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仕切板部材の角部形状が汚れ堆積を招く背景

目次
はじめに:仕切板部材の角部形状と汚れ堆積の関係
仕切板部材は多くの製造現場で使用されています。
特に液体や粒体の流れを制御したり、空間を区切ったりする場面で、その役割は決して小さくありません。
一方で、仕切板部材の「角部」には汚れが堆積しやすいという課題が根強く残っています。
この問題は、衛生環境の管理や生産効率、品質管理に直結する重大なテーマとなっています。
今回は、仕切板部材の角部形状がなぜ汚れ堆積を招くのかについて、現場目線を持って深掘りし、業界全体の動向や、今後の課題解決のヒントまで幅広く解説します。
製造現場での仕切板部材の役割と現状
仕切板部材とは何か
仕切板部材とは、その名の通り、流体や粉体などの移動を仕切る目的で使われる板状の部材です。
食品、化学、鉄鋼、自動車など、あらゆる製造プロセスで活躍しています。
ステンレスやアルミ、プラスチックなど素材は用途により異なりますが、洗浄しやすさや耐薬品性、耐摩耗性が重視されています。
仕切板部材の角部形状が抱える課題
意外なほど多くの現場で見受けられるのが、仕切板の角部――つまり、90度や鋭角になったコーナー部分です。
この形状こそが「清掃しづらい」「汚れが残りやすい」「異物混入の温床になる」といった問題の主要因になっています。
それにも関わらず、依然として直角で角ばった設計が主流であり、なかなか革新的な改善に至らないのが現状です。
なぜ角部に汚れがたまるのか?そのメカニズム
微視的な物質挙動と流体力学
角部、つまり「隅」では、流体や粉体の流れが滞留しやすくなります。
例えば液体の場合、隅に到達した流れは直角反射や渦流を作り、そこから遠心的に汚れが取り残される形となります。
粉体や粒体であれば、重力と摩擦力により、隅に向かって堆積していきます。
これが「デッドスペース(死角)」と呼ばれる要因です。
そしてこのデッドスペースには、微生物や異物、洗浄残りなどの汚染リスクが集中します。
現場の洗浄作業に潜む誤解と盲点
角部の洗浄は理論上「ノズルで水を当てれば十分」だと思われがちですが、実際は思いもよらず洗浄液が流れにくい、または物理的に手が届きにくい構造になっているケースが多いです。
特に昭和型の「設計優先・人海戦術前提」の現場では、角部の清掃は属人的で非効率な方法に頼ってしまいがちです。
業界に根付くアナログ設計とその背景
なぜ角部の形状が変えられないのか?
設計図面の歴史をひもとくと、直角・直線基調の仕切板が多い理由には以下の要素が絡んでいます。
1. 加工のしやすさ:再現性の高い曲げ加工や溶接がしやすいため
2. 材料コストの最適化:板取りが単純で歩留まり向上につながる
3. 既存設備への互換性:標準規格部品との整合性が高い
特に日本の昭和時代からの工場文化においては「図面通り」「見た目がきっちり四角形で揃う」ことへの強い信仰があります。
これが数十年経った今でも「角丸化設計」への移行を阻む一因となっています。
購買先(サプライヤー)の事情や技術レベル
サプライヤー側にも、簡単な直線加工に慣れきっており、曲面やアール(R)付け加工へ挑戦するノウハウや設備投資が足りない現実があります。
また、設計変更によるコスト上昇を避けたい購買担当者の意向も重なり、現状維持バイアスが発生しています。
この「変えることの難しさ」こそがアナログな業界体質を温存する要因です。
他業界・先進事例に学ぶ角部形状の最適化
食品業界のHACCP基準が与える影響
一方、食品業界ではHACCP(危害分析・重要管理点)基準の普及に伴って、衛生管理の考え方が大きく変わっています。
洗浄性向上のため、角部に大きなR(丸み)をつけた機器設計が当たり前になりました。
ユニット自体を分解しやすくしたり、シームレスな溶接で隙間を減らすなど、徹底した異物混入防止策を講じています。
自動化・ロボティクス分野からのフィードバック
ロボットによる自動洗浄や、画像認識を使った残留異物検知など、最新技術を活用する先進工場では「ソフトが物理構造の限界を補ってはじめて最大効果が出る」との認識が一般化しつつあります。
機械が清掃しやすい=人も清掃しやすい、ひいては汚れの発生自体を減らす設計、という発想への転換が求められています。
仕切板部材の角部形状改善がもたらすメリット
清掃作業コストの削減
角部にR加工を施し丸みをもたせる、あるいはエッジを斜めに落とす設計へ変更することで、物理的に汚れが溜まりにくくなります。
結果として、現場作業員の清掃工数が減り、作業効率と生産性向上に寄与します。
異物混入リスクの低減と品質向上
品質不良の主要因となる異物混入ですが、多くはデッドスペースからの発生です。
角部を見直すことで、根本的な異物発生ポイントを抑制でき、トレーサビリティやクレーム対応の際にも大きな強みとなります。
業界全体の変革推進、そして競争力の獲得
業界の「常識」から一歩前に進み、仕切板部材における角部形状の見直しは、新規顧客獲得や付加価値創出にもきわめて有効です。
安全・衛生・品質を重視する日系大手メーカーや海外進出先での案件獲得にも大きく寄与します。
仕切板部材の角部見直しを実現するために
設計部門、調達部門、現場の連携強化がカギ
従来の分業体制では「設計は設計」「現場は現場」になりがちですが、真に現場で役立つ形状改善の実現には、現場経験者の声を設計部門や購買部門へフィードバックする機会を増やす必要があります。
特に現場経験者が調達バイヤーや設計者に積極的に改善提案を行う「横断型チームの創出」が、現状打破の大きな原動力となります。
サプライヤーも巻き込んだ新しい調達の仕組み
バイヤー視点としては、従来型のコスト最優先ではなく、「清掃性・衛生設計ガイドライン」を発注要件に盛り込むことが効果的です。
また、サプライヤー側も単なる川下・請負の立場にとどまらず、「現場に効く機能追加提案」を積極的に行うことで、一段上のパートナーシップ構築が可能となります。
まとめ:今日から変えられる「角部形状」改革への一歩
仕切板部材の角部形状は、一見地味で見過ごされがちですが、実は清掃性・衛生面・品質維持・生産効率に直結する業務改善テーマです。
昭和以来のアナログ体質から抜け出すには、「なぜ今この形状なのか」「現場がどう困っているか」について現場の声を吸い上げ、設計・調達・サプライヤーが横断的に協力していくことが不可欠です。
製造業の未来は、こうした細部の見直しから大きく変わります。
ぜひ貴社でも今日から、仕切板部材の角部形状について再考してみてください。
それが現場を強くし、ひいては製造現場全体の競争力向上と、サプライヤー・バイヤーとの真の信頼構築につながります。
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