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エッセンシャルオイルブレンドOEMがテルペン損失2%で抽出する超臨界CO₂プロセス

目次
エッセンシャルオイルブレンドOEMが注目する超臨界CO₂抽出プロセスとは
エッセンシャルオイル市場の成長とともに、OEM(受託生産)での製造依頼が増加しています。
品質へのこだわり、持続可能な生産方法、安全性の高さなどが求められ、従来の蒸留や溶剤抽出に代わる新たな抽出技術の導入も進んでいます。
その中でも、テルペン損失がわずか2%という高い抽出効率を誇る「超臨界CO₂抽出プロセス」が大手OEM工場やサプライヤーで強い注目を集めているのをご存知でしょうか。
本記事では、20年以上製造現場で培った実体験と現場目線をもとに、超臨界CO₂抽出プロセスの本質に迫ります。
また、なぜこのプロセスが昭和的なアナログ抽出法から抜け出せない日本の製造業においても、導入・拡大の動きが強まっているのか、実践的な観点で解説します。
超臨界CO₂抽出の基礎知識とその革新性
従来の抽出法の限界
エッセンシャルオイルの抽出方法といえば、水蒸気蒸留法が昔から主流でした。
この方法は設備コストこそ抑えられますが、熱や水による成分の分解が避けられず、特に揮発性の高いテルペンなどの主要成分が大きく損失する問題があります。
また、溶剤抽出法は高い収率を望めますが、溶剤残留や人体や環境への悪影響の懸念から、年々OEMメーカーやサプライヤーの中でも敬遠される傾向が強まっています。
超臨界CO₂抽出の仕組み
CO₂(二酸化炭素)は、温度31.1℃、圧力7.38MPa以上で「超臨界状態」となります。
この状態では気体と液体の性質を有しており、強い溶解力を持ちます。
原料にこの超臨界CO₂を接触させることで、揮発性成分や脂溶性成分のみを、低温・無水状態で効率良く抽出することが可能になります。
しかも、抽出後は圧力を下げるだけでCO₂は気化し簡単に分離可能。
溶剤残留の心配が一切ありません。
テルペン損失2%の驚異
超臨界CO₂抽出プロセスの最大の特長は、熱による劣化や分解が起こりにくく、テルペンやセスキテルペンなどの揮発・熱変性しやすい成分をほぼ100%近い効率で回収できる点です。
近年は、大手エッセンシャルオイルOEM工場にて、テルペン損失率がわずか2%という驚異的な数値を達成するラインも増えてきました。
これは従来に比べて、約7~10倍も高い成分維持率となり、安全性と香気・効能の両立を実現しています。
製造業現場から見た超臨界CO₂抽出導入の実際
アナログからの脱却とデジタライゼーション
日本の製造工場は、実は未だ「職人技」や「長年の勘」に頼るアナログ工程が根強く残っています。
抽出温度管理や時間設定、品質評価まで、人依存で属人化されやすい状況に頭を悩ませる工場長も多いのが現実です。
超臨界CO₂抽出プロセスでは、圧力・温度・流量・抽出時間すべてをデジタルデータとして制御・記録できます。
このため、技能伝承の難しさ・品質のバラツキ・生産効率の低迷といった昭和型ものづくりの課題を根本から解決する可能性を秘めています。
トレーサビリティとSDGs対応
海外ではすでに、化粧品原料や食品向けエッセンシャルオイルで「抽出プロセスの完全トレーサビリティ」および「CO₂リサイクル率90%以上」といったサステナビリティ基準が求められはじめています。
日本のOEMメーカーでも、大手取引先から
「どのような製法で、どこまで成分管理をしているか」
「CO₂排出量や再利用率のデータ提出」
といった高い要求をされる場面が増加しています。
超臨界CO₂抽出プロセスでは、その全記録をPLCやSCADAなどの生産管理システムと連携してデータ化。
見える化・証明書発行も容易なため、SDGsやESG投資時代に適合した「新しいものづくり現場」の構築に直結しています。
サプライヤーとバイヤーが得るメリットと現場目線の課題
OEMバイヤーにとっての価値
OEMバイヤーの視点からは、超臨界CO₂抽出で生産されたエッセンシャルオイルは
・アレルゲンリスクの低減(残留溶剤ゼロ)
・高い再現性(ロット間バラツキ僅少)
・ブランド価値向上(最新技術・クリーンラベル訴求)
という大きな安心材料となります。
特に高級コスメ・医薬品向けや、ナチュラル志向ブランドでは、プロセス差別化が最終製品の付加価値とダイレクトに結びつきます。
サプライヤーの競争優位と現場課題
サプライヤーとしても、従来方式との差別化・単価向上・グローバル規制適合など多くのメリットがあります。
しかし、現場レベルで乗り越えるべき課題も少なくありません。
主な課題は以下の通りです。
・初期投資コストの高さ:中小工場では億単位の設備投資への覚悟が必要
・既存オペレーションとの並行運用:従来工程との品質・コストバランス検討
・運用・保守人材の育成:メカ・IT複合スキルが不可欠
それでもこの数年、海外大手のOEM受注増に押されて、日本の老舗サプライヤーでも設備リニューアルが進行しています。
「技術的リスクを取った先にしか、利益率アップや顧客接点の拡大はない」という認識が、現場から経営層へ広まりつつあります。
超臨界CO₂抽出プロセス導入の未来展望
デジタル化とデータ駆動ものづくりの拡大
将来のOEM製造ラインは、単なる抽出技術一つではなく「多品種・小ロット・個別設計」がスタンダードとなります。
LOTごとの抽出プロファイルデータ、原料トレース、一括成分判定など、デジタル制御とAI解析を組み合わせることで、圧倒的な生産性・効率・品質安定の新世代工場が実現します。
すでに欧州では、原料供給段階からエンドユーザーへの出荷まで、ブロックチェーンによる「生産履歴保証」へと進化。
日本でもOEMメーカーやサプライヤー発のこうした取り組みが活発化していくと考えられます。
市場価値のさらなる向上
テルペン損失2%の超高効率抽出プロセスは、
「香り成分が損なわれている間は、真にナチュラルとは言えない」という顧客意識の深化、
および個々の価値観に寄り添うパーソナライズド製品開発へ、大きな追い風になります。
OEMバイヤーにとっても、世界基準の品質を担保する新たな選択肢。
サプライヤー側も、ただ「安定供給」だけでなく「世界最先端品質」であることを堂々と武器としてアピール可能です。
まとめ:現場から考える、エッセンシャルオイルOEMの進化と挑戦
発展途上のアナログ業界であっても、エッセンシャルオイルOEMの現場は今、超臨界CO₂プロセス導入という大きな転換点に立っています。
品質管理から環境配慮、工程の自動化、デジタル化まで、「昭和のやり方」にとどまらず常に新技術を取り入れていくことが製造業の未来を拓くカギです。
バイヤーを目指す方には、この現状を深く理解し「何が差別化要因か」を見抜く目が求められます。
サプライヤーの立場でも、バイヤーが何を重視し、どのような品質情報を求めているかの理解が極めて重要です。
超臨界CO₂抽出=最新技術と考えるのではなく、自社のモノづくり価値観や、顧客の本当の意図と向き合いながら、柔軟な導入判断、現場改善につなげていくことが生き残りの条件となるでしょう。
製造業現場から新しい価値を創造し発信し続けることが、日本のものづくりの未来を切り拓くと信じています。
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