投稿日:2024年9月10日

切削工具と研削工具の違い

切削工具と研削工具の概要

製造業の現場で使われる工具には多種多様なものが存在しますが、特に重要な位置を占めるのが切削工具と研削工具です。
これらの工具は製品の形状や表面を加工するために使われ、精度の高い加工を実現するために欠かせないものです。

切削工具とは

切削工具は、金属やプラスチックなどの材料を削り取ることで、所望の形状や寸法を作り出すための工具です。
旋盤やフライス盤、ドリルなどの機械で使用されることが多く、エンドミルやタップ、リーマーといった具体的な形状や機能を持つものがあります。

切削工具の最大の特徴は、その鋭い刃先を持っていることです。
この刃先が材料に食い込み、余分な部分を削り取ることで、加工精度を高めます。
また、切削工具は一般的に高い硬度を持つ材料で作られており、耐久性や寿命も重視されています。

研削工具とは

一方、研削工具は研磨材を含む砥粒を使用して、材料の表面を削り取ったり、形状を整えたりするための工具です。
研磨盤やグラインダーで使用されることが多く、砥石や研磨ベルト、ダイヤモンドホイールなどがあります。

研削工具の特徴は、非常に細かな砥粒を含むため、微小な材料の除去が可能である点です。
これにより、非常に高い表面精度や寸法精度を実現することができます。
また、硬度の高い材料を加工する場合にも適しており、硬質合金やセラミックなどの材料にも対応できます。

切削工具と研削工具の違い

切削工具と研削工具はどちらも材料の加工に使用されますが、その使い方や目的にはいくつかの重要な違いがあります。

加工方法の違い

切削工具は主に機械的な力を利用して材料を削り取る方法です。
これは刃先が材料に食い込み、余分な部分を除去することで形状を作り出します。
切削加工は短時間で大量の材料を削り取ることができるため、生産性が高いのが特徴です。

一方、研削工具は砥粒を使用して材料の表面を細かく削り取る方法です。
研磨材の摩擦力を利用して、非常に細かい材料除去が行えます。
研削加工は高い精度が求められる仕上げ作業に向いており、微細加工や硬度の高い材料の加工にも適しています。

精度と仕上がりの違い

切削工具での加工は、比較的大きな材料除去が可能で、粗加工から中精度の加工まで幅広い範囲で使用されます。
特に、大きな形状変更や穴あけ、溝加工などの工程には切削工具が効果的です。
ただし、仕上げ精度や表面の滑らかさが求められる場合には、再度精密な作業が必要となります。

研削工具の場合、非常に高い寸法精度や表面仕上げを実現することができます。
研削加工は微細な材料の除去が特徴で、仕上げ加工や表面処理に特化しています。
そのため、切削加工後の仕上げ工程として使用することが多く、光沢のある滑らかな表面が求められる部品に適しています。

加工対象の材質の違い

切削工具は、多種多様な材料に対応できるように設計されています。
金属、プラスチック、木材など、さまざまな材料を加工することができます。
しかし、非常に硬度の高い材料(例えばセラミックや焼入れ鋼など)に対しては、工具の摩耗が早くなることがあるため、適切な選択が必要です。

研削工具は、特に硬度の高い材料に対しても効果的に使用することができます。
ダイヤモンドホイールやCBNホイールなど、特殊な砥粒を使用することで、セラミックや硬質合金などの難削材も効率的に加工することが可能です。
そのため、高硬度材料の仕上げ加工や微細加工において重宝されます。

最新技術と動向

技術の進化とともに、切削工具や研削工具も日々進化しています。
以下は、その最新技術と動向の一部です。

コーティング技術の進化

切削工具や研削工具の寿命を延ばし、性能を向上させるためのコーティング技術が進化しています。
特に、硬質コーティング(TiAlN、TiCNなど)が普及しており、これによって工具の耐久性が大幅に向上しました。
これにより、高速加工や難削材の加工も効率よく行えるようになっています。

高精度制御システムの導入

CNC(コンピュータ数値制御)技術の進化により、切削加工や研削加工の精度が飛躍的に向上しています。
これにより、複雑な形状の加工や微細加工も可能となり、製品の品質向上に寄与しています。
さらに、AIやIoT技術を活用した自動診断・予測システムの導入も進んでおり、工具の摩耗状態をリアルタイムで監視して予防保全を行うシステムも開発されています。

エコノミクスとサステナビリティ

最近では、持続可能な製造を目指す動きが高まっており、切削工具や研削工具も環境負荷の低減を考慮した設計が求められています。
例えば、クーラントの使用量を最小限に抑える乾式加工や、再使用可能な工具の開発が進んでいます。
また、工具のリサイクルシステムの導入や、製造工程全体のエネルギー効率を最適化する取り組みも拡大しています。

高度な材料開発

切削工具や研削工具の性能を向上させるために、材料開発も進んでいます。
例えば、ナノ材料や新しい合金などが研究され、これによって工具の硬度や耐久性がさらに向上しています。
これにより、高速加工や精密加工、難削材の加工が可能となり、製造業のさらなる発展に寄与しています。

まとめ

切削工具と研削工具は、製造業の現場で非常に重要な役割を果たす工具です。
それぞれの工具には特性や用途があり、それによって最適な使用方法が異なります。
技術の進化とともに、これらの工具も進化を続けており、製造業の効率化や品質向上に大きく貢献しています。

このような情報を基に、企業や工場は最適な工具を選び、効率的で高品質な製品を製造することが求められます。
新しい技術動向にも目を配りながら、常に最新の情報をキャッチアップすることが重要です。
製造業の現場で培った知識や経験を共有し、業界全体の発展に寄与していきましょう。

資料ダウンロード

QCD調達購買管理クラウド「newji」は、調達購買部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の購買管理システムとなります。

ユーザー登録

調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。

NEWJI DX

製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。

オンライン講座

製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。

お問い合わせ

コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(Β版非公開)