応援ハリセンOEMが音響出力を最大化するハードEVAコア構造

応援ハリセンOEMが音響出力を最大化するハードEVAコア構造

1. 応援ハリセンとは何か――アナログプロダクトの最前線

応援ハリセンは、日本の応援文化を象徴するアナログアイテムです。
多くの方が運動会やライブ・スポーツ観戦の現場で手にした経験があると思います。
一見、ただの紙製のうちわや拍子木の延長と思われがちですが、実はこの製品は製造業のエンジニアリングと工夫の結晶でもあります。

昭和から令和へと時代が移る中でも、ハリセンはデジタル一辺倒では代替できない「人の熱量」を伝える存在として根強い人気があります。
そして現在、そのOEM化（他社ブランドでの供給）市場が広がりつつあります。
しかし、単なる製造請負に留まらず、より高性能な「音響出力＝音の大きさ・質」を求める動きが顕著です。
この背景には、企業や団体のオリジナリティ演出だけでなく、スタジアムやイベントでの体感をより高めたいという現場ニーズがあるのです。

2. 時代遅れと言わせない、ハリセン製造の進化

多くの方が抱える「アナログは不便、進化がない」という先入観。
しかし、製造の現場を知る人間として断言できます。
ハリセンOEMの分野でも、部材開発・材料の選定・生産設備の自動化・工程管理など、日々進化し続けています。

従来のハリセンは多層の紙を折り畳んで製作し、パンチングなどで剛性と音響特性を調整してきました。
紙の厚み・折り方・糊付けのポイントの違いによって、「行進のリズム感」「場面の盛り上がり」「手触りの快適さ」などに差が出ます。
そこに新風を吹き込んだのが、EVAコア（エチレン酢酸ビニル共重合体）を使ったハード構造です。
このEVAコアを使用するハリセンは、音量だけでなく音質そのものも大きく変えることに貢献し、まさに世代を超えた応援ツールへと進化しつつあります。

3. ハードEVAコア構造の音響理論と現場メリット

EVA素材の特徴とハードコアへの昇華

EVAは柔軟性・耐久性・加工自由度の高さから、スポーツシューズのミッドソールなど多くの産業で利用されています。
ハリセンにEVAを採用し、さらにコア（中心構造）をハードタイプ化することで、叩いた際の音響エネルギーが効率よく空気中に伝達されます。

具体的には、従来の紙製品よりも「たわみにくく、瞬発的な反発力」を得られるよう設計されています。
この物性の違いが、従来品では得られなかった「高い音圧」と「金属的なアタック音」を生み出します。
これにより、同じ力で叩いてもイベントフロア全体に響きわたるような音響効果を発揮できるのです。

応援現場の反応――現場主義だからこその気付き

多くの競技場やライブ会場で試験導入を行ったところ、「声が枯れない」「隣の観客とも一体感が高まる」「スマホで応援よりも身体が動く」という意見が多く寄せられました。
これは単なるスペックの向上ではなく、製造現場で実際に活用されるシーンまで見据えて設計を詰めてきた成果です。

4. 調達・購買視点でみるEVAコアハリセンOEM戦略

現場バイヤーは何を見ているか？

ハリセンをOEMで調達しようとする企業が最も重視するのは「コストパフォーマンスの最大化」、同時に「ブランド表現」です。
従来型は単価低減力で勝負しがちですが、現代は「他社との差別化」「持つ楽しさ」「加工オプション（名入れ改革）」といった新たな価値も鍵になります。
ハードEVAコア構造は、この両方にアプローチ可能なプロダクトです。

・部材のサプライヤー選定（安定供給力、トレーサビリティ）
・加飾手法の柔軟な対応（インクジェット・ホットスタンプ等）
・生産リードタイムの短縮

特に部材調達では、EVAシート自体のグレードや流通経路が注目ポイントです。
現場のバイヤーは納期の信頼性と、価格変動リスク低減策（複数社購買、スポット調達と契約購買の組み合わせ）を強く求めています。

デジタル化に取り残されないJITとOEMカスタマイズ

アナログアイテムであっても、発注タイミングや数量の変動、急なイベント追加への対応が重要です。
JIT（ジャストインタイム）調達のノウハウを活かし、バッファ在庫の適正化や、ライン切替速度の強化がOEMパートナーに求められます。
自社工場の自動化・半自動化や、多品種少量生産のノウハウを使い「つくり分け」への柔軟な対応力が競争力の分水嶺となります。

5. サプライヤー目線で考える――バイヤーの胸の内を読め

サプライヤーは、自社の技術力や安定生産力をアピールするだけで十分でしょうか。
実際は、バイヤーがどんなKPI（重要業績評価指標）を見ているのか、その一歩先を読まなければ長期パートナーにはなれません。

・「音響特性をスペックで可視化できます」
・「製品サンプルのレスポンスを最短化します」
・「調達コストの定額化、為替リスクヘッジの提案」
・「環境配慮素材への切替提案」

こうした姿勢こそがバイヤーの不安を払拭し、さらなるOEM案件の獲得につながります。
たとえば、工場での「自動外観検査AI」導入で歩留まりを可視化すれば、品質不良に悩むバイヤーの信頼も得られます。
また、応援ハリセンならではの「廃材リサイクル率」や「イベント終了後の回収・再利用スキーム」といった新しい付加価値をいかに提案できるかが、令和型サプライヤーの勝負どころです。

6. 製造業の現場が業界動向とラテラルシンキングで切り拓く未来

伝統的でありながら進化を遂げる応援ハリセンOEMは、デジタル化だけが製造業の進歩ではないことを示しています。
サプライチェーンの再設計や部材のイノベーションだけでなく、「現場で生まれた気付き」と「利用シーンへの深化提案」が今の時代に強く求められています。

古いからこそ守るべき価値、つまり「人をつなぐプロダクト」としての応援ハリセン。
一方、進化するEVAコアハード構造のように、積極的な技術革新・マーケティング・ESG対策も並行して推進することで、アナログ業界も新しい地平線へと歩み続けているのです。

まとめ――ハードEVAコアハリセンは「昭和の遺産」ではない

応援ハリセンという一度は時代遅れと見なされがちなアイテムも、製造業の知恵と技術、そして現場主義の改善マインドによって音響という新たな性能軸と市場価値を獲得しています。
バイヤーとサプライヤーが同調し、⻑期的に業界そのものを底上げする。
応援ハリセンのOEM戦略とハードEVAコア構造は、その好例です。

「手にしたときのワクワク」「鳴らした瞬間の一体感」「企業や団体の個性表現」。
デジタル全盛の今こそ、アナログの底力が問われています。
バイヤー志望、調達・購買部門、そしてサプライヤーの皆さまも、「どんな熱量をモノに込めるか」で未来はもっと開けていきます。

今こそ、昭和生まれのアナログ魂と令和の技術革新を掛け合わせ、真の”音響メディア”としての応援ハリセンを作り上げましょう。