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ケーブルマネジメントボックスOEMが火災リスクを下げる難燃ABS二重蓋構造

目次
ケーブルマネジメントボックスOEMが火災リスクを下げる難燃ABS二重蓋構造
はじめに ― ケーブルマネジメントボックスの重要性
近年の製造業現場やオフィス、さらには一般家庭でも、電源ケーブルや情報通信ケーブルが増加しています。
配線が乱雑なまま放置されることによるトラブルや事故、そして「火災リスク」は、業界の常識課題といえるでしょう。
そんな中、OEM(Original Equipment Manufacturer、相手先ブランド製造)によるケーブルマネジメントボックスの開発・導入が、火災対策や現場効率向上の切り札として注目されています。
この記事では、「難燃ABS素材」かつ「二重蓋構造」という最新技術を搭載したケーブルマネジメントボックスの現場的なメリットや業界動向、OEMとしての供給価値について、長年の工場現場経験を交えて掘り下げて解説します。
なぜ今、ケーブルマネジメントボックスの火災対策が重視されるのか
配線トラブルがもたらすリスクと昭和的アナログ運用の壁
製造現場やオフィスで、ケーブルが山積み、または無造作に床へ投げ込まれている光景は珍しくありません。
私自身、工場長時代にこうした状況を幾度となく見かけ、そのたびに「危ないぞ」と警鐘を鳴らしてきました。
特に古い現場文化が残る事業所では、「まぁ大丈夫だろう」と油断してしまいがちです。
しかし、配線の埃、熱、電流の過負荷が重なると、たとえ小さな火花や発熱でも発火源となり、焼損事故や工場の生産停止、最悪の場合は人身に被害を及ぼします。
昭和時代から抜け出せない現場では、「事故が起きて初めて対策を本気で考える」傾向が根強く、これは大きなリスクです。
現代の品質・生産要求が求める「火災ゼロ」への意識変化
IoT化、自動化、高度化が進む今、ひとたび火災や配線トラブルが起これば、ライン全体の停止やデータ損失へと直結します。
また、ISO・IATFなどの品質規格では、安全リスク低減策の文書化や証拠保管も求められます。
現場レベル・経営レベル双方で「火災ゼロ」が強く求められ、そのための道具として高機能なケーブルマネジメントボックスが注目されているのです。
難燃ABS二重蓋構造とは? ― 仕組みと現場メリットを徹底解説
難燃ABS樹脂 ― 標準プラスチックにはない”燃え広がり制御力”
ABS樹脂は機械的強度に優れるプラスチック材料で、通常のケーブル・スイッチボックスで多用されています。
しかし、標準ABSは十分な難燃性がなく、発火時にすみやかに燃え広がります。
その点、難燃ABSは特殊な添加剤により、「自己消火性(炎が消えやすい性質)」を獲得しています。
現場での最大のメリットは、「局所的な発火(ショートや被覆損傷など)」が仮に起こっても、ボックスの材料自体が”燃えにくい”こと。
これにより、隣接ケーブルの溶断による連鎖事故や、付近の資材・機器への延焼が大幅に抑制されます。
二重蓋構造 ― 機密性アップ&熱/煙の隔離で万が一も最小化
二重蓋構造は、内蓋+外蓋という二層の蓋でボックス内部を保護する技術です。
まず、内蓋がホコリや小動物等の侵入をシャットアウトし、ケーブル周囲の清浄性を保ちます。
もし内部で発火・発煙が発生しても、外蓋が密着することで、熱と煙をボックス内に閉じ込め、空間への拡散を最小限に抑えられます。
さらに、二重構造は断熱効果もあり、天面が熱で損傷するリスクも減らせます。
現場目線で言えば、作業者やメンテナンス担当がもしも事故現場に駆けつけたとき、その場の一次対応でボックス本体の損傷や延焼拡大が未然に防がれていることは、安全確認と生産復旧の大きな安心材料となります。
OEM供給におけるケーブルマネジメントボックスの戦略価値
設備メーカー・電材商社などで進むOEM需要拡大
設備製造業者や制御盤業者、電材商社では、独自ブランド名での高安全ケーブルボックス需要が急速に増えています。
これは先述した火災ゼロへの社会的責任や、製品納入先からの「安全対策強化」への圧力が背景にあります。
標準のケーブルボックスでは「法的にはNGではないが、不安で取引先に提案できない」時代になりつつあります。
結果、OEMで特注仕様を受託できるメーカーは、カスタマイズ対応や、協業パートナーとしての顧客密着力を武器に市場拡大を実現しています。
難燃グレードや二重蓋、配線径の最適化、着色やロゴ入れなど、細かなニーズへの対応は、まさにOEM供給者ならではの強みです。
サプライヤー目線 ― バイヤーとの信頼を勝ち取るポイント
サプライヤーとしてバイヤー(調達担当者)の心をつかむには、材料証明・試験データなどの「客観的安全性エビデンス」を提示し、彼らが社内決裁向けプレゼンで使える安心材料を提供することが肝要です。
また「万が一事故が起きた際のアフターサービス」や「ボックス内容変更の柔軟性」など、バイヤーが気にするポイントを的確につぶしていくことで、最終的な採用率アップにつながります。
現場導入のプロセスと失敗しない選定ポイント
現場調査による配線数・熱発生の把握
まず現場では、どのくらいの配線量か、電流値や発熱量、埃や油分の多寡、作業者の動線などを細かく調査しましょう。
過剰な大口径ボックス導入や、不必要な高機能仕様はコストアップにつながります。
一方、「一見すると格安な製品」が、実は難燃性不十分・構造面で脆弱で、導入後にクレームや事故を招くケースもあとを絶ちません。
UL規格やPSE認証など、法令・業界標準の適合確認
近年、UL(アメリカ安全規格)やPSE(日本の電気用品安全法)など、第三者認証の有無が取引条件となります。
OEM発注の場合、製品の個別仕様がこれら認証を満たしているか、マーケティング段階からバイヤーと協働して詰めておくことが大切です。
導入後のメンテナンス性や拡張性
一度設置した配線ボックスも、製品移設や増設で開閉・改修が発生します。
二重蓋構造であっても、「簡単かつ繰り返し開閉できる」こと、「工具不要で作業ができる」こと、「万が一の交換パーツ供給体制」などが重要です。
新設設計だけでなく、現場の15~20年サイクルの運用・保守も見据えた選定が、結果的なコスト削減や安全維持につながります。
まとめ ― 現場力を高めるケーブル管理の進化とOEMの未来
従来、ケーブルボックスといえば単なる「配線隠し」でしたが、火災ゼロ時代においては「安全マネジメントの要」へと進化しています。
難燃ABS素材、二重蓋という技術アップデートは、古い工場文化・アナログ現場でも採用ハードルが高くない実用的なステップです。
OEM化によるバイヤーニーズへの最適提案と、サプライヤーとしての安心・安全の付加価値提供が、今後の製造業や設備産業の競争力の鍵となります。
日々の現場で培った経験から申し上げたいのは、「事故を未然に防ぐ道具選び」には、先送りのできない社会的責任があるということです。
これからの製造業界を支える皆さんの一助となれば幸いです。
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