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CSV一括登録機能で新製品500SKUを半日で立ち上げた高速マスタ登録テクニック

目次
CSV一括登録機能で新製品500SKUを半日で立ち上げた高速マスタ登録テクニック
はじめに——製造業DXの遅れを取り戻せ
製造業の現場では、膨大なSKU(Stock Keeping Unit:在庫管理単位)の商品マスタ登録が日常的に発生します。
新製品の立ち上げとなれば、調達や生産管理、販売計画などあらゆる部門と連携しながら、短期間で膨大な情報を正確にシステムへ反映させなければなりません。
しかし未だに、紙台帳やエクセル転記、手作業でのシステム入力など、「昭和のやり方」から脱却できていない現場が少なくないというのが現実です。
製造業の変革を担う人材・企業にこそ、最新のデジタルツールを「使いこなす力」が求められています。
この記事では、20年以上現場で培った経験と最新トレンドを掛け合わせた「CSV一括登録機能を活用した新製品立ち上げ術」を徹底的に解説し、あなたの現場に明日すぐ役立つノウハウをお伝えします。
なぜ一括登録が必要なのか——現代製造業の課題
1SKUごとに手入力していては、競合に絶対に勝てません。
新製品500SKUともなれば、単純なデータ入力だけでも数日から1週間の工数が発生します。
しかもその間、入力ミスや漏れ、部門間の情報連携不足による手戻りが頻発し、現場は混乱。
さらには、営業・生産計画・受発注・原価計算など、マスタ登録の遅れで全体のスピードが落ちてしまうことも多いのです。
顧客の期待・マーケットスピードが年々上がる中、社内の業務スピードも劇的に引き上げる必要があります。
そのための最強の武器が「CSVデータを使ったマスタ一括登録」なのです。
CSV一括登録とは何か?——その効率化インパクト
CSV(Comma Separated Values)は、エクセルやGoogleスプレッドシートで手軽に編集できるテキスト形式のデータファイルです。
ほとんどの生産管理システム・ERP・販売管理ソフトには、CSVファイルを使ったデータ取り込み機能が標準搭載されています。
この機能を活用することで、複数のSKUや各種属性情報(品名・型番・価格・規格・工程情報など)をシステムへ一発で登録できます。
従来の1件1件のマニュアル入力に比べ、作業時間は1/10以下になることも珍しくありません。
手入力によるミス防止にもつながり、業務品質も飛躍的に向上します。
なぜ昭和のやり方が残り続けているのか?
多くの現場で、未だに地道な手入力「人海戦術」に頼り切っているのはなぜでしょうか。
主な要因は次の通りです。
・レガシーシステムのUIが複雑で、CSV取り込みの存在自体が知られていない
・前任者からの引き継ぎがアナログだったため新しい方法が浸透しない
・仮に失敗すると取り消し手順がわからない(怖いからやらない)
・CSVレイアウトが複雑で、どの情報をどう並べればよいか不明
・エクセルやCSV編集に苦手意識があるメンバーが多い
確かに現場を知ればこそ、「変えるリスク」を過大評価してしまいがちです。
しかし、このままでは人手不足・工数過多・コスト高止まりの悪循環から抜け出せません。
現場目線で考える「CSV一括登録」導入ステップ
では、CSV一括登録を現場で本当に「動かす」には、どんな手順が必要なのでしょうか。
実際に筆者が500SKUの新製品を半日でマスタ登録した際の進め方を、リアルな現場目線で紹介します。
1. CSVレイアウトの構造理解とテンプレ化
まず最初にやるべきことは、「あなたの会社の生産・販売管理システムが、どんなCSVレイアウトを求めているか」を把握することです。
たいていはシステム画面のヘルプやマニュアル、もしくはシステム管理者経由で「CSVサンプルファイル」が入手できます。
よくある登録項目には、次のようなものがあります。
・品番(SKUコード)
・品名
・分類/カテゴリ
・規格・サイズ・重量
・仕入先コード
・標準原価/仕入価格
・標準販売価格
・安全在庫数 など
このサンプルCSVをテンプレートとして使い、必要なだけ行を増やせば「500SKU分のマスタ登録データ」が用意できます。
(Excelならコピペや連番自動入力の機能を使えば、数分で500行の表が作成できます)
2. 必要データの一元管理と事前チェック
CSV入力に使うデータは、往々にして複数部門から集めることになります。
営業、設計、生産、調達、原価、品質管理など、各部門が持つ情報をエクセルで「1つのファイル」にまとめておきましょう。
ポイントは、「ダミーデータ」や「未定情報」を安易に入れず、現時点で最も正確な情報源(設計BOMや原価シートなど)を参照することです。
また、VLOOKUPやINDEX関数など、エクセルの参照機能も駆使しながらミス防止に努めましょう。
3. バイヤーの視点を生かすデータ分類
この段階で、バイヤーや調達担当の立場でもっとも関心が高いデータ(仕入先情報、MOQ、リードタイム、原材料名など)を追加しておくと、その後の発注・コスト管理の精度が上がります。
またサプライヤーの立場であれば、こうした情報を事前に整理し「顧客(バイヤー)がマスタ登録しやすい」形式でエクセルデータを納品することで重宝されます。
4. 実際のシステム登録(トライアル&本番突入)
登録作業時のポイントは、いきなり本番で「全データ一括読み込み」ではなく、まずは2〜3件のダミーデータでトライアル登録を行うことです。
これにより、エラーやレイアウト不備の有無を先に確認できます。
エラーが出た場合は、システムからエラーログやNG箇所が出力されるはずなので、必ず内容を確認します。
よくあるエラー例は次の通りです。
・半角/全角や英数字の混在
・必須項目の入力漏れ
・品番のダブり・連番エラー
・桁数や型指定ミス(文字列のはずが数値)
・既存データとの重複/整合性エラー
これらを一度でクリアすれば、以降は500SKUでも一発でマスタ登録が可能となります。
5. 登録後のチェック—“検証フロー”を組み込む
実運用で怖いのは「登録したつもりが反映されていない」パターンです。
登録直後に、画面表示やレポート出力機能、現場での試行ピッキング・発注テストなどで「全SKUが正常登録されているか」「引当や原価計算が正しく処理されるか」まで必ずチェックします。
この際、エクセルで自分が登録したSKUリストと、システム側のデータを付き合わせ(VLOOKUPやCOUNTIF活用)差分がないかダブルチェックしましょう。
6. 所要時間:500SKUを本当に「半日」で終わらせるコツ
実際の現場で、500SKUを「半日」(4時間強)でマスタ登録した際の流れをご紹介します。
1. 営業・開発・設計など全関係部門から情報収集:30分
2. テンプレCSVへ情報一発コピペ&整理:60分
3. エラー発生箇所の確認&修正(ダミーでの試験登録を含む):40分
4. 本番登録一括インポート:10分
5. 全登録データの照合チェック:30分
6. 必要に応じて手直し・再登録:30分
慣れれば、合計3時間ほどで完結することも可能です。
現場で「人海戦術で5日間」「担当者3名が交代で手作業」という状態に比べれば、生産性・品質ともに圧倒的です。
最新トレンド:CSV一括登録をさらに進化させるツール群
最近では、CSV一括登録を前提としたITツール・SaaSサービスも増加しています。
・自動データマッピングAI(CSVとDB項目の自動紐付け)
・バーコード生成/QR連携機能
・クラウドBOM管理ツール(CSVダウンロード/アップロードを自動化)
・RPAによるデータチェック自動処理
・複数工場・サプライヤー間のデータ一元管理機能
昭和の現場で悩んできた「手続き至上主義」から、今後ますます「体験重視・データ駆動型」への変革が進んでいくでしょう。
バイヤーにも、サプライヤーにも「データをどう見せるか・並べるか」のノウハウが強みとなっています。
結論——「やり方を知り、1度やってみる」
CSV一括登録機能は、決して難しいものではありません。
「今までのやり方」で長年業務を回してきた方にも、ぜひ「1度使ってみる」ことから始めてほしいのです。
誰よりも「面倒なマスタ登録が一気に終わる快感」を体験し、現場のDXに拍車をかけてください。
あなたの現場の生産性は、必ず大きく変わります。
必要なのは、ちょっとした勇気と一歩踏み出す意欲だけです。
脱・昭和の現場、CSV一括登録で加速する製造業の進化を、今日からあなたの手で――。
現場の皆さまのチャレンジを、心から応援します。
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