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切削加工業者が知るべき大手企業の購買プロセスと選定基準
目次
切削加工業者が知るべき大手企業の購買プロセスと選定基準
大手製造業メーカーの購買プロセスと選定基準は、多くの中小企業や切削加工業者が営業活動を行う上で重要な情報です。
ここでは、20年以上の経験を活かして、大手企業がどのような購買プロセスを経て業者を選定しているのか、具体的に解説していきます。
1.購買プロセスの全体像
初めに、大手企業の購買プロセスの全体像を把握しましょう。
購買プロセスの流れは大きく分けて以下のステップに分けられます。
1-1. ニーズの発生
まず、製品や部品の需要が内部で発生します。
新製品の開発、現行製品の改良、あるいは生産量の増加などがきっかけとなります。
この段階で、必要な部品や素材の仕様が詳細に定義されます。
1-2. 市場調査
次に、購買担当者が市場調査を行います。
現代ではインターネットを利用した調査が主流ですが、業界の専門展示会や見本市も有効な手段です。
切削加工業者は、この段階でどのように自社の存在を購買担当者にアピールするかを考える必要があります。
自社のウェブサイトやカタログ、営業資料の整備は重要です。
1-3. サプライヤ選定
購買担当者は、複数の候補サプライヤを選定します。
この際、過去の取引実績や信用情報、技術力、コストパフォーマンス、納期など様々な要素が評価されます。
初めての取引相手の場合、信頼性を証明するための資料やデータを準備することが求められます。
1-4. 見積依頼と評価
選定されたサプライヤには見積依頼が送られます。
切削加工業者としては、精密な見積書の作成が重要です。
価格だけでなく、納期、品質保証体制、アフターサポートなども詳しく記載しましょう。
1-5. 試作と評価
特に新規部品を供給する場合、試作品の提出が求められることが多いです。
試作品は厳格な品質評価を受けます。
この段階での品質不良は致命的な影響を与えるため、十分な品質管理と検査体制が求められます。
1-6. 本契約と量産
試作評価がクリアされたら、本契約の締結と量産に移ります。
契約書には価格、納期、品質基準、ペナルティ条件などが詳細に記載されます。
量産開始後も定期的な品質チェックとコミュニケーションが重要です。
2.サプライヤ選定の具体的な基準
次に、大手企業がサプライヤを選定する際の具体的な基準を解説します。
2-1. 価格競争力
価格は依然として最も重要な評価尺度の一つです。
しかし、単に最安値を提示するだけではなく、コスト削減のための提案や、生産効率を高めるための工夫が求められます。
2-2. 品質
品質は大手企業にとって非常に重要な要素です。
ISO 9001などの品質管理システムを導入していることが求められるケースも多いです。
また、定期的な品質監査やリスク評価も行われます。
2-3. 技術力
切削加工業者としての技術力も重要です。
特に高度な技術や特許を持つ企業は、その技術力をアピールすることで競争力を高めることができます。
技術力の証明として、過去の実績や技術レポートを準備しておくと良いでしょう。
2-4. 安定供給能力
安定的な供給能力も重要です。
生産量の変動や緊急注文にも対応できる体制が求められます。
在庫管理システムや生産計画の柔軟性をアピールすることで、信頼性を高めることができます。
2-5. コミュニケーション能力
良好なコミュニケーションは円滑な取引の基礎となります。
迅速かつ正確な対応が求められ、取引先との信頼関係を築くための基盤となります。
定期的なミーティングや報告体制を整備しておくと良いでしょう。
2-6. 環境・社会責任の取り組み
近年、企業の社会的責任(CSR)や環境対応も重視されるようになってきました。
ISO 14001などの環境マネジメントシステムを導入していると、選定基準で有利に働くことがあります。
3.切削加工業者としての対応策
大手企業の購買プロセスと選定基準を理解した上で、切削加工業者としてどのように対応するべきか、具体的なアクションプランを以下に示します。
3-1. マーケティング戦略の強化
自社の技術力や品質をアピールするために、ウェブサイトの充実や技術レポートの作成、展示会への参加などを強化しましょう。
また、SEO対策を行い、購買担当者が検索エンジンを使ってサプライヤを探す際に上位に表示されるようにすることも重要です。
3-2. 見積書の精度向上
見積書の精度を高めるため、価格面だけでなく、納期や品質保証、アフターサポートなど多角的な情報を提供するようにしましょう。
また、見積依頼があった際の迅速な対応も重要です。
3-3. 品質管理の徹底
品質管理体制を強化し、ISO 9001などの品質管理システムを導入することを検討しましょう。
定期的な内部監査や第三者認証を受けることで、顧客に対する信頼性が向上します。
3-4. 技術力のアピール
自社の独自技術や特許を持っている場合、それを積極的にアピールしましょう。
過去の実績や成功事例を具体的に示すことで、技術力の信頼性を高めます。
3-5. コミュニケーション体制の確立
良好な取引関係を築くためには、迅速かつ正確なコミュニケーションが重要です。
定例会議や報告体制の整備、専任担当者の配置など、コミュニケーション体制を確立することが求められます。
3-6. 環境・社会責任の取り組み強化
環境対策や社会的責任の取り組みを強化することも重要です。
ISO 14001の認証取得や環境負荷低減の取り組み、地域社会への貢献活動などを行うことで、企業としての信頼性を高めることができます。
まとめ
大手製造業メーカーの購買プロセスと選定基準を理解することは、切削加工業者にとって重要です。
購買プロセスの各ステップを理解し、それに対応するための具体的なアクションプランを実行することで、ビジネスチャンスを拡大することができます。
引き続き、品質向上や技術力の強化、環境・社会責任の取り組みなどを進めることで、大手企業との信頼関係を築くことが可能です。
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