投稿日:2024年9月16日

品質保証と品質検査の違い

品質保証とは

品質保証(Quality Assurance、QA)とは、製品やサービスが一定の品質水準を満たすことを保証するための一連の計画的かつ体系的な活動を指します。
これには、製品やサービスが設計段階から製造、供給、顧客サポートに至るまでの全プロセスが含まれます。
品質保証の主な目標は、最初から問題や欠陥を予防し、最終製品が顧客の期待に応えることを確保することです。

品質保証の重要性

品質保証は、企業の信頼性とブランド価値を維持するために極めて重要です。
製品やサービスが一貫して高い品質を持つことを保証することで、顧客満足度を高め、リピートビジネスや良好な口コミを促進します。
また、品質保証が適切に機能していれば、不良品やリコールのリスクを減らし、最終的にはコスト削減に繋がります。
品質保証はまた、コンプライアンスの観点からも重要であり、法規制に適合するための手段ともなります。

品質保証の活動

品質保証の活動は主に計画、実施、評価、改善の4つのフェーズに分かれます。

計画フェーズ

品質基準の設定や品質管理計画の策定を行います。
これには、規格や法規制、顧客要求を満たすための具体的な基準を設定するプロセスが含まれます。

実施フェーズ

計画された活動を実践し、品質基準を満たすための訓練や教育を提供します。
また、適切な作業手順や品質管理技術を実施します。

評価フェーズ

実施した活動や製品のパフォーマンスを評価し、目標を達成できているか確認します。
これには、内部監査や外部監査、レビューが関与します。

改善フェーズ

評価の結果を基に、プロセスや製品の改善を行います。
フィードバックループを設け、継続的な改善を促進します。

品質検査とは

品質検査(Quality Inspection、QI)は、製品やサービスが品質基準を満たしているかどうかを確認するための評価活動です。
一般的には製品の製造後の段階で行われ、製品の属性(寸法、機能、性能など)を検査します。
品質検査の主な目標は、不良品の検出と、問題が生じた場合の迅速な対応を可能にすることです。

品質検査の重要性

品質検査は、製品が市場に出る前に問題を発見し、修正するための最後の防波堤と見なされます。
このプロセスがうまく機能していることで、顧客に不良品が届くリスクが大幅に減少します。
また、品質検査によって集められたデータは、品質保証活動の改善や製造プロセスのフィードバックに活用されます。

品質検査の種類

品質検査にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる目的と方法があります。

受け入れ検査

製品の製造が開始される前に、材料や部品の品質を確保するために行います。
供給業者からの部品や材料の品質を検査し、必要な基準を満たしているか確認します。

工程内検査

製造プロセス中に行われる検査で、工程ごとに品質を確認します。
これは、問題が早期に発見され、修正されることを確保するための手段です。

最終検査

製品の全工程が終了した後に行われる検査です。
ここで製品の最終品質を確認し、市場に出す前の最終的な品質チェックを行います。

品質検査の手法

品質検査には様々な手法がありますが、代表的なものをいくつか紹介します。

目視検査

人間の目で直接行う検査です。
外観や表面の傷、欠陥を確認します。
単純で迅速ですが、検査精度が検査員の経験と注意力に依存します。

機器検査

寸法や機能の検査には専用の機器を使用します。
例えば、測定器具やセンサー、3次元測定機(CMM)が使われます。
精度が高く、定量的なデータが得られます。

統計的品質管理

統計的手法を用いて品質を管理する手法です。
サンプリングと統計的分析を通じて、製品やプロセスの品質を評価します。

品質保証と品質検査の違い

品質保証と品質検査は、一見似た概念として捉えられることが多いですが、それぞれ異なる役割と目的を持っています。

予防 vs. 検出

品質保証は主に「予防」に焦点を当てています。
問題が発生する前に、計画や管理活動を通じて品質基準を確保します。
一方、品質検査は「検出」に焦点を当てています。
製品が製造された後に、その品質基準を満たしているかどうかを確認します。

プロアクティブ vs. リアクティブ

品質保証はプロアクティブなアプローチであり、設計から製造、供給、サポートに至る全てのプロセスに渡り計画と管理を行います。
対して、品質検査はリアクティブなアプローチであり、製品が完成した段階での品質を確認する活動です。

全体的 vs. 部分的

品質保証は企業全体の品質管理システムの一部であり、全てのプロセスと製品に関与します。
品質検査は、特定の製品やプロセスの品質を評価する局所的な活動と言えます。

継続的改善

品質保証は継続的改善のサイクル(Plan-Do-Check-Act, PDCA)を基本としています。
一方、品質検査は製品検査の結果から改善点をフィードバックすることもありますが、基本的には個々の検査活動に焦点を当てています。

まとめ

品質保証と品質検査は、どちらも高品質な製品やサービスを提供するために不可欠な要素です。
品質保証は主に予防的で全体的な取り組みを担い、品質検査は検出的で具体的な製品やプロセスの品質を評価します。
二つの活動は互いに補完し合いながら、企業の品質向上と顧客満足度向上に寄与しています。

製造業において、これら二つの活動をバランスよく実施することが、競争力を持つ高品質な製品を生み出す鍵となります。
日々の業務において、品質保証と品質検査の両方を意識した取り組みを行うことが重要です。
その結果として、信頼性の高い製品を市場に提供し、企業のブランド価値を向上させることが可能となります。

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