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濾過方式圧搾分離圧搾脱水連続操作濾過試験濾過圧搾装置の選定とポイント濾過操作と最適設計の留意点トラブルシューティング超高速濾過分離のための新規ダイナミックフィルター開発

目次
はじめに ~進化し続ける濾過・圧搾装置の世界
製造業において「濾過」「圧搾」「分離」「脱水」といったプロセスは、生産現場の効率や製品品質、安全性に直結する極めて重要な工程です。
特に、化学、食品、医薬、リサイクル関連など多様な分野で活用される濾過・圧搾装置は日進月歩で進化しています。
しかし、日本の製造現場には昭和時代から続くアナログな手法も根強く残っており、設備更新や最適化の課題も山積しています。
本記事では、現場のプロ目線で「濾過方式」「圧搾分離」「連続操作」「トラブルシューティング」など、濾過・分離プロセス最適化の要点と最新動向、そして超高速化・高度分離を実現する新規ダイナミックフィルターの開発事例までを網羅します。
バイヤーやサプライヤー、現場で日々悩む技術者の皆様に向けて実践的な視点と、今後求められる発想転換のヒントをご提供します。
濾過・圧搾・分離装置の基本方式と最新トレンド
アナログからデジタルへ ~漂う昭和の香りと次世代への脱皮
日本の多くの製造現場では、「昔ながらのバッチ式濾過機」「定番のフィルタープレス」「手作業のろ過」「洗浄工程のアナログ管理」などが、2020年代に入った今も数多く稼働しています。
一方、グローバル競争やサステナビリティ要求が高まる中、少しでも無駄を減らし、安定稼働と高歩留まり、省人・省力・省エネ・省スペース化が問われるようになりました。
濾過分離装置も、手動脱水→半自動圧搾→全自動ろ過・圧搾へと脱皮しつつあります。
さらに、AIやIoT、センサー管理やオートチューニング機能の活用、遠隔監視による保守最適化も進んできました。
顧客ごとの特注設計や多品種少量生産も、設備のしなやかな対応力で乗り越えていく時代です。
主要濾過方式とその選定ポイント
1. バッチ式重力濾過・加圧濾過
ろ材にケークを形成しながら濾液を取り出します。
シンプルで清掃・交換が容易。
ただし作業サイクルタイムが長く、手作業が生じやすい。
2. 連続回転式濾過機(ドラム、ディスク、ベルトフィルター等)
ライン化・自動化に最適で、省人・連続稼働が可能。
ただし固形分の物性・粒子径分布、濃度変動に弱い場合あり。
3. 隔膜式加圧濾過(メンブレンプレス、カートリッジ式等)
微粒子・高分子・医薬原料など精密な分離に強み。
ろ過助剤や前処理との組み合わせが鍵。
4. 圧搾・脱水連続装置(スクリュープレス、遠心分離機等)
高含水分スラリーの水分除去や脱水工程に最適。
投入口~排出口までのシール性やメンテナンス性に注意。
新たな流れ:モジュラー設計とカスタマイズ
最近ではユニット単位での「モジュラー設計」も注目されています。
汎用ユニットを複数組み合わせたり、現場ごとにスケーラブルに増設・減設できる構成が増加中です。
またIoTセンサーや可視化ツールとの親和性、CIP(洗浄インプレース)対応、自動記録・トレーサビリティ強化なども大きな流れです。
バイヤーが注目すべき 濾過装置選定のポイント
「現場で本当に使えるか?」の着眼点
濾過装置選定においてバイヤーが押さえるべきなのは、「波及コスト」「保守性」「拡張性」「運転負荷」「予期せぬトラブル対応力」の5大軸です。
単なるイニシャルコストだけで比較すると、本来得られるベネフィットを見落としがちです。
– 前処理工程・後段工程との接続性
– 原料スラリー・ろ液特性(固液比、粒子サイズ、温度、粘性など)
– 設備の占有スペース、搬入・設置・洗浄・保守省力化
– 異物混入や詰まり、硬化などへのトラブル耐性
– ランニングコスト(消耗品、薬品、水・電気消費、メンテコスト)
– 将来の量産アップや新製品にも流用可能な汎用性
これら現場密着軸を基準にし、表面上の「処理能力」「型番」ではなく自社現場との親和性で比べましょう。
サプライヤー・メーカー選定の成否が投資効率を決める
サプライヤーを選ぶ際に特に重視すべきは、
– 現場見学・テスト導入に本音で立ち会ってくれるか
– ちょっとした異常や生産条件のチューニングに対し、迅速・誠実に対応してくれるか
– 長く使ってきた現場担当の悩みや「こんなトラブルが前にあった…」といった実例に耳を傾けてくれるか
カタログや価格、スペックでははかれない「現場での困りごと」にどれだけ真摯に向き合うかで、パートナー選定の成否は大きく変わります。
濾過操作と最適設計の留意点
ケーキ層成長と圧搾効率のバランス
濾過操作の本質は、「ろ材を詰まらせず、安定した透過流量と分離精度を維持すること」に尽きます。
しかし実際の現場では、ケーク状物(ろ過残渣)の成長・堆積スピードが、濾液収率やろ過圧搾効率に大きな影響を与えます。
一度ろ材表面で目詰まりやバイパスが発生すると、装置寿命やろ材コスト、保守手間が想像以上に跳ね上がります。
そのため、「ケークの性状(日々の変動含む)」と「予備濾過 or 前処理工程(薬品添加や粒度調整)」の設計が極めて重要になります。
流路設計・シール部・自動洗浄機能の実用性
特に以下の点で設計上の工夫がトラブルに強い装置選定につながります。
– 濾液・残渣の流路断面と流速設計(デッドスペースの最小化)
– シール部の材質適正と交換容易性(メンテナンスのしやすさ)
– 洗浄・CIPシステムの実用性(手作業削減と衛生保持)
– 覗き窓や圧力・流量センサーの配置による現場観察性
「毎日なんとなく清掃している」では不具合は減りません。
操作性の良い装置設計は、結果的に事故・トラブル・排水コストの低減に直結します。
トラブルシューティング:よくある事例と対策
目詰まり・ろ過不良の原因とすぐできる対処
– 毎ロットでろ過時間がバラつく
→ 原料の粒度分布変動・前処理不足が疑われます。投入前の撹拌・分散効率、薬剤濃度を点検しましょう。
– 突然の圧搾不良や漏液
→ シール材(ガスケット、パッキン)の劣化やゆるみが多いです。定期点検・予防交換が重要です。
– 虫食い状の通水・バイパス流発生
→ 攪拌の不均一や濾板・フィルター表面の損傷が影響します。洗浄・検査とともに、目視点検のルール化が有効です。
周辺環境による装置負荷変動への備え
現場では気温・湿度変動、日々の投入量変動、原料ロットごとのクセなどが複雑に絡み合います。
上流工程や外部状況のログ記録と突き合わせ、パラメータ自動調整機能やアラート設定の活用が肝要です。
超高速濾過分離を実現する新規ダイナミックフィルター開発事例
旧型設備の「限界」を突破するダイナミックアプローチ
従来型のろ過・圧搾装置では、「濾過ケーキの滞留」「部分目詰まり」「頻繁な洗浄・停止」がネックでした。
こうした課題に対し、最新の新規ダイナミックフィルター(たとえば可動メンブレン式円筒フィルター、自己洗浄機能付きろ過機など)が注目されています。
この方式では、
– 濾材表面が撹拌・振動することでケーク堆積を抑制
– 耐薬品性や微細粒子に強い新素材フィルターの活用
– 処理パラメータをリアルタイム管理するスマートIoT技術
などが組み合わされ「超高速ろ過」「高分離性能」「運転自動化」を同時に実現しています。
現場とユーザーの期待に応える設計開発の実践
装置開発時はユーザー現場での実プラントテストを重視し、
– 装置起動・停止時間の短縮
– クリーン化・省スペース化
– イレギュラー時の自動エスケープ機能
などを織り込みます。
バイヤー・サプライヤーが二人三脚で現場テストに立ち合い、「口先・紙上の仕様」ではなく「本当に困っている現場の課題」発見に力を注ぐことが、高パフォーマンスな設備投資を実現しています。
まとめ ~新たな地平線を開拓するために
濾過・圧搾分離の領域は、まだまだ進化・開発余地があります。
昭和的アナログ設備も使い倒しつつ、イノベーティブな新型濾過機を組み合わせる――これが日本製造業の強さです。
現場目線と全体のサプライチェーン視点の両方を忘れず、従来の常識や縦割りをラテラルに乗り越えてチャレンジし続けることで、競争力ある生産現場が実現します。
今後も「現場発 信・本音発 信」の知見を持ち寄り、業界発展と日本の製造現場の底力向上に貢献していきましょう。
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