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シャッドテールワームOEMがブルブルアクションを最適化する高弾性エラストマー配合

目次
はじめに:製造業における革新的素材選定の重要性
製造業、とりわけ釣り具やレジャー用品業界において素材の選定は、製品の特性や市場競争力に直結します。
そのなかでも、シャッドテールワームのOEM製造においては、アクション性能、耐久性、安全性、コストなど多岐にわたる要素が求められています。
特に、高弾性エラストマーの配合によって「ブルブルアクション」の最適化が注目されています。
本記事では、昭和のアナログ的知見と最新素材技術、そしてOEMビジネスの現場感を交えて、現代のシャッドテールワーム開発に不可欠なポイントを解説します。
また、バイヤーやサプライヤー、そして製造現場の方々が抑えるべき実践的な着眼点についても深掘りします。
シャッドテールワームとは何か
ルアーの機能美と素材選定
シャッドテールワームは、釣り愛好家の間で高い人気を誇るソフトルアーです。
その最大の特徴は、控えめながらも確実に水流を受け止め、魚を誘う「ブルブル」という繊細なアクションです。
この独特の振動が魚の捕食本能を刺激し、バイト率(食いつき率)の向上に繋がります。
もちろん、外観デザインだけでなく、素材が持つ物理的特性が、その動きや耐久性、フックアウト時の復元性に大きく影響します。
なぜOEMが選ばれるのか
オリジナルデザインやブランド戦略を強化する企業、また大量生産、コストパフォーマンスを重視する場合、OEM(Original Equipment Manufacturing)は最適な選択肢となります。
バイヤーは、要求仕様や市場ニーズを満たす部材や素材、加工ノウハウを持つサプライヤーに製造委託することで、迅速かつ効率的な製品供給を実現できます。
一方、サプライヤー側としてもOEM受注は技術力・生産力の証明となり、受注拡大や生産ラインの安定化が期待できます。
ブルブルアクションを最適化する素材要件
従来素材の限界と業界の現場感
昭和から続くソフトルアー製造の現場においては、主に塩化ビニール(PVC)やシリコーンゴムが多用されてきました。
確かに生産性やコスト面で優れるものの、アクションがワンパターンになりやすく、耐久性やエコ対応で課題が残ります。
また、経年での変色や硬化・劣化による不具合も現場では頻発していました。
このような「昔ながら」の素材選定から脱却し、高弾性エラストマーなど先進素材の活用が活発化してきたのが、ここ十年の業界動向です。
高弾性エラストマーのポテンシャル
高弾性エラストマーは、柔軟性と耐久性を高い次元で両立します。
水流を受けた際の復元力(反発力)が極めて高いため、微細な水流でもリアルな「ブルブルアクション」を発生させます。
また、引張り強度・耐摩耗性にも優れており、何度もフックを刺しても傷み難い普遍的な物性が特徴です。
近年では環境対応型のエラストマー(非フタル酸系、リサイクル材混入品など)も登場し、サステナビリティ要求にも即応可能となっています。
OEM設計現場での実際の素材選定プロセス
バイヤーは何を重視しているか?
長年の製造現場経験からいえば、バイヤーが最も注視するのは「目指すアクションと再現性の高さ」です。
たとえばあるバイヤーは、「自社のターゲット魚種に最適な振動数や波長、アクションレンジを実現できるか」を事細かに検証します。
したがって、単に「高弾性」とうたう素材でも、配合比率、硬度、形状再現性、成形のばらつき、着色剤や可塑剤との適合性など細部にわたる評価が求められます。
サプライヤー現場目線で見る課題
一方、サプライヤーの立場からすれば、安定した大量供給と品質保証ができるかが最大の課題です。
高弾性エラストマーは、その流動性や硬化条件が微妙に異なるため、金型設計の工夫や成形条件の最適化が不可欠となります。
現場ではトライアンドエラーを繰り返して求めるアクションと安定生産の合致点を探り、バイヤーとの信頼関係のなかで設計・原価・納期を調整していくことになります。
模倣からの脱却と差別化戦略
ラテラルシンキングが導くOEMの次世代価値
素材や金型の模倣合戦に陥りがちなアナログ業界において、OEMサプライヤーが新たな価値を生み出すには、「既存の枠組みを越えた発想=ラテラルシンキング」が不可欠です。
例えば、異種素材とのハイブリッド化や、部位ごとのマルチハードネス設計(テールだけ軟らかく、胴部分はやや硬め)など先進的な素材工学が現場で進みつつあります。
また、AIによるアクション解析シミュレーションや、ユーザードリブンのカスタマイゼーションOEMなど、デジタルとアナログ現場の融合も今後の大きな潮流となるでしょう。
プロの視点で見る「現場課題」と解決プロセス
現場が本当に困るポイントとは?
私が工場長、ライン責任者として数多く経験したトラブルの本質は、「素材変更が現場の生産性や品質安定に直結する」という事実です。
新素材の投入時には、金型の磨耗、成形サイクルタイムの変化、不良率の増加、作業者教育といった多岐にわたる問題が発生します。
「高弾性エラストマー」一つとっても、配合や成形条件でアクション特性やばらつきが大幅に変化します。
そのため、現場での「可視化」「標準化」「検証→フィードバック」の三段階がスムーズに回る設計体制の構築が重要です。
実践的な課題解決アプローチ
最前線の現場力を生かしつつ、ラボでの微細な調整を重ねることが、製品完成度向上への近道です。
具体的には、
– 3Dアクション分析装置を用いた動作評価
– 原材料ロット差を考慮した「混練、脱泡、成形」各工程の最適設定保持
– 金型温調、フィラー混入率の細かな調整
などを徹底的に実施します。
各部門(設計、加工、品質、現場、営業)が目標を共有し、自工程完結とルーチン業務の可視化を図ることで、「脱・昭和型の属人的な勘と経験」から組織的品質管理へ進化できます。
バイヤー・サプライヤーが共に意識すべきポイント
成否を分ける「コラボレーションとPDCA」
OEMでの成功には、単なる発注・受注関係を超えた強固なチームワークと、相互の技術交流が必須です。
バイヤーは希望性能を具現化するためのR&Dを惜しまず、サプライヤーは現場でのトライ情報や歩留まり率、不良解析結果を素早くフィードバックすることが重要です。
この相互コミュニケーションが、最適な高弾性エラストマー配合やアクション精度の向上につながります。
双方が「現場ファースト」で現実的なアプローチを取り、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回し続けることが、OEMビジネスの継続的進化のカギとなります。
今後の動向とまとめ
シャッドテールワームOEMにおいて、ブルブルアクションを最適化する高弾性エラストマー配合は、今や業界の新たなスタンダードとなりつつあります。
従来の枠組みを越えた発想力、現場起点の課題解決、そしてバイヤー・サプライヤーの連携。
これらをいかに実践し、新しい素材技術と組み合わせられるかが、今後の釣り具業界、ひいては製造業全体の競争力に直結します。
ぜひ現場の課題や最新トレンドを感度高くキャッチし、OEMものづくりの新たな地平線を開拓していきましょう。
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