投稿日:2024年9月6日

営業マンのための財務知識:利益率の理解

はじめに

製造業の営業マンにとって、製品の品質や技術の知識だけでなく、財務知識も非常に重要です。
その中でも特に理解しておくべきなのが「利益率」です。
利益率は企業の健全性や営業活動の成果を評価する際に不可欠な指標であり、営業マンがこれを把握しておくことで、より戦略的な営業活動が可能となります。

利益率とは何か

利益率とは、売上高に対する利益の割合を示す指標です。
この指標は企業の収益性を測る際に使われ、異なる企業や事業部門の収益性を比較する際にも有用です。

売上総利益率

売上総利益率は、売上高に対する売上総利益の割合を示します。売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いた金額です。
この指標は製品やサービスの直接的な収益性を測る際に用いられます。

計算式は以下の通りです:
売上総利益率(%) = (売上高 – 売上原価) / 売上高 × 100

営業利益率

営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を示します。営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費(SG&A)を差し引いた金額です。
この指標は、企業の本業の収益性を測る際に用いられます。

計算式は以下の通りです:
営業利益率(%) = 営業利益 / 売上高 × 100

経常利益率

経常利益率は、売上高に対する経常利益の割合を示します。経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いた金額です。
この指標は企業の総合的な収益性を評価する際に使われます。

計算式は以下の通りです:
経常利益率(%) = 経常利益 / 売上高 × 100

純利益率

純利益率は、売上高に対する純利益(最終的な利益)の割合を示します。純利益は、経常利益から特別利益や特別損失、法人税等を差し引いた金額です。
この指標は最終的な収益性を評価する際に最適です。

計算式は以下の通りです:
純利益率(%) = 純利益 / 売上高 × 100

利益率の重要性

利益率を把握することで、営業マンはより戦略的な営業活動を行うことができます。以下にいくつかの重要なポイントを示します。

企業の健全性を把握する

利益率が高ければ、企業が健全であり、収益性が高いことを意味します。これは新たな取引先との信頼関係を築く上でも重要な情報です。

価格競争力の維持

利益率を把握することで、どの程度の値引きが許されるか、どの製品が高収益なのかを理解することができます。これにより、価格競争力を維持しながらも利益を確保するための戦略を立てることが可能となります。

営業活動の成果を評価する

営業活動の成果を正確に評価するためには、利益率を理解することが不可欠です。売上高だけでなく、利益の観点からも営業活動を評価することで、より公平で適切な評価が可能となります。

利益率向上のための戦略

利益率を向上させるためには、以下のような戦略が有効です。

コスト削減

最も基本的な方法がコスト削減です。原材料費や製造費、販売費などを見直し、無駄を削減することが利益率の向上に直結します。このためには、製造プロセスの効率化や供給チェーンの最適化が重要です。

製品の価格設定の見直し

価格設定を見直すことで、利益率を向上させることができます。ただし、価格を引き上げすぎると需要が減少するリスクもあるため、市場動向や競争環境をよく観察しながら適切な価格設定を行うことが重要です。

付加価値の提供

製品やサービスに新たな付加価値を提供することで、高価格でも顧客にとって魅力的な商品を作り出し、利益率を向上させることが可能です。例えば、アフターサービスの充実や製品のカスタマイズなどが考えられます。

新市場の開拓

新市場の開拓によって、売上高を増加させることで利益を増やし、結果として利益率も向上します。未開拓の市場や異なる地域への進出を視野に入れてみることも一つの戦略です。

最新技術動向と利益率

製造業においては、最新技術の導入が利益率向上に大きく寄与します。以下に代表的な技術動向を紹介します。

IoT(モノのインターネット)

IoT技術を活用することで、製造設備の稼働状況や製品の品質をリアルタイムで監視でき、製造プロセスの最適化が可能となります。これにより、無駄なコストを削減し、利益率を向上させることができます。

AI(人工知能)

AIを導入することで、需要予測や在庫管理の高度化が可能となり、無駄な在庫を減少させたり、適切なタイミングで製品を供給することが可能となります。これもまた、コスト削減と利益率向上に寄与します。

自動化技術

自動化技術の導入により、製造プロセスの効率化が進みます。人手に頼らずに高精度な作業を行うことで、不良品の削減や生産速度の向上が期待できます。これにより、コストを削減し利益率を向上させることができます。

まとめ

利益率は、営業マンが理解しておくべき重要な財務指標です。この指標を理解し、活用することで、企業の収益性を高めるための戦略を立てることが可能となります。
コスト削減や価格設定の見直し、付加価値の提供、新市場の開拓など、様々な方法で利益率を向上させることができます。
また、最新技術を導入することで、さらに高い利益率を達成することも可能です。

営業マンとして、財務知識を深め、より戦略的で効果的な営業活動を展開し、企業の成長に貢献していきましょう。

資料ダウンロード

QCD調達購買管理クラウド「newji」は、調達購買部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の購買管理システムとなります。

ユーザー登録

調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。

NEWJI DX

製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。

オンライン講座

製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。

お問い合わせ

コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(Β版非公開)