導の課題解決をサプライヤーも体験すべき理由

サプライヤーの立場でドレン部材を提案する場合、設備カタログや仕様書ベースでは現場の「肌感覚」に応えられないことが多々あります。
バイヤー(調達担当)も型番や価格だけではなく、「どうやったら詰まらなくなるか」「現場でメンテが減らせるか」を生活感覚で見極められることが重要です。

理想は、サプライヤー担当者が現場長や作業者と一緒に詰まり対応を実際に経験し、「このフィルターはこの時期なら持つ」「ここのバルブは古い型式だと閉塞しやすい」といった本物のナレッジを共有できる関係です。

競合と差別化する提案・現場コンサルの必要性

単なる値引きや推奨品の提案だけでなく、サプライヤー側からも製品選定・設計・運用改善まで一気通貫でコンサルティングすることで、現場への採用率は圧倒的に高まります。
昭和から続く商習慣に一歩踏み込み、ユーザー現場目線を取り入れた提案で他社と差別化を図りましょう。

まとめ:詰まりは「改善の原石」、現場目線で未来を拓く

コーターマシンのドレン排出部材の詰まり問題は、現場に深く根差した課題でありながら、「仕方ない」で済ませているケースも少なくありません。
一方で、現場に根ざした原因分析と、小さな改善でも積み重ねていくことで、生産性向上・品質安定・作業者の負担軽減を同時に達成する“きっかけ”になります。

もしあなたが製造業に携わり、バイヤー・サプライヤーとしてこの分野に関わるのであれば、「詰まりは避けられない」と諦める前に、現場の声を聞き、現場で汗を流し、新しい発想で「詰まらない世界」を追求してみてください。
その一歩が、あなたの職場と業界を、令和時代の次なるものづくりへと導いていくのです。

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