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投稿日:2025年12月26日

切断屑の処理が想像以上に重要な理由

切断屑の処理が想像以上に重要な理由

はじめに

製造業の現場では、日々多くの原材料が加工され、製品へと生まれ変わっていきます。
その過程で必ず発生するのが「切断屑」。
アルミや鋼板、プラスチック、ゴムなど、素材を問わずあらゆる工場で発生する切断屑は、単なる“ごみ”として軽視されがちです。
しかし実はこの切断屑の処理は、製造コストや品質管理、さらには工場全体の生産性までも左右する、想像以上に重要な鍵を握っています。

私が長年、調達・生産管理・品質管理という現場の最前線で培った視点から、なぜ切断屑の処理がここまで重要なのでしょうか。
また2020年代に入り、DXやSDGs、労働人口減少など環境変化が大きい今、なぜ改めて「切断屑処理」に注目すべきなのか。
従来のアナログ的発想を超えて、ラテラルシンキング的な切り口も取り入れながら、分かりやすく解説していきます。

製造現場における切断屑の本質と現状

切断屑は単なる廃棄物ではない

かつての昭和的な製造現場では、切断屑は単なる“産業廃棄物”と片付けられることが多々ありました。
「出るのは当たり前」「処理コストは最低限抑えるもの」といった考え方が根強く残っています。
実際、多くの企業では発生した切断屑をそのままコンテナに溜めて、決められた業者に処分を一任するだけというケースも珍しくありません。

しかし本来、切断屑には“素材としての価値”も“工場内の効率”も多面的に関係しています。
例えば、
・切断屑の量や発生箇所の分析は「歩留まり」の管理指標につながる
・適切な分別や保管がリサイクルによる収益化、環境配慮へ結びつく
・切断屑の蓄積状況は5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)活動と直結し、安全衛生や作業効率向上を左右する
つまり切断屑処理は「廃棄物管理」だけでなく、「品質」「コスト」「生産性」「安全」の全方位で重要な意味を持ちます。

昭和型アナログ現場に根強い問題意識の欠如

多くの中小工場や、老舗の製造現場では、「昔からこんなものだから」という固定観念が根付いています。
このため改善活動の優先順位がどうしても製品品質や納期管理などに集中し、切断屑のような副次的な問題は後回しにされがちです。
しかし、時代は変わりました。
コスト競争の激化、SDGsへの対応、コンプライアンス意識、労働力不足。
さまざまな要素が複雑に絡みあうなかで、「ちりも積もれば山となる」、切断屑処理の最適化が経営資源の有効活用に直結する時代が本格的に到来しています。

切断屑処理が重要になる理由

1. 歩留まり向上と原価低減

製造業において「歩留まり」とは、投入した原材料量に対して、どれだけ最終製品として有効活用できたかを示す指標です。
切断屑は、まさに“歩留まりロス”そのものと言えます。
歩留まり率が90%と95%では、その差が年間数百万円〜数千万円のロスになり得ます。

切断屑が多く出ている=加工工程や材料手配、設備設定に見直しの余地がある、というサインにもなります。
例えばレーザー切断機のネスティング(最適配置)設定、材料取り回しの工夫、小型化部品の設計変更の余地、サプライヤーとの素材規格見直しなど、「屑の発生源」にフォーカスした改善の契機となります。
その意味で、切断屑は「現場の無駄」をあぶり出す“優秀なセンサー”でもあるのです。

2. 品質・生産性・安全性の向上

切断屑が現場に長く放置されていたり、床に散乱したりしている状況は、典型的な5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)不良です。
普段から切断屑の発生〜回収〜廃棄までをスムーズに流す仕組みがあるか否かが、
・作業ミスや工具への干渉の減少
・作業動線の短縮による生産性向上
・切り屑によるケガや事故、製品混入等のリスク低減
・品質クレームや納期遅延回避
といった面で決定的な差となって現れます。

5Sは「面倒」「時間がない」「人が足りない」とおざなりにされやすいですが、切断屑処理の最適化こそ、安全・品質・生産速度を左右する根幹施策です。

3. SDGs・環境配慮・収益化

切断屑、特に金属やプラスチックは、そのまま廃棄せずリサイクル資源として活用すれば「新たな収益源」ともなります。
実際、アルミや銅、特殊金属などは“市況”次第でキロ単価が大きく変動し、数トン単位で取引されることもあります。

SDGs12番「つくる責任つかう責任」の具体的な取り組みとして、
・素材ごとの分別回収
・帳簿・トレーサビリティ管理
・合法的なリサイクルチェーンの構築
・再生材利用率の開示・PR
などが、メーカーのブランドイメージにも直結してきます。

一方「産廃として一括廃棄」は、法令違反や行政指導、最悪の場合は刑事罰のリスクも潜みます。
近年はサプライヤーチェーン全体で“環境監査”を求められるケースが増加しており、「切断屑のトレーサビリティ」は無視できないテーマです。

4. 人材不足・多様化時代の省力化・効率化

切断屑回収は単純作業に見えて、非常に人的リソースを消費します。
今後、少子高齢化による人手不足がますます深刻化する中で、
「屑の発生源に合わせて自動搬送・自動集塵装置を導入する」「AIカメラで屑の量・種類を自動カウントし管理台帳へ直結する」「IoTセンサーで屑発生量アラートを飛ばす」といったIoT、デジタル自動化との親和性が高い領域となっています。

これは単なる“人手の代替”ではありません。
余計な雑務を減らすことで、現場作業者が本来やるべきものづくりや改善活動に集中できる“攻めの省人化”を実現します。

現場視点で考える切断屑処理のラテラルシンキング

切断屑=「情報の宝庫」として捉える

従来の「ごみ」という発想から一歩進めてみましょう。
切断屑が「発生したタイミング」「発生した箇所」「量」「種類」「材質」「寸法」などを可視化・データ化することで、
・工程ごとの歩留まりの変動をリアルタイムで捉え、異常の予兆をキャッチできる
・原材料ロスの傾向から、調達・設計・受発注の最適化データとして活用できる
・サプライヤー別の素材不良や規格外要因を突き止め、品質向上交渉の材料にできる
といった、“現場の生きた情報”として活かす発想です。

もちろん、これにはデジタル技術やセンサー、AI活用が重要ですが、中小やアナログ業界でも「手作業による日報集計・屑分析」からスタートできます。

切断屑最小化は「サプライヤー選定力」の強化に直結

バイヤーや調達担当の視点では、「いかに素材ロスを発生させず、最適な規格・サイズで仕入れるか」が重要課題です。
サプライヤーと材料ロス(切断屑)削減のために共同分析や、特注サイズの指示、規格品のカットサービス利用、歩留まり向上のための協働設計提案ができれば、「付加価値提案型の調達」として、価格競争に巻き込まれない強い取引関係を築くことができます。

また、サプライヤー側に立っても「顧客現場でどれだけ屑が出て困っているか」を深く理解し、現場トライやサンプル供給、アドバイスをセットで提供できるメーカーは、他社との差別化にも直結します。

まとめ:切断屑の処理1つで「未来の工場」は変わる

切断屑は、単なる“ごみ”ではありません。
コスト、品質、安全、環境、人材活用、DXまで、製造業の根幹と未来を大きく左右する「情報」と「価値」の宝庫です。

製造業やバイヤーを目指す方、サプライヤーとして現場志向のビジネスを追求したい方は、
「切断屑の処理」をぜひ見直しの入口として捉えてみてください。
アナログの殻を破り、ラテラルシンキングで“付加価値工場”を築くために。
製造現場発の新しい価値創造を共に目指していきましょう。

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