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造粒機用シャフト部材の同芯度管理と異音問題

目次
はじめに―製造業の現場で発生する同芯度と異音課題
製造業、とりわけ化学、食品、医薬、セラミック業界で広く使われている造粒機は、生産性向上と品質安定の要です。
その心臓部ともいえるシャフト部材は、製造ラインの稼働率や最終製品の質に直結する極めて重要な部品です。
実はこのシャフト部材、現場でよく問題となるのが「同芯度の不安定さ」と「異音」の2点です。
同芯度に狂いが生じると、様々なトラブルの原因となり、生産ストップや品質不良という最悪の結果にもつながりかねません。
また、異音の発生は現場作業者のストレスとなるだけでなく、機械の早期劣化や重大な故障の予兆であることもしばしばです。
本記事では、昭和的なアナログ管理が現存する現場のリアルも踏まえつつ、造粒機用シャフト部材の同芯度管理と異音問題について、バイヤーやサプライヤーが現場目線で押さえておくべきノウハウと改善策を解説します。
造粒機用シャフトの役割とよくあるトラブル
シャフトの持つ役割
造粒機のシャフト部材は、駆動力を確実に伝えるために高い剛性・耐摩耗性が要求されます。
ミキサータイプやドラムタイプなど造粒方式は様々ですが、シャフトの同芯度が確保されていなければ、正確な撹拌や回転運動ができず、原材料の分散・混練にムラが生じます。
また、ベアリング、シール部、カップリング等との精密な嵌合も求められ、わずかなズレが重大な問題となる構造です。
現場でよくある主な不具合
– 同芯度ずれによる振動、異音の発生
– ベアリング早期摩耗や油漏れ
– 撹拌部材の摩耗・破損
– 製品の粒度不良や粉砕効率の低下
– 生産ラインの突発停止など
昭和的な現場では「多少ズレても大丈夫」「音が鳴るのは仕方ない」と甘く見がちな傾向もありますが、そのまま運用を続けると想像以上の損失が発生します。
同芯度不良・異音が発生する要因と業界特有の背景
1. 加工精度のばらつき
多くのサプライヤーでは、コスト削減の観点から汎用機での加工を選択する場合が多いです。
下請け工場の設備更新や人材育成の遅れも影響し、図面指示寸法通りの精度保証が難しいケースも珍しくありません。
2. 組み付け工程のノウハウ不足
現場作業員がシャフトとベアリングの手組みを行う場合、正しい嵌合方法が十分に伝承されていないケースが目立ちます。
昭和時代からの「熟練工頼み」の文化が続き、作業標準が未整備、勘や経験値に依存している職場も散見されます。
3. 設備老朽化と点検不徹底
設備自体が年代物で芯ズレ補正機構が無い、またはメンテナンス予算削減で軸受部の調整や交換時期が遅れることも、同芯度悪化や異音発生の背景になっています。
「まだ動くから使い続ける」というアナログ現場あるあるにも要注意です。
4. サプライチェーン側の認識ギャップ
バイヤー・調達担当がコスト優先で仕様協議を十分に行わず、重要寸法の公差、表面粗さ、熱処理条件などを軽視する傾向も後を絶ちません。
単なる「金属の棒」として安価調達されたシャフトが、その後の不具合連鎖を引き起こしていることを、買い手・供給側の双方が認識する必要があります。
精密な同芯度管理を実現するための実践的なポイント
1. 設計段階での公差設定の吟味
重要なのは、図面段階で“何ミクロンまでのズレなら許容できるか”、“実際の組み立て環境で問題なく稼働するのはどのレベルか”を設計・品質保証部門で明確に合意しておくことです。
特に、ISOやJISの汎用公差ではなく「現場の使い方」に適した独自公差規定を設ける企業も増えています。
現場目線で妥当なスペックを詰めることが、ムリ・ムダのない調達活動につながります。
2. 加工手配先の工場力を可視化する
同芯度±●mm、直線度、表面粗さRa●μm、熱処理硬度HRC● など、重要寸法や品質項目について、サプライヤー先の加工設備の現状と納入実績データを開示してもらい、事前に見極めます。
古くからの「知り合いの工場だから任せている」「価格だけで発注」といった調達手法から脱却し、モノづくり力を数値と実物サンプルで評価することが必須です。
3. 組み付け要素と現場ノウハウの標準化
「組み込み時のケガキ作業」「プーラー・ハンマー類の選定」「締め付けトルク管理」など、個別の現場作業も標準化が重要です。
熟練工しかできない暗黙知は、作業標準書・動画マニュアル等で形式知として職場に定着させ、誰でも再現できるようにします。
また、組み立て工程での「芯出し治具」活用も定着させたいノウハウの一つです。
4. IoT・AIを活用した予知保全と振動・異音検知
従来は「音・振動の違和感」を現場作業者が五感で察知していましたが、近年は振動センサーによる常時監視、異音解析AIによるトラブル早期発見の導入も拡がりつつあります。
導入コストや運用体制に課題はありますが、「人手不足」「経験者の高齢化」が進む中、アナログ現場にも新技術を段階的に取り入れることが重要です。
異音が発生したときの迅速な原因特定と対処フロー
現場で異音がしたらどうする?
1. 音の種類の特定(ゴロゴロ音、カタカタ音、キーキー音など、どのタイミングでどんな音かを記録)
2. 回転数や負荷が変わると音が変化するか確認
3. 振動計、温度計などを使い、異常箇所の特定に努める
4. シャフト、ベアリング、カップリング等の目視・触診での異常傾向チェック
5. 必要に応じて一時停止・分解点検、消耗部品の交換やアライメント調整を実施
音の記録や写真データを取ってサプライヤーと即座に情報共有することで、的確なフォローにつなげます。
異音を見過ごさない現場文化づくり
「うるさいけど仕方ない」「明日でいいや」と放置せず、「異音は故障やトラブルの赤信号」と全員が意識できる現場風土づくりが不可欠です。
日報・点検表への異音項目の明記や、週次の異音事例共有ミーティングなど、小さな積み重ねが重大事故防止の礎となります。
バイヤー × サプライヤー=現場の付加価値を最大化する連携術
調達側が意識すべきこと
– 単なる価格交渉だけでなく、「使い勝手」「現場の加工・メンテナンス実態」まで説明し、真に必要な品質・納期・コストを最適化する
– サプライヤーに「どこまでできるか、どこが弱点か」を率直にヒアリングし、Win-Winの品質保証体制を構築する
– 定期的な現場立ち合いやレビュー会を設け、机上の図面打ち合わせだけに頼らない関係性を築く
サプライヤーが意識すべきこと
– 図面だけでなく「実際の使用環境・困りごと」に目線を合わせる
– 設備・加工技術の強み・限界を正直に伝え、自社“ならでは”の改善提案やサンプル提出を惜しまない
– 納入後のフォロー体制・クイック対応力で現場との信頼構築をめざす
これらは、単なる「部品サプライヤー」としての枠を超え、「現場の攻守一体パートナー」として活躍するための必須ノウハウです。
まとめ―製造業の基礎力は地道な現場改善の積み重ね
造粒機用シャフト部材は、一見地味なパーツに見えるものの、同芯度管理と異音トラブルへの対応を徹底することで、全体設備の安定稼働や品質・利益向上に直結します。
昭和のアナログ文化が根付いたままの現場にも、今こそ知恵とテクノロジーを段階的に取り入れ、「いつか、どこかで…」起こる大きなロスや事故を未然に防ぐ文化を作り上げることが肝要です。
バイヤー、サプライヤー、現場のすべての関係者が「妥協しないものづくり」のプライドを共有し、対話と現物による地道な改善活動を続けることが、日本の製造業の未来を切り拓く力になります。
この地道な積み重ねこそが、「今どきの製造業バリューチェーン」の真の競争力となることを、ぜひ心に刻んでください。
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