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投稿日:2026年1月17日

昇給が緩やかな現実を知る製造業の会社に転職する40代へ送る業界の本音

はじめに 〜 製造業転職のリアルを語る理由

40代で製造業への転職をお考えの方、また、すでに現場に立つ方もいらっしゃるかと思います。
私自身、20年以上にわたり大手製造業の現場と管理職、さらには業務改善や自動化推進など多岐にわたる仕事を経験してきました。
その中で、どうしても避けて通れない現実が「昇給が緩やか」という業界特有の事情です。

これから転職を目指す方に、表向きの業界情報だけでなく、「本音」で語るリアルな実態を知っていただくことが、キャリア形成と幸福度向上の第一歩だと思っています。

この記事では、現場経験から得た知見や、昭和から続くアナログ体質がいまだに色濃く根付く背景、その中にある変化の兆しについて、徹底的に掘り下げてご紹介します。

なぜ製造業は昇給が緩やかなのか

長年変わらぬ年功序列の壁

製造業の大半は長く「年功序列」と「終身雇用」がセットでした。
これは言い換えれば「一度雇った社員は長く守る」「横並びの生涯給与で安定を約束する」仕組みです。
しかし、30代後半から40代の給与テーブルを見ると、ポジションが上がる・役割が変わるタイミングを除き、年ごとの昇給額は非常に小さいものとなります。

背景には「年の功」への信仰と、工場マネジメントにおける安定志向の文化があります。
一つの業務を長く、忠実に続けてくれる社員が評価されやすく、「目覚ましい成果で大幅昇給」というシリコンバレー的な人事評価とは真逆です。

利益構造の問題と現場の事情

製造業はBtoB(企業間取引)であることが多く、顧客(バイヤー)との値下げ交渉が常に存在します。
原油や原材料費、エネルギーコストなど不可抗力な要因に多分に左右されやすく、営業利益率は5%前後という企業も珍しくありません。

こうした背景から、人件費の上昇をダイレクトに反映させるのが難しくなります。
新しい昇給や処遇制度の導入さえ、現場から反発を招きやすいのも事実です。

「自動化=人は減る」が進む現場

DX(デジタルトランスフォーメーション)、スマートファクトリー、AI、IoT。
製造業界も決して時代に取り残されているわけではありません。
しかし、自動化設備やITツール導入が進むほど、単純作業従事者の数は減り、必要とされる人材像も大きく変化しています。

重要なのは、熟練技能を持つ「多能工」や、工場全体のオペレーションを設計・改善できる人材へのシフトです。
このシフトに上手く乗れない場合、昇給どころか雇用の安定すら危うくなる場合もあります。

40代転職組が体感するギャップと苦労

「青天井の成果評価」は存在しない

製造業の給与体系は、商社やIT業界のように「年収1,000万円超えがゴロゴロ」という世界とは異なります。
特に、40代で中途入社した場合、それまでの経験やスキルをどこまで評価するかは企業によってまちまちで、年収が据え置きになるケースも多く見受けられます。

また、多くの現場は「仕事を覚えて一人前」「品質不良を出さず現場を回す」ことが基準です。
個人の突出した成果をダイレクトに高評価し、年収に反映させる制度を持つ企業は少数派です。

ポスト(役職)が昇給のカギ

製造業で一気に年収が上がるのは、係長、課長、工場長といった「管理職」への登用時です。
そのため、現場一筋で黙々と業務に取り組んでいても、なかなか年収アップには直結しません。
しかも、40代中途入社ですと、既存社員との競争や、評価基準の違いでキャリアアップに時間がかかるケースも多く存在します。

「現場リーダー」の価値観とカルチャー

現場には長年の暗黙知や風土が根強く残っています。
実作業の効率化や改善提案に対しても、「長年のやり方を変えるな」という声も少なくありません。
そのため、本当は高いスキルや前職での実績があっても、「馴染むまで様子を見よう」と判断されやすい文化が根付いています。

昭和アナログ体質はなぜ変革しにくいのか

紙・ハンコ文化の根深さ

未だにFAXで受発注ややり取りを行っている製造業の現場は少なくありません。
図面もデジタル化されきれず、改訂管理や過去データの照合にはアナログ作業が前提のこともあります。

こうした体質には、「一度システム化したら全従業員の教育コストが莫大」「現行運用への不安感」など、合理性では割り切れない理由が存在しています。

「不良が出たらすぐ会議」文化

問題発生時、情報共有よりもまず「集まって話し合う」「原因究明を徹底する」が根付いています。
これが悪いわけではありませんが、昭和型の管理職は「自分の目と耳で確かめること」を重視しがちです。
そのため、デジタルツールや自動アラートの導入は必要最低限。
現場主導の柔軟な改善も進みにくいという側面があります。

バイヤー/サプライヤー関係に見る昇給停滞の背景

バイヤーは「コストダウン主義」

自動車や電機など、日本の製造業の大口顧客(バイヤー)は「年度ごとのコストダウン要請」や「品質向上ノルマ」をサプライヤーに課しています。
これは大企業間の取引にも、中小企業以下の発注にも例外はありません。

現場で工夫して原価低減しても、翌年以降は「それが標準」と扱われ、利益が積みあがるわけではない。
結果として、人件費を上げる余地が限られてしまうのです。

サプライヤーが知っておくべきバイヤー心理

バイヤーの関心事は「安定供給」と「品質」「コスト」。
長く付き合いたいと考えつつ、数字には極めてシビアです。
サプライヤー側が、自社の従業員の処遇改善や昇給ができない理由の一つには、こうした「不透明な取引価格の決定プロセス」も関係しています。

それでも製造業で成功する40代の生存戦略

「現場目線×デジタル視点」で希少価値を高める

今、製造業で最も求められているのは「現場の課題を本質から見極め、デジタルツールや自動化設備に変換できる人材」です。
単なるオペレーター以上、単なるマネージャー未満。
この「越境人材」は希少価値が非常に高く、企業によっては破格の処遇やキャリアアップのチャンスが用意されています。

「見える化」「標準化」「改善力」の3拍子

どんなに歴史のある現場でも、「見える化」「標準化」「仕組み化」を担える人は常に求められます。
具体的には、古い作業フローを分解してデータ化し、メンバーが参加しやすい形で改善サイクルを回せるリーダーです。

このスキルを武器に、社内外で組織横断のプロジェクト経験を積めば、ポストや評価にも直結します。

語学・IT・プロジェクトマネジメントの強化

グローバル化・多拠点展開が当たり前の時代、英語や中国語などの語学スキルは武器になります。
また、ITの基礎知識(IoT、AI、BIツール)や、プロジェクトマネジメントの経験を積極的に身につけることで、社内外の各層とつながりやすくなります。
結果、「この人なら年収を上げてでも囲いたい」と思わせる人材になれます。

まとめ 〜 製造業の本音と変化のチャンスを掴む

40代で製造業に転職を検討する際、「昇給が緩やかなのはなぜか」「なぜアナログな企業文化が根付いているのか」という『業界の本音』から目を背けてはいけません。
しかし、そのリアリティを正しく理解し、現場に寄り添いながら「変化の中心を担う人材」になる道は、今こそ開かれつつあります。

“現場視点×デジタル思考”という希少価値で勝負する。
改善・標準化・見える化を推進する旗振り役になる。
組織を横断して存在感を高める。

これこそが、40代からの転職・キャリアアップで「自分だけの地平線」を切り開く最短ルートです。

ぜひ、今の現実と向き合いながら、自ら新しい時代の担い手となる第一歩を踏み出してください。

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