調達購買アウトソーシング バナー

投稿日:2026年1月6日

営業と購買の切り替えで頭が休まらない毎日

はじめに:変わり続ける製造業の現場で

製造業のビジネス環境は、時代とともに大きく変化しています。
とりわけ、営業と購買という「攻め」と「守り」を兼ね備えたポジションは、日々めまぐるしく業務が切り替わります。
営業でお客様の要求に応えつつ、購買ではコストダウンやサプライヤーの選定といった内部最適も追求する。
一見すると両立が難しく、まるで休まる暇もないと感じる方も多いでしょう。

本記事では、製造業で20年以上の現場経験を持つ筆者の視点から、営業と購買の切り替えに悩む方々に向けて、実践的かつ現場目線でポイントを深掘りします。
また、昭和から抜け出せていないといわれるアナログ業界で今も根強く残る“現場のリアル”や、今後バイヤーを目指す方、サプライヤーの方々がバイヤー目線を学べるヒントも盛り込んで解説します。

なぜ営業と購買は相反するのか?

求められる価値観・ゴールが違う

営業と購買、両者の大きな違いは目指しているゴールです。
営業は「売上・シェア拡大」が命題であり、顧客のニーズを最大限に満たす提案やサービスを優先します。
一方で購買は「コスト削減・調達リスクの低減」が至上命題であり、必要以上のスペックや短納期、過剰なサービスには冷静にストップをかけます。

この“価値観のギャップ”が、両者のマインドセットや判断軸に大きな違いを生むのです。
営業から購買へ、またはその逆の切り替えは、まるで真逆の人格が求められるともいえます。

VUCA時代の製造業が突きつける現実

高度経済成長期やバブル期の製造業は、「作れば売れる」「多少コストがかかっても納期最優先」など、モノと売り手有利の時代でした。
しかし現在は“VUCA(不安定・不確実・複雑・曖昧)”時代。
営業はかつてのような楽観論だけでは通用せず、購買にも安定調達や品質確保だけでなくBCP(事業継続計画)視点が強く求められています。

このような外部環境では、営業と購買どちらの立場でも「頭の切り替え」が一層重要となります。

購買部門の裏側:現場で鍛えられる“バイヤーの眼”

コスト以外も見抜く目利き力

バイヤー(購買担当)は「なるべく安く買う人」と誤解されることも多いですが、実際には“安物買いの銭失い”を極端に嫌います。
例えば、価格が極端に安いサプライヤーには、
・納期遅延リスク
・不良率の高さ
・隠れた追加費用の存在
など、長期的なトラブル要素を察知して、むしろ避ける「勘どころ」が磨かれるのです。

また、生産現場の工程や品質・物流の実態までもきちんと調査し、調和ある調達先選びが求められます。
現場を何度も歩き、熟練作業者に話を聞く。
この“アナログ”な目利きも、デジタル時代に決して色褪せません。

価格交渉に隠された心理戦

購買とサプライヤー担当者との交渉は、時に高度な心理戦です。
「他社も検討している」とチラつかせたり、逆に「御社にしか頼めない」と情に訴えることも珍しくありません。
この腹の探り合いは、昭和の時代から現場に根付く文化です。

また、サプライヤー側としてはバイヤーの思考パターンや傾向をどう読み取るかがカギとなります。
ここで有効なのが「何を譲れない価値にしているか」を見極めることです。
たとえば、コスト重視なのか、品質・納期なのかでアプローチの仕方が大きく変わります。

営業から見た「購買視点」取り入れのすすめ

お客様の課題の本質を探る

営業と言えば、「とにかく売り込む」イメージが強いかもしれません。
しかし、製造業のBtoB営業では、お客様の購買部門が望む“本質”を理解しないと長期的な信頼は築けません。

たとえば「価格を下げてほしい」と要請された際、その舞台裏に、
・原価低減の達成目標
・他社採用プレッシャー
・社内複数部署の要望調整
といったリアルな背景があります。
こうした深層ニーズを探ることで、購買側の本気度や「ここまでなら譲れるライン」も浮かび上がってきます。

“営業の強み”を活かして購買に生かす

逆に営業経験がある方が購買に回ると「顔の見える交渉」「現場情報の収集力」など、開拓者的発想がとても役立ちます。
また、社内で「現場はこう思っている」という声を吸い上げ、購買方針のブラッシュアップにもつなげられます。

つまり、営業vs購買ではなく、相互の“いいとこ取り”を意識することで、仕事の幅や奥深さが格段に広がるのです。

バイヤーを目指す方へ:身に付けたいスキルと思考

数字と現場の両立が付加価値に

バイヤーとして第一に意識されるのは「価格」「納期」「品質」のいわゆるQCD(Quality、Cost、Delivery)です。
しかし、より重要なのはQCDだけでなく、
・現場の生産安定化への配慮
・在庫最適化、過剰在庫リスクの低減
・新技術や新工法の積極的な採用
など、マクロ視点とミクロ現場の両面が融合した思考力です。

数字に強く、かつ現場肌で汗をかける――これが一目置かれる“できるバイヤー”への条件です。

サプライヤーとのWin-Win関係を築く

“安さ一点張り”でサプライヤーを締め上げるバイヤーには、いずれ信頼も協力も集まりません。
競争原理の上に成り立つ関係でありつつも、
・現場の改善提案を取り上げる
・情報開示や本音の共有を心掛ける
など、長期的なパートナーとしての立ち位置が不可欠となります。

サプライヤーは、実はバイヤーやメーカーの開発部門よりも新しい材料や工法、現場ノウハウに精通しています。
この“知恵の源泉”に謙虚に教えを乞う姿勢が、付加価値調達の鍵となります。

昭和的アナログ文化と、これからのデジタル最適化

現場主義とデジタル化の共存

日本の製造業は、昭和からの「現場主義」が根幹にあります。
現場の職人芸、調達現場の対面交渉、ちょっとした小ネタや裏話――こうしたアナログ対応が今も現場には根強く残っています。

しかし、今後一層求められるのがシステム化・データ活用。
購買においても、
・原材料高・物流費高騰へのスピーディーな対策
・需給変動を織り込んだ調達ルート多角化
・AI/IoTを活用した分析による調達最適化
といった、デジタル技術との融合が欠かせません。

大切なのは「全てをシステム任せにせず、アナログ的な泥臭さも残す」ことです。
両者の良いとこ取りが、リスク分散かつ強靭な調達体制を築くポイントとなります。

自分なりの“リセット法”を持つ重要性

営業→購買、また購買→営業の切り替えは、慣れるまでは精神的な負荷が高く、頭のスイッチが休まらない日々が続いてしまいがちです。
この「緊張と緩和」の繰り返しを乗り切るには、自分なりの頭のリセット法を持つことが大切です。

具体的には、
・朝一番の現場巡回で頭を“ゼロベース”にする
・データ整理や現場のヒヤリハット情報をまとめる
・移動中や作業後に簡単なストレッチや深呼吸を取り入れる
といった、“オン・オフ”を意識的に切り替えるルーチンが役立ちます。

まとめ:製造業の「現場知」と「俯瞰力」を武器に

営業と購買の頭の切り替えに苦労する毎日でも、そこを通して培えるスキルは、製造業の現場だけでなく広いビジネス領域で重宝されるものです。
数字と現場感覚、“人間くさい”交渉力、そして変化に対する適応力。
これらは今後、ますますバリューのある武器となります。

アナログ時代の良き文化を残しつつ、デジタル最適化を推進する。
そして、現場の最前線で磨いた俯瞰力と現場知が、サプライヤー・バイヤー・営業それぞれの立ち位置で次世代の製造業を支えていくはずです。

最後に、頭の切り替えに悩むすべての方へ――「今日はうまく切り替えられなくても、また明日がある」と自分を許すゆとりをぜひ持ってみてください。
それが長く現場で活躍するための、一番の“知恵”かもしれません。

調達購買アウトソーシング

調達購買アウトソーシング

調達が回らない、手が足りない。
その悩みを、外部リソースで“今すぐ解消“しませんか。
サプライヤー調査から見積・納期・品質管理まで一括支援します。

対応範囲を確認する

OEM/ODM 生産委託

図面はある。作れる工場が見つからない。
試作1個から量産まで、加工条件に合わせて最適提案します。
短納期・高精度案件もご相談ください。

加工可否を相談する

NEWJI DX

現場のExcel・紙・属人化を、止めずに改善。業務効率化・自動化・AI化まで一気通貫で設計・実装します。
まずは課題整理からお任せください。

DXプランを見る

受発注AIエージェント

受発注が増えるほど、入力・確認・催促が重くなる。
受発注管理を“仕組み化“して、ミスと工数を削減しませんか。
見積・発注・納期まで一元管理できます。

機能を確認する

You cannot copy content of this page