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投稿日:2026年1月30日

チャットボットを誰が改善するのか決まっていない現場

チャットボットを誰が改善するのか決まっていない現場

製造業の現場でも、IT技術を積極的に活用しようという機運が高まっています。
その中で注目を集めているソリューションの一つが「チャットボット」です。
調達購買部門や生産管理部門でも、日常業務の効率化や問い合わせ対応の自動化を目的としてチャットボットを導入する企業が増えています。
しかし、昭和から続く現場主義・アナログ文化が根強く残る製造現場においては、チャットボットの真価が発揮されていないケースも少なくありません。
その大きな要因の一つが、「誰がチャットボットを改善し、育てていくのか」という役割分担が曖昧なままで運用されている点にあると考えます。

チャットボット導入の現実-目的と効果のギャップ

理想と現実のはざまで

チャットボットを導入する目的は、業務効率化だけではありません。
ヒューマンエラーの削減、ナレッジの蓄積、問い合わせ対応の均一化、さらには働き方改革による業務の省人化や多能工化への布石でもあります。
多くの現場担当者が口を揃えて「現場の問い合わせ対応が減れば本来業務に集中できる」と期待を寄せます。
ところが、いざ導入してみると「質問の意図をうまく拾ってくれない」「情報が古いまま」「FAQとして機能しない」といった声が出て、結局は人に頼らざるを得なくなり、現場の不満はむしろ増すケースが多いのです。

IT部門と現場部門の溝

ここで問題となるのが、導入を主導するITシステム部門と、実際の現場(調達購買、生産管理、品質管理など)の間に根強い理解のギャップがあることです。
システム担当者は「必要な情報は現場で用意してもらいたい」と考える一方で、現場側は「本業の片手間でそんなことやっていられない」と受け止めがちです。
この溝を埋めるための橋渡し役が不在で、チャットボットの「改善責任」が宙に浮いたまま、定着しない状態に陥っているのが現実です。

なぜ、改善の主体が決まらないのか?

旧来的な組織構造の罠

製造業では、役割分担と職域分担が非常に明確です。
調達なら調達、品質なら品質と、それぞれの業務範囲が昔からカチッと決まっています。
新しいITツールの「運用」や「改善」は、これら従来の部署のどこにもはっきり属しておらず、「おまけ」的な位置づけで何となく担当者が決まったり、別業務との兼務で対応されることが多いのが実態です。

コスト感覚と人的リソースの壁

製造業の現場管理職は、設備投資や人員配置に関して極端にコスト意識が高く、守りの発想になりがちです。
「チャットボットの改善に専任を置く」「改善活動に時間を割く」という発想自体が持たれません。
結果として、「暇な人がやればいい」「IT部門で何とかするだろう」「外部のベンダー任せでいい」という責任の押し付け合いが生じ、改善されないまま形骸化していきます。

突破口となる現場目線のラテラルシンキング

現場ならではの“使いこなしアプローチ”

現場の生産管理や調達購買シーンで培ってきた私自身の経験から言えるのは、システムは“使われてこそ価値がある”ということです。
形だけのデジタル化、トップダウンの押し付けではなく、現場の悩みや暗黙知を活かした「使いこなし」にこそ本当の競争力が宿ります。

チャットボットも「最初から完成度100%」を求めるのではなく、「日々の業務改善活動」と一体で“育てて”いくものとして捉えるべきです。
たとえば、現場改善活動(KAIZEN)でおなじみのQCストーリーやPDCAサイクルを、チャットボット運用にも大胆に流用するアプローチが意外と有効です。

“チャットボットリーダー”の任命

具体的には、現場の中から「チャットボットリーダー」を任命します。
この担当者は、日々寄せられるフィードバックを集めて「どこで期待した回答が返ってこないのか」「もっと便利にできる情報は何か」を分析し、月次または週次で小さな改善を積み重ねます。
QC活動の推進リーダーや5S担当と同じ“役割名”に位置づけることで、現場の肌感覚で運用・改善の文化を根付かせることができるのです。

現場対話×バイヤー目線のハイブリッド改善

調達購買やバイヤーとして現場経験を積んでいる方ならば、「取引先からの問い合わせ」や「サプライヤーへの連絡」といった業務フローの中でよく使われるワード、紛らわしい表現、慣例用語などの“生きた知識”を知っています。
これをチャットボットに反映できるのは現場の第一線に立つ人材だけです。
同様にサプライヤーの立ち位置から見ても、「どんなときにチャットボット利用を勧めるべきか」「FAQの質を高めるにはどうすればいいか」など、現場とベンダー双方のリアルなやり取りが大きなヒントになります。

成功事例に学ぶ――“誰が改善するか”を組織課題にする

品質管理現場でのローリング改善例

ある大手自動車部品メーカーでは、品質保証部門がチャットボット導入の「旗振り役」となりました。
導入時点で「回答精度の向上」を明示的なKPIに設定。
担当者をローテーションでアサインし、「週1回のチャットボット改善ミーティング」を継続実施したことで、現場での“生きた会話”が瞬時にボットの知識ベースへ反映される仕組みを構築できました。
結果、ユーザーの定着率と現場不満の減少へと確実につながりました。

生産管理×ITのコラボプロジェクト

別の工場では、生産管理部門の若い担当者とIT部門が「横断型プロジェクト」として少人数チーム化し、業務日報に「チャットボット利用の困りごと」を必ず一行書かせる運用に切り替えました。
現場担当の小さな工夫が即時反映され、IT部門との連携も密に。
改善活動自体が「人材育成」「組織風土改革」にまで及ぶ好循環が生まれています。

まとめ――現場力を活かした“チャットボット改善”への新提言

昭和型のアナログ文化が根付く製造業の現場で、チャットボットの改善主体が曖昧なままでは、せっかくのデジタル投資も宝の持ち腐れに終わってしまいます。

これからは、「現場目線のリーダー」を現業部門から指名し、定期的な改善活動を“本業”の一部へと組み込むこと、QC発想で地道な改善PDCAをチャットボットにも適用すること、そして調達・バイヤーやサプライヤーなど多様な立場の知見を持ち寄り“横断型”で改善サイクルを回すこと――これらが「脱・昭和」の第一歩となり得ます。

現場で培われた知恵と、IT技術の良さの“両立”こそが、現代製造業の新しい競争力。
今こそ、「誰が改善するのか」という問いを組織課題として真正面から捉えなおし、現場とIT部門、調達・品質・サプライヤー、全員参画でチャットボットを本気で“育てる”仕組みづくりに一歩踏み出しましょう。

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