投稿日:2024年8月5日

バッグインボックスの特長と製造業での利用方法

バッグインボックスとは?

バッグインボックス(Bag-in-Box、以下BIB)は、液体や粉末などを効率的に保管・輸送するための特殊な容器システムです。
構造としては、内側に柔軟なバッグ(袋)と外側のボックス(箱)から成り立っています。
このバッグには液体や粉末を直接入れることができ、ボックスが外部の衝撃から保護します。
主に食品業界や化学業界、医薬品業界などで幅広く活用されていますが、製造業でもその特長を活かした利用が増えています。

バッグインボックスの主な特長

1. 保存性と衛生性

BIBは内側のバッグが液体をしっかりと密閉するため、酸素や湿気から内容物を守ります。
その結果、内容物の酸化や腐敗を防ぎ、長期間の保存が可能です。
また、一度開封しても特定のバルブを通して内容物を取り出す方式のため、残りの液体が外気に触れることなく保管できます。
これにより、品質の保持が可能であり、衛生面でも優れています。

2. 輸送と保管の効率化

バッグインボックスは空の状態では非常にコンパクトです。
使用前には折りたたんで保管できるため、倉庫スペースを有効活用できます。
また、充填後も柔軟性を有しており、形状に応じたパッキングが可能です。
これにより、トラックの輸送効率が向上し、輸送コストが削減されます。

3. 環境負荷の軽減

BIBは外箱がリサイクル可能な紙製や段ボール製であることが多く、使用後は容易にリサイクルできます。
また、従来の金属製やプラスチック製の容器に比べて軽量であり、製造時のエネルギー消費が少ないため、環境に優しい選択肢です。

4. コスト削減

従来の容器に比べ、原材料や製造コストが低いため、企業のコスト削減に寄与します。
また、一度に大量の液体を保管・輸送できるため、小分けの容器を使う場合に比べて効率が高く、作業工数の削減にもつながります。

製造業におけるバッグインボックスの利用方法

1. 液体原材料の保管と供給

製造業では、液体原材料が頻繁に使用されます。
例えば、塗料、接着剤、潤滑油などが挙げられます。
これらの液体原材料をバッグインボックスで保管することで、長期保存が可能となり、品質劣化を防ぐことができます。
また、液体原材料を使用ラインに配送する際にも、BIBの柔軟な取り出し機構が利便性を高め、作業効率を向上させます。

2. 溶剤や化学薬品の安全管理

製造プロセスにおいては、溶剤や化学薬品の使用が必須です。
これらの液体は取り扱いが難しく、漏れやこぼれが廃棄コストを増加させるだけでなく、安全リスクも伴います。
BIBは密閉性能が高いため、漏れやこぼれを防止し、安全性を確保します。
その結果、労働災害のリスクを低減することができます。

3. 作業の自動化と省力化

BIBは、充填および取り出しが自動化しやすい仕様となっています。
例えば、自動充填機や自動供給システムと組み合わせることで、人手をかけずに液体原材料を供給することが可能です。
これにより、作業の省力化が実現され、人件費の削減や生産効率の向上が期待できます。

4. 製品の試作と少量生産

製品の試作段階や少量生産の場合、従来型の大型タンクを使うとコストがかさむことがあります。
BIBは異なる容量で提供されるため、試作や少量生産時のコスト節約に役立ちます。
さらに、必要な分だけ取り出せるため無駄が少なく、材料の有効活用が可能です。

最新の技術動向と今後の展望

1. スマートバッグインボックスの開発

近年、IoT技術の進展に伴い、スマートBIBの開発が進んでいます。
スマートBIBは、内部センサーが充填量や温度をリアルタイムで監視し、データをクラウドに送信するシステムです。
これにより、リモートからの監視や管理が可能となり、在庫管理の効率化や生産計画の精度向上が図れます。

2. 持続可能な材料の利用拡大

環境への配慮から、BIBの外箱だけでなく内袋も持続可能な材料を使用する動きが進んでいます。
例えば、生分解性プラスチックやリサイクル素材を用いたBIBが開発され、環境負荷のさらなる軽減が期待されます。

3. 簡便な操作性の追求

従来のBIBの取り出し機構は、一部のユーザーには操作が難しいと感じられることがありました。
そのため、簡便化されたバルブシステムや、ワンタッチ開閉が可能な新しい取り出し機構が開発されています。
これにより、取り扱いやすさが向上し、作業の効率がさらに高まります。

4. バリエーションの拡充

今後、様々な容量や形状のバリエーションが増えると予想されています。
これにより、特定の用途やニーズに応じた最適なBIBを選定できるようになります。
例えば、大型製造現場向けの大容量タイプや、小ロット生産向けの小型タイプなどが開発されるでしょう。

まとめ

バッグインボックスは、その保存性、輸送と保管の効率化、環境負荷の軽減、コスト削減の特長から、製造業において非常に有用な容器システムです。
液体原材料の保管や供給、溶剤や化学薬品の安全管理、作業の自動化や省力化、製品の試作と少量生産など、さまざまなシーンで活躍することができます。
また、最新の技術動向として、スマートBIBの開発や持続可能な材料の利用拡大、簡便な操作性の追求、バリエーションの拡充が進んでおり、今後さらに多様な用途やニーズに対応できるようになるでしょう。

製造業の現場でBIBを積極的に活用することは、生産効率の向上やコスト削減、環境保護に貢献する重要なステップです。
自社の状況に応じて最適なBIBシステムを導入し、競争力を高めることを検討してみてはいかがでしょうか。

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