投稿日:2025年8月4日

アロマジェルカーデコOEMがダッシュボード熱70℃でも溶解しない高融点ベース

はじめに:アロマジェルカーデコとは何か

アロマジェルカーデコは、自動車の室内空間を豊かな香りで彩る、近年注目のインテリアアクセサリーです。
その名の通り、アロマオイルを配合したゲル状の素材によって、車内に自然な香りと柔らかいデザイン性をもたらします。
従来の芳香剤に比べて、デザインの自由度や香りの持続性、安全性の高さが特徴です。
特に自動車メーカーやカー用品メーカーからは、高品質・高耐久性のOEM(相手先ブランドでの生産)依頼が増加しています。

ダッシュボード上で求められる耐熱性能

自動車のダッシュボードは、直射日光の影響により、夏場には表面温度が70℃~80℃にも達する過酷な環境です。
この温度条件下で従来のアロマジェルは溶解し、形状を維持できなくなる場合も多々あります。
製品が溶けて漏れ出し、インテリアを汚す、さらに最悪の場合は電装系トラブルにつながる事例も報告されています。

こうした背景からOEM事業者やバイヤー、サプライヤーには「高融点ベース=高温でも溶けないアロマジェル」の企画・開発が強く求められています。

高融点ベースジェル開発の着眼点と実績

なぜ従来のジェルは高温で溶解するのか

昭和から続く芳香剤市場の多くは、安価なゲル化剤を使った開発アプローチが主流でした。
成分の選択においても水分比率が高く、ジェル自体の融点(±50℃前後)が低い傾向にありました。
経済性重視、工場の大量生産性、材料調達のしやすさなどが優先された結果です。

しかし、近年のデザイン志向や、車内のクリーン化推進、SDGs対応などで「高品質」「安全安心」を求める声が高まり、技術の転換が進み始めました。

高融点ジェルの材料設計ポイント

高温環境下で溶けないアロマジェルベースを実現するためには、以下の2点が重要となります。

・ 高融点の主剤(高級アルコールゲル化剤、高分子化合物、シリコーン樹脂等)の採用
・ 水分含有量の極小化、および特殊架橋技術による三次元構造化

これらの材料・技術を組合せることで、70℃のダッシュボード上でも流動や加水分解を防止します。
押し出しやカットの成形性を損なわず、アロマオイルとの相溶性、安全性(非有害・無毒)も両立させる必要があります。

OEM現場での試験評価と改善

大手OEMクライアントとの共創現場では、下記のような厳しい耐熱・耐候テストが実施されます。

・サーマルサイクル試験(60~80℃を数十サイクル繰り返し)
・実車ダッシュボード上での4週間密閉評価
・紫外線照射+高温雰囲気下での変色・異臭試験
・香料との化学的反応チェック

これらをクリアした製品は、プレミアムカーの純正アクセサリー、欧州向け量販ルートなどに続々採用されています。

アロマジェルカーデコに期待されるOEMバリュー

ブランド独自の体験価値創出

「アロマ×ジェル×デコレーション」の組み合わせは、OEM提案においてオンリーワンのカスタマイズ要素を提供できます。
高融点ベースが実現できれば、各ブランド独自の色彩、香り、パッケージ設計を自由に具現化できます。

たとえば、欧州車はクリーン系の香りとメッキ調ゲル。
若者向け車両にはカラフルで遊び心のあるデザイン、女性市場にはエッセンシャルオイル配合や癒し系アロマ。
OEMサイドはこういったターゲットに応じた企画提案を積極的に行い、カタログや販促企画に新たな価値を付加できます。

アフターマーケットでも優位性を発揮

社外カスタムパーツ市場では、「高温でも溶け出さない安全性」がショップ選定基準でも高く評価されています。
購入者の本音として、「ダッシュボードの上に置いて夏場に溶けた」という失敗体験は意外と多く、SNSなどでも情報拡散する時代です。
事故・トラブル事例を排する安全基準は、OEMバイヤーからの信任獲得につながり、ブランドイメージ向上にも寄与します。

品質保証と安定供給のうえで必要なこと

原料調達・コスト最適化の課題

高融点ジェルベースには特殊高分子材料や、海外サプライヤー由来の副資材が使われることも多いです。
為替動向や国際物流リスクの影響も受けやすく、コスト上昇や納期遅延のリスクはつきまといます。

バイヤーや購買担当者としては、「品質×価格×サプライチェーン安定性」という観点から、以下の点を重視したいところです。

・複数サプライヤーの確保によるBCP(事業継続計画)強化
・従来ベースとのコスト構造比較、TCOでの優位性確認
・ローカル調達/内製化も視野に入れた材料開発・投資

このような視点を持つことが、現代の製造業バイヤーには不可欠です。

製造現場で求められる工程設計

高融点ベースは、従来ベースよりも高い温度での溶融成形、特殊な攪拌工程、吐出機械の調整などが必要です。
また、量産時の品質バラツキ抑制(ジェル密度、気泡混入、アロマ均等分散など)もポイントになります。
工場長としては、これらの新たな技術課題のクリアに向け、現場スタッフへの教育、多能工化、工程標準書の整備、QC(品質管理)体制の強化が不可欠です。

製造現場に根ざした「一品一様」の品質要求に応えることで、最終ユーザーの満足度が高まります。

アナログ業界の昭和的慣習を打破するには

デジタル化・IoT活用による生産革新

アロマジェルカーデコOEMの分野でも、伝統的なアナログ生産からデジタルツール活用へのシフトが進んでいます。

たとえば
・混合・成形工程のIoTセンサー化によるリアルタイム品質監視
・工程進捗・在庫情報のクラウド管理
・AIによる材料レシピ最適化(歩留向上、コストダウン)

工場長や現場リーダーがこうした新技術を積極的に導入し、従来のカンコツ任せから「データに基づく改善型生産」へと進化させていくことは、次世代ものづくり現場には不可欠の視点となります。

昭和的な属人化からの脱却

工場現場には「ベテランがいないと回らない」「一部の担当者しかできない」など属人化の課題が根強く残っています。
納期遅延や品質クレーム、多能工化・組織力不足などに直結しやすいため、標準化・マニュアル化・ナレッジ共有の重要性が増しています。
特にOEM製品はブランドの信用に直結するため、「誰が作っても安定品質を維持できるしくみづくり」が肝要です。

まとめ:OEMバイヤー・サプライヤー双方へ向けて

アロマジェルカーデコの高融点ベースは、単なる原料選定だけでなく、サプライチェーン構築、製造現場改善、ブランド戦略まで含めた「全方位的なモノづくり力」が問われています。
製造業出身者としては、表面のトレンドだけでなく、業界の昭和から続く慣習や制約とも正面から向き合い、「安全性と独自性」の両立を目指していただきたいです。

OEMバイヤーには高品質・高安全性の選定目線を。
サプライヤーには現場の技術革新&地道な改善へのコミットを。
そして一緒に、日本発のモノづくりを、世界へと発信していきましょう。

ダッシュボード70℃の熱さにも負けない、次世代アロマジェルカーデコベースで、業界の新たなスタンダードをともに築き上げていきたいと思います。

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