投稿日:2024年5月21日

OEE(総合装置効率)のDXによる可視化で無駄排除と改善活動を促進

OEEとは?その重要性

OEE(総合装置効率)は、製造業現場で広く使用される指標の一つです。
この指標は、設備の運用効率を評価するために使われ、稼働時間、性能効率、品質率の3つの要素から成り立っています。
OEEは、製造ラインや機械の運用状態を総合的に評価することで、製造業の生産性を向上させるための重要な基盤となります。

稼働時間

稼働時間は、実際に機械が動作している時間を測定します。
これには、計画された稼働時間と予期せぬダウンタイムも含まれます。
稼働時間の低下要因としては、機械の故障やメンテナンス、部品の供給遅延などがあります。

性能効率

性能効率は、機械が設計通りの速度で稼働しているかどうかを評価する指標です。
例として、遅延や減速、停電による影響などが性能効率に影響を与えます。
性能効率の向上には、機械の定期的なメンテナンスや運用手順の見直しが必要です。

品質率

品質率とは、製造された製品が設計通りの品質基準を満たす割合のことを指します。
不良品の発生や再加工の必要がある場合、品質率が低下します。
品質率の向上には、製造プロセスの検証や改善、品質管理体制の強化が有効です。

DXによるOEEの可視化

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、製造業におけるOEEの可視化を大きく進展させ、その結果として無駄の排除と改善活動を促進します。

リアルタイムデータ収集と分析

最新のIoT技術を活用することで、製造装置やラインの稼働状況をリアルタイムでデータ収集できます。
各装置にセンサーを設置し、そのデータをクラウドに集約、分析することにより、設備の現状を即座に把握できます。
これにより、異常が発生した際には早期に対策を打つことが可能となり、ダウンタイムの削減が実現します。

ダッシュボードでの可視化管理

収集したデータを元に、ダッシュボードを構築し、稼働時間、性能効率、品質率を一目で確認できるようにします。
このダッシュボードは、部門や役職に応じたカスタマイズが可能であり、工場全体の運用状況を誰でも分かりやすく把握できます。
これにより、現場での迅速な意思決定が可能となります。

ビッグデータ解析と予測保全

収集したデータをビッグデータ解析により分析することで、機器の故障予測や保全活動の最適化が進みます。
過去のデータからトレンドを見つけ出し、稼働中の機器の潜在的な問題を事前に察知することで、未然に故障を防げます。
これにより、機械の停止時間を最小限に抑えることができ、生産性の向上に寄与します。

無駄排除と改善活動の進展

OEEを通じて現場の無駄を可視化し、具体的な改善活動の取り組みを推進することができます。

プロセスの見直しと最適化

データに基づいた分析によって、製造プロセスのどこに無駄が生じているかが明確になります。
稼働時間が短い場合は、故障要因の特定と対策が必要です。
性能効率が低い場合は、スループットの観点から見直すことが有効です。
品質率が低下している場合は、製品の検査手順や原材料の品質見直しが必要です。

コミュニケーションの強化

OEEの数値が可視化されることで、製造現場の全員が同じ情報を共有できます。
これにより、部門間のコミュニケーションが円滑になり、課題解決に向けた協力体制が強化されます。
特に、問題が発生した際には、迅速な情報共有と対応が求められます。

改善活動のPDCAサイクル実践

OEEの可視化により、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)のPDCAサイクルをスムーズに実践できます。
課題を見つけ、改善策を実行し、その効果を数値として確認することで、次なる改善活動に繋げられます。
このサイクルを繰り返し、継続的な改善を促進します。

まとめ

OEEのDXによる可視化は、製造現場における無駄の排除と効率的な改善活動を促進するための強力なツールです。
リアルタイムデータの収集と分析、ダッシュボードでの管理、ビッグデータ解析を活用することで、現場の問題点を迅速に特定し、対策を講じます。
また、コミュニケーションの強化とPDCAサイクルの実践により、持続可能な製造現場の運営が可能となります。
このように、OEEの可視化と改善活動は、製造業の競争力を高める重要な要素となるでしょう。

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