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耐熱ガラス保存容器OEMでまとめ買い需要を伸ばすセット販売設計

目次
はじめに:耐熱ガラス保存容器OEMの市場背景とニーズ
耐熱ガラス保存容器は、その機能性と安全性から、家庭用・業務用を問わず需要が拡大しています。
特にSDGsや食品ロス削減などの社会的な背景に加え、健康志向の高まり、保存性・美観性へのこだわりなどから、ガラス保存容器の需要は堅調に推移しています。
また、昨今ではOEM(受託製造)によるプライベートブランド化やセット商品で「まとめ買い需要」を狙う動きが強まっています。
しかし、伝統的なアナログ思考が根強い製造業界では、セット販売やマーケティングの発想がなかなか現場まで浸透しない現状も見受けられます。
本記事では、現場目線で「どうすればOEMガラス保存容器でまとめ買い需要を伸ばせるのか」、その設計の観点や運用ノウハウを詳しく解説します。
耐熱ガラス保存容器のOEMにおける“まとめ買い需要”の潮流
まとめ買いがもたらす利点
セット販売によるまとめ買いは、エンドユーザーにとっては「必要なサイズ・個数が揃っている」「単品で買うよりコストが抑えられる」といったメリットがあります。
また、バイヤーや調達担当者にとっては1品種ごとの発注・在庫管理の手間が省かれるため、効率的な仕入れや管理が可能となります。
サプライヤー側も、セット化により出荷時の梱包効率アップやロジスティクスの最適化、原材料調達の一元化によるコスト削減が期待できます。
OEM製造の現場最前線のニーズ
OEM提案の現場では、従来のバラ売り・単品大量受注志向から、
「複数サイズのセット化」
「ギフト・販促用途にカスタマイズしたパッケージデザイン」
「時短・簡単調理を意識した用途提案」
といった多様な要望が急増しています。
一方、業界には「新しい提案はリスクが大きい」「従来商品で十分」という保守的な空気も根強く残っています。
そこを突破するには、調達・生産・物流の全流れを横断的に理解し、「現場で何ができるか」という耳の痛い部分にもきちんと目を向けなければなりません。
セット販売設計の実践ノウハウ
1. セット設計の基本:ユーザー目線で“使える”構成を考える
消費者が使いやすいサイズ、欲しい数の組み合わせを考えることが第一です。
具体的には、
・食材や料理によって使い分けるための「大・中・小」や「深型・浅型」など複数タイプのミックスセット
・家族や世帯数によって最適化した「3個セット」「6個セット」など
・テーブルコーディネートも想定したバラエティ重視のサイズアソート
など、利用シーンをイメージしながら設計することが大切です。
ユーザーアンケートやSNSでの声・レビュー分析など“現場の生の声”を積極的に取り入れましょう。
2. OEM視点の製造工程最適化
セット販売では一品ごとのパーツ数が増え、管理も複雑化します。
生産時には次のような工程管理が必須です。
・異なるサイズ・形状を同時進行で組み立てるための工程分割、ラインバランス最適化
・セットごとにパッケージしてラベルを貼るための現場管理の徹底
・セット毎の識別バーコードや数量チェックなど二重三重の品質管理体制
・資材調達・梱包資材の在庫リスク管理
特に昭和的な「現場任せ」「ベテランの勘頼み」は禁物です。
数量・工程・品質をきちんと“見える化”するICTツールの導入も積極的に検討したいところです。
3. サプライチェーンと在庫戦略
ガラス容器のセット販売では、各サイズ・型番の在庫を単品で持つか、セット専用で持つかなどの在庫分離戦略も重要です。
受注生産と見込生産を適切に使い分け、シーズナル需要(年末年始、母の日など)には専用パッケージや数量限定セットなども柔軟に対応できる体制を築きましょう。
また、取引先ごとにセット内容をカスタマイズする場合も想定して、現場でパッケージ構成を迅速に切り替えできる“仕組み化”が肝要です。
OEMセット販売の現場あるある・課題とその解決策
1. 現場の負担増にどう対応するか
セット商品の梱包や出荷は、往々にして「面倒で時間がかかる」と敬遠されがちです。
アナログ的な業界では「単品バラのほうが楽」という認識も根強いです。
改善策としては、以下がおすすめです。
・製造・包装現場での“作業標準書”をビジュアル化して習熟度を上げる
・少ロット用のパートライン/セット専用エリアを設け、専門担当を配置
・ピッキング工程にハンディ端末や棚番連動などのIT支援ツールでミス撲滅
・物流業者との連携を強化し、出荷検品・納品精度をKPI管理
「現場目線」を重視し、実務担当者がアイデアを出せる現場改善活動(KAIZEN)の導入も有効です。
2. OEMバイヤーとの情報ギャップを埋めるカギ
OEM取引では「バイヤーがどこを見ているか」を現場まで伝える仕組みが不足しがちです。
営業部門と生産部門の壁が分厚く、現場が「手間ばかり増える」と反発する例も少なくありません。
有効な手法としては、
・バイヤーや得意先を現場に招いて“見学会”や“工程勉強会”を開催
・現場スタッフの顧客志向を高める定期教育・ワークショップ
・現場と営業が合同で「顧客の使い方を研究」する共同PJ(プロジェクト)の立ち上げ
など、“壁を壊す”コミュニケーションが需要です。
耐熱ガラス保存容器セット販売の成否を分けるポイント
1. 市場ニーズを読み解いたセット企画
消費者やバイヤーの商品選択の軸は時流によって大きく変わります。
「おしゃれ」「便利」に加え、健康志向(糖質オフ、ミールプレップ)、エコ(リサイクル材パッケージ)、ギフト需要への対応等、現場としても新しい切り口のセットを企画する目線を持ちましょう。
2. 生産・物流の“棚卸し”を忘れずに
セット販売は奥深いもので、利益率・工程負荷・ロス・検品効率など、表面上の売上だけでは測れません。
現場目線で「どのセットなら工場が回りやすい」「どこまで自動化できるか」といった生の課題を一度“棚卸し”し、そこから改善テーマを抽出しましょう。
3. 調達・購買部門のシナジー活用
セット化による原料店頭価格の交渉や、サプライヤーの委託先最適化、外注梱包の仕組み作りなど、調達や購買部門の知恵とネットワークもセット販売の肝です。
また、バイヤー目線では「まとめ買い=仕入原価低減」なので、営業部門としっかり情報を擦り合わせ、全体最適を図ることが重要です。
昭和から令和への進化:製造業の“新常識”への転換
製造現場に根付いた“昭和的発想”は確かに存在します。
しかし、人口減少・人手不足、グローバル化、ECシフト、SDGs、物流コスト高騰など、環境は刻々と変化しています。
これからの現場は「単品大量・バラ売り」至上主義から一歩抜け出し、「顧客ニーズに応じた柔軟なパッケージ」「小回りの利く生産体制」自体が競争力となります。
まとめ:現場起点で“需要を創り出す”OEMセット戦略
耐熱ガラス保存容器のOEMセット販売設計は、単なる「製品開発」ではなく、「需要を創り出す」ための能動的な現場改革プロジェクトです。
ユーザー視点のセット設計と、生産・調達・品質までを巻き込んだ一気通貫の現場回しこそが、今後ますます求められます。
今日からできる小さな改善から始め、「まとめ買い」を新たな収益モデルに進化させましょう。
そしてバイヤー、サプライヤー、現場の三位一体で、新しいものづくりの地平線をともに切り拓いていきましょう。
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