投稿日:2025年12月12日

段積み禁止の商品に限ってスペースを圧迫するあるある

段積み禁止の商品に限ってスペースを圧迫するあるある

製造業の現場で頻発する“段積みNG”問題の現実

製造業の工場や倉庫で働いていると、日々さまざまな商品や部品が入荷したり出荷されたりしています。
効率のよいスペース活用は皆が頭を悩ませるテーマですが、なかでも現場で強く感じるのが「段積み禁止の商品に限って、なぜか場所を占領してしまう」という現象です。

これはただの“あるある”ネタではありません。
長年現場で仕事をしてきた私にとっても、この問題は日々の業務効率や職場環境、人間関係すら左右する重要なテーマです。
本記事では、段積み禁止商品のスペース圧迫問題を深く掘り下げ、現場目線で「なぜ起きるのか」「どうすべきなのか」を実例や業界動向を交えながら、ラテラルシンキングで考えていきます。

なぜ「段積み禁止」なのか?制約の背景を考える

まず、「段積み禁止」と指定される商品にはどんなものがあるのでしょうか。
主に以下のような特徴を持つ商品です。

・精密機器や電子部品
・破損や変形しやすいプラスチック容器
・パッケージに傷や凹みがついては困る高級商品
・品質に影響が出る柔らかいゴム材、パッキン類
・液漏れリスクがある化学品やリチウムイオン電池

この「段積み禁止」はサプライヤーや顧客からの要求だけでなく、自社製品の場合も品質保証の観点で現場独自にルール化されることが多いです。

段積みすると、“おもいっきり派手に壊れる”とは限りません。
目に見えないストレスや微細な傷、容器変形、見えない圧力跡――小さなダメージの蓄積がクレームや事故に直結するケースもあるため、現場は意識的に「段積みNG」を守らなければなりません。

段積み禁止なのに…現場の本音とスペース圧迫の“ジレンマ”

物流や保管現場を長年経験していると、往々にして「厄介なのは段積み禁止の商品に限って体積が大きくて邪魔」だという事実に突き当たります。

・長尺物のアルミ素材
・大型梱包の家電部品
・必要以上にスペースを取る空箱や緩衝材

「あとひとつ上に積めれば、2分の1のスペースで済むのに…」という内心の叫びは、現場スタッフあるあるではないでしょうか。

ですが、ルール違反をして事故や不具合を出してしまえば、一番割を食うのは現場自身です。
どんなにスペースが足りなくても、段積み禁止ルールは守らなければならない、という“鉄の掟”がある。
このジレンマが組織の壁や本音と建て前、人間関係にまで余計な緊張感をもたらしてしまうのです。

なぜスペースが圧迫されやすいのか?業界ならではの原因分析

この「圧迫問題」には、日本の製造業独特のアナログ文化や業界慣習も根深く関係しています。

1. パレットサイズと汎用ラックの非対応
多くの倉庫や荷受け場は、標準パレット(通常1,100mm四方)にマッチしたスペース割りを基本としています。
しかし、段積み禁止商品は“形がいびつ”で“ふくらみが大きい”ことも多く、定型ラックや棚の寸法に収まりません。
無理やり詰めれば荷姿が破損し、「空間だけムダ」「使えないデッドスペース」が量産されてしまいます。

2. 旧態依然の“先入れ先出し”重視の動線設計
工場や倉庫では、いまも昭和時代のまま“先入れ先出し”管理が厳格な現場が多いです。
段積み禁止品は棚最前列にしか置けず、奥行きや高さを有効活用しにくい。
現場では、動線や配置変更の柔軟さが極端に失われがちです。

3. サプライヤーの梱包改善への消極性
段積み禁止商品になるケースでは、「そもそも運送時の梱包形態に問題あり」「緩衝材が異常に大きくて無駄に体積を増やしている」と感じることもしばしば。
ですが、サプライヤーの都合もあって梱包仕様がなかなか変わらない。
取引維持や“仕事を円滑に回すために”現場が自ら負担してしまう実情があります。

根本解決へ、現場だからできる逆転発想

段積み禁止の商品に限ってスペースを奪われる――この「矛盾への気づき」こそ、現場リーダーや購買バイヤーに求められているラテラルシンキングの出発点です。

現場で経験を積んだ私が実際に取り入れ、有効だった解決アプローチをいくつかご提案します。

1. 梱包・パッケージ仕様の共同改善活動

サプライヤー(供給先)と定期的に“梱包改善ミーティング”を設けることで
「輸送の途中で本当に段積み禁止の必要があるのか?」
「現場で保管する時だけ特別な割り付けができる梱包形態はないか?」
と双方の立場で本音の意見を出し合うことができます。

特に、リードタイムの短縮や物流コスト削減を目指す流れ=モノの滞留期間そのものを減らす発想にシフトすることも意識したいものです。
FMEA手法(故障モード影響分析)で
「段積みした時にどんな問題が生じるのか、リスクを具体的に“見える化”する」
ことでサプライヤーの協力を得やすくなります。

2. “段積み禁止ゾーン”の棚設計と空間の再定義

従来通りの汎用ラックや棚ではなく、
段積み禁止商品専用の“高さ制限付きの仮置きスペース”や“移動棚”を設置することで空間利用効率を上げることができます。
特に自動倉庫やAGV(自動搬送ロボット)の導入が進む大手メーカーでは、段積み禁止品むけの特化レーン・ゾーン設計を進めている現場も増えています。

アナログな現場こそ、“固定観念化”された配置・動線を取り払って
「使用頻度や在庫回転率をデータ化し、適材適所で置き場を再定義する」
ラテラルな発想が必要不可欠になるのです。

3. 在庫水準・入庫数の最適化、ジャストインタイム化

段積み禁止の商品=壊れやすい・高級品・特殊品であることが多いなら、まず「本当に現場が必要とする量だけを効率的に入荷する」ロジスティクス戦略に転換できないか考えます。
サプライヤーやバイヤーと連携し、小ロット・高頻度配送への移行、入庫タイミングやバッファ在庫水準そのものの見直しもひとつの大きな打ち手です。

ただし、その裏側では「調達・購買担当者の“出し渋り心理”」や「在庫切れクレームが怖い現場責任者の本音」など、組織内の心理戦もあり、繊細なコミュニケーションが求められる分野でもあります。

段積み禁止商品のスペース問題を起点に未来を変えるために

段積み禁止品のスペース圧迫は、単なる“仕方のない現場事情”で片づけてはいけません。
そこにこそ、工場の改善余地と未来志向の現場改革のヒントがあるのです。

・「なんでこんなに無駄なんだろう?」という現場の声は、変革の原点です。
・購買バイヤー・調達担当者も、現場のスペース制約や作業負荷を正しく捉えることで、サプライヤーとの関係性を進化させられます。
・逆にサプライヤー側の方も、“スペース効率視点の付加価値”をアピールすれば、新しい取引条件につながるケースも増えています。

昭和の「場所さえあればなんとかなる」から、「置き場から工程の限界・最適化を突き詰める」時代へ。
段積み禁止品が“圧迫”しているのは、スペースだけではありません。
現場の発想や働き方の未来をも“圧迫”しているのです。

今こそ一歩踏み込んだ「なぜ?」を共に考え、
ラテラルな発想で従来の常識を乗り越える一歩を始めましょう。
製造業で働くあなたの現場改善、その原動力になることを私は心から願っています。

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