- お役立ち記事
- 習志野で部品加工の品質向上を実現する商社がものづくりを強化
習志野で部品加工の品質向上を実現する商社がものづくりを強化

目次
習志野が担うサプライチェーンの要所
習志野市は千葉県北西部に位置し、東関東自動車道や湾岸線、京葉線など物流幹線へのアクセスが良好です。
首都圏の完成品メーカーが必要とする試作・短納期部品を、24時間体制で届けられる地の利こそが最大の強みです。
東関東自動車道・湾岸線でつながる輸送網
港湾・空港のどちらにも40分以内で到達できるため、航空貨物で入った原材料を即日加工し、その日のうちに港から海外工場へ送る「当日越境」も実現できます。
リードタイム短縮は品質を守る最初の一手となり、不良ロットが後工程へ流れるリスクを大幅に減らします。
中小企業が密集する加工ネットワーク
半径10km圏内に旋盤・フライス・放電加工・研削の専門工場が500社以上あります。
古くからの町工場が多いため、加工技術は高いものの、図面管理や工程管理は口頭・紙ベースが主流です。
この課題を商社がハブとなってデジタル化し、品質を平準化する動きが加速しています。
商社が部品加工の品質向上に挑む背景
習志野の商社は、単なる“ものを右から左に流す”役割を脱し、サプライチェーン全体で品質保証をリードするポジションを目指しています。
バイヤーの要求レベルが年々高まる
自動車や医療機器の完成品メーカーは、グローバル調達で得た“ゼロPPM”基準を下請けにも求めます。
しかし町工場だけでは測定機や工程監査の投資負担が大きく、要求達成が難しいのが現実です。
アナログ現場が抱える三つのギャップ
1. 設備の加工精度は高いが、測定データが紙台帳に散在しているギャップ。
2. 熟練者が勘で段取りを決めるため、若手にノウハウが伝わらないギャップ。
3. 取引ごとに検査基準が異なり、変更が口頭で伝わるためミスが発生するギャップ。
これらを埋めるために商社が“品質保証統括”を担うスキームが求められています。
品質を底上げする三つの打ち手
統一QCストーリーで歩留まりを見える化
商社は取引先200社の検査成績書を共通フォーマットへ統合しました。
工程能力指数(Cp、Cpk)を自動集計し、月次でサプライヤーにフィードバックします。
赤信号が点いた工程は商社の品質エンジニアが現場へ入り、すぐに要因解析を実施します。
IoT後づけセンサで設備稼働率を平準化
新品設備を購入する代わりに、既設NC旋盤へ振動・温度センサをマグネット方式で装着。
加工負荷が上昇するとアラートが飛び、刃具摩耗を事前検知できます。
結果として夜間無人運転の不良率が20%→2%に低減しました。
認定工場制度で加工ノウハウを横展開
一定基準を満たした工場を「ゴールド」「シルバー」に格付けし、上位サプライヤーの段取り・治具・測定治具を動画マニュアル化して共有。
技能伝承に悩む町工場が、同業者のベストプラクティスを自社に取り込むことで、平均段取り時間を30%短縮しました。
現場視点でみる商社主導の価値
バイヤーへのワンストップ窓口
完成品メーカーのバイヤーは、取引窓口が商社一社で完結するため、見積・発注・品質窓口を一本化できます。
不具合発生時も商社が初期流動を止め、原因特定から是正まで24時間以内に対応できるので、ライン停止リスクを最小化できます。
サプライヤーへの技術投資ファイナンス
設備リースや測定機の共同購入を商社が保証人となり実施。
個社で負担できない大口投資を“共同体”でシェアすることで、町工場はキャッシュフローを圧迫せずに最新技術を導入できます。
人材育成プログラムで技能伝承
商社主催の「週末マイスター塾」を開講し、現役の熟練技能士が若手に段取りの勘所を実演指導。
動画教材とVRシミュレーションを組み合わせ、再現性の高い教育を実現しています。
習志野モデルを自社に取り込むステップ
ベンチマークツアーで気づきを得る
まずは現場を歩いて、統一QCストーリーやIoTセンサの設置位置を自社と比較してください。
“百聞は一見にしかず”で、改善のイメージが具体化します。
共通KPIの合意形成が第一関門
不良率・納期遵守率・設備稼働率など、何を“品質”とみなすかをステークホルダー全員で決めることが重要です。
合意なくして数値目標を掲げても、改善活動は形骸化します。
中小企業こそ連携で競争力を高める
単独でハイエンド測定機を買うより、5社で共同利用した方が稼働率は上がりコストは下がります。
連携は“弱みの相殺”ではなく“強みの掛け算”だと認識を転換しましょう。
まとめ―昭和型取引から共創型エコシステムへ
習志野の商社が主導する部品加工ネットワークは、アナログ文化が色濃く残る町工場にデジタルと品質マネジメントを持ち込みました。
バイヤーは高い品質と短納期を、サプライヤーは投資負担の軽減と技能継承を享受し、双方がWin-Winの関係を築いています。
昭和の“親綱・子綱”取引を脱却し、情報・設備・人材をシェアする共創型エコシステムこそが、これからの日本のものづくりを強化する鍵になります。
習志野モデルをベンチマークに、今日から自社のサプライチェーン改革に着手してみてはいかがでしょうか。
資料ダウンロード
QCD管理受発注クラウド「newji」は、受発注部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の受発注管理システムとなります。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
製造業ニュース解説
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(β版非公開)