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オリジナルペット消耗品OEMでリピーターを獲得する方法

目次
はじめに――地に足の着いた製造現場視点から考えるペット消耗品OEMの可能性
ペット消耗品市場は、近年急速な成長を遂げています。
その成長の背景には、ペットを「家族の一員」として捉える意識の高まりや、多様化する飼い主ニーズへの対応、生体愛護の観点からの商品安全への配慮など、いくつもの要因があります。
消耗品という特性から「一度のお取引で終わらない」「安定的なリピート需要」が発生しやすいのが魅力です。
しかし、 OEM(Original Equipment Manufacturer=製造委託)事業に参入するだけではリピーター獲得につながりにくいのもまた現実です。
昭和から続くアナログな手法が根強く残る製造業の現場で、いかにリピーターを取り込み、サステナブルなビジネスモデルを構築するか。
今回は20年以上現場で培った知見をもとに、バイヤーやサプライヤーの本音も交えて、実践的なオリジナルペット消耗品OEM成功のポイントを深掘りします。
なぜペット消耗品OEMがリピーター獲得に最適なのか
消耗品ビジネスならではの「繰り返しニーズ」とは
ペット消耗品と一口に言っても、トイレ砂、シーツ、フードパック、ウェットティッシュ、袋類、爪とぎ等、非常に多岐に渡ります。
しかし共通点は「一度使えば無くなり、また購入する」点です。
買い切り型プロダクトと違い、継続購入のチャンスが多く、満足体験を提供できれば購入サイクルごとのリピートが見込めます。
OEMで企画開発時から「リピートされやすい条件(品質/価格/使いやすさ)」を織り込み、顧客との関係性を構築していくことが肝です。
独自性のあるOEMで安心・安全・差別化をアピール可能
国産メーカーのペット消耗品は「安全性」「品質管理の堅牢さ(異物混入・トレーサビリティ)」を強みにできます。
また、OEMならではのオリジナル設計やパッケージ、添加物や香料のチョイスといった“ちょっとしたこだわり”を反映しやすく、差別化を図りやすいのです。
特に飼い主層は“うちの子”にこだわる傾向が強く、従来の商品よりも「自分のペットに合った」「自分の飼育スタイルに適した」消耗品を求めています。
この需要に現場レベルから応えることで、唯一無二のリピーター層を獲得しやすくなります。
リピーター獲得のために必要なOEM戦略
差別化ポイントを明確に――現場×バイヤー目線から
リピーターを育てるために、まず外せないのが「どこが違うのか」「なぜ選ばれるのか」という“差別化”です。
製造現場でありがちなのは、「従来通りの材料で、従来の工程で、似たような商品をOEM」してしまうケースです。
しかしバイヤーが求めているのは、「自社オリジナル」と明確にアピールできる要素なのです。
例えば――
・消臭効果の高い素材を用いた猫トイレ砂OEM
・成分表示を極限まで透明化し、SNS時代の“安全自慢”ができるペットシーツ
・環境配慮型。再生素材やバイオマス資源を活用した消耗品
など、現代の消費者の琴線に触れる要素の発信が差別化になります。
加えて、現場目線で「なぜこの素材を使うのか」「なぜこの工程で生産管理できるのか」といった理由を数値や実績で示し、バイヤーの信頼を勝ち取りましょう。
アフターフォローまでを設計。リピートへの小さな気配りが大差を生む
OEM取引は納品したら終わりというイメージが未だ強いですが、リピート消耗品ビジネスではアフターフォローが重要です。
たとえば
・納入後の「現場の使い勝手アンケート」の実施
・ミスや苦情発生時の迅速なレスポンス体制
・バイヤーへの“使い切りタイミング”でのリマインド営業
こういった一手間が顧客ロイヤルティを高め、売切りではなく“続く取引”につながります。
“この価格でここまでやる?”“次も頼みたい”と思ってもらえるような細やかな現場対応は、昔も今も変わらぬ信頼構築の王道です。
品質保証とコスト最適化は両輪。昭和的現場力のアップデートを
価格競争に巻き込まれやすい消耗品業界ですが、安さ一辺倒ではリピートにつながりません。
工場側ができる努力は徹底した「製造標準の見直し」と「コスト削減の知恵絞り」です。
例えば
・原材料の歩留まり改善やロス削減
・生産工程の自動化・見える化による人的ミス減
・不適合発生時のリアルタイムトレーサビリティ、即応体制
こういった地味だけれど堅実な改善活動が品質安定とコスト圧縮の両立をもたらし、その結果として他社との差別化、バイヤーからのリピート依頼につながります。
昭和の管理手法の良い部分は活かしつつも、IT化や自動化など新しい現場力の導入を積極的に行いましょう。
現場からのヒント。バイヤー・サプライヤーの“本音”を知ろう
バイヤーが本当に求めていること――“怒られない&自慢できる仕入れ”
多くのバイヤーは、
「トラブルが発生しない、安心して任せられる」「自社内で“いい商品見つけたね”と評価されたい」
という二つを同時に求めています。
OEM提供側は、商談の際に
「なぜトラブルが起きないのか」
「他には無いどんな“語れるエピソード”がある製品なのか」
をしっかり用意してアピールしましょう。
バイヤーにもブランド責任があり、社内外への説明責任があります。
QCD(品質・コスト・納期)に“付加価値”として、ストーリー性や現場のこだわりを加えるのがコツです。
サプライヤー視点でもメリット大。OEMは“ノウハウの蓄積”がまさに資産
OEM化によってクライアント独自の要望に現場で応えていく経験は、そのまま自社の技術蓄積につながります。
実際に現場では
・型変更や小ロット対応のノウハウ
・工程短縮や設変リスクの先手管理
・ペット業界独自の法規や表示ルールへの感度
こういった一つひとつの経験が次の商品・次の顧客獲得への地力となっていきます。
「挑戦したOEM経験が現場の成長を加速させる」発想で、受け身ではなく“攻めのOEM受託”をおすすめします。
リピーター獲得事例から紐解く、成功するOEMプロセスの極意
ケーススタディ:ある国産ペット消耗品メーカーの取り組み
A社は、自社ブランドと並行して日用品バイヤー向けにオリジナルペットシーツのOEM製造を行っています。
ポイントは以下の3つです。
1.原材料選定から差別化
一般的なパルプ紙の代わりにリサイクル繊維を配合し、吸水力と消臭力を向上。
「環境負荷低減」×「機能向上」で二重のメリット提示。
2.納品後の徹底フォロー
初回納品分の顧客アンケート実施。使用現場のリアルな声を即フィードバックし、次回ロットに反映。
小ロットから即納対応する柔軟な生産体制で、突発的な需要変動にも即応。
3.バイヤーの“社内評価”を意識した提案型営業
「自慢できるストーリー」を作るため、開発者インタビュー記事や製造現場の見学動画を提供。
バイヤーの社内説明資料づくりまでサポート。
結果――A社のOEM製品は切れ目なく追加受注を継続。高評価の口コミも拡散し、大手チェーンへの横展開にも成功しています。
デジタル活用とアナログ精神の両立。令和型OEM現場の進むべき道
ITと昭和的現場力を融合せよ
「IT化やデータ管理が大事なのは分かるけど、現場の職人魂が一番大事」――このような声が今なお現場には多いのが実態です。
しかし、真の効率化や品質安定には「データによる現場見える化」「作業者のカンではなくナレッジでの意思決定」が不可欠です。
たとえば――
・生産工程のIoT監視で不良発生点を一目で特定
・サプライチェーン管理システムによる在庫・納期調整
・トラブル・クレームの早期検知と横展開による未然防止
こうした“令和レベルの現場力”と、従来からのアナログな気配り・フットワーク・現場観察力をバランスよく取り入れた職場が、OEMビジネスを未来へ拡げていけるでしょう。
まとめ――ペット消耗品OEMで、つながりの時代を戦い抜く
ペット消耗品のOEM事業は、「市場成長」「安定需要」「顧客囲い込み」といった多くの魅力を秘めています。
しかし、ただOEMを始めただけでは“使い捨て”の関係に終わりがちです。
本当にリピーターを増やし、事業をサステナブルに成長させるためには――
・オリジナリティある競争力の設計
・現場レベルでの一歩踏み込んだ品質&コスト管理
・バイヤー・ユーザーを意識した徹底したアフターフォロー
・デジタルとアナログの融合による効率と信頼の両立
という総合力が求められます。
アナログに根付く現場力と、日々進化する業界トレンドを柔軟に取り入れ、「選ばれるOEMメーカー」「また頼みたいと言われるOEMサプライヤー」を目指しましょう。
ペット消耗品OEMビジネスが、あなたの現場と顧客とを“何度もつなげる”新たな地平線となることを深く期待しています。
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