- お役立ち記事
- FMEAの効果的な進め方と品質トラブル未然防止のポイント
FMEAの効果的な進め方と品質トラブル未然防止のポイント
目次
FMEAとは何か?その基本的な理解
FMEAとは、「Failure Mode and Effects Analysis」の略で、日本語では「故障モード影響解析」と呼ばれています。
FMEAは、製品やプロセスの潜在的な故障モードとそれが与える影響を事前に評価し、それに基づいて対策を講じることで品質トラブルを未然に防ぐための手法です。
FMEAは、1960年代にアメリカの航空宇宙業界で開発されましたが、現在では自動車産業や電機産業など様々な製造業に広く採用されています。
FMEAのプロセスとステップ
ステップ1: チームの組成
FMEAを有効に進めるためには、関連する部門から専門家が集まっているチームを組成する必要があります。
これには、設計、製造、品質保証、購買、サービスなど、各部門の代表者が含まれるべきです。
チームの共通理解を図ることで、潜在的な問題を多角的に洗い出すことが可能になります。
ステップ2: 範囲の定義
次に対象となる製品やプロセスの範囲を定義します。
特定の部品、機能、プロセスステップを対象として、具体的にFMEAを実行する範囲を明確にすることが重要です。
これにより、評価が集中し、リソースの効率的な利用が可能になります。
ステップ3: 潜在的故障モードの特定
製品やプロセスがどのように故障する可能性があるか(故障モード)を洗い出します。
ここではブレーンストーミングや過去のデータ分析が役立ちます。
それぞれの故障モードについて、考えられる原因や、その発生の頻度、影響度を記録します。
ステップ4: 故障モードの評価
特定した故障モードごとに評価を行います。
評価項目には「発生確率(O)」、「検出可能性(D)」、「影響度(S)」があり、それぞれの要素にスコアを付与します。
このスコアを基に、RPN(Risk Priority Number)というリスク優先度数値を算出し、各故障モードのリスクを定量化します。
ステップ5: 対策の立案と実施
RPNの高い故障モードから優先的に、改善のための対策プランを立案します。
この対策が効果的に機能するよう、担当者やスケジュールを明確にし、実施を進めます。
実施後は再評価を行い、改善効果を確認します。
FMEAの成功の鍵と効果的な進め方
FMEAを効果的に進めるためのポイントとして、コミュニケーションの重要性があります。
クロスファンクショナルなチーム内での情報共有や意見交換を通じて、潜在的な問題を全面的に把握することが可能です。
また、定期的なレビューやアップデートを行い、常に最新の情報に基づいて評価を続けることも重要です。
さらに、FMEAは単にリストを作成することが目的ではなく、実際に故障の未然防止策を導入し、その有用性を確認するプロセスが不可欠です。
ここにおける継続的な改善の文化が、品質向上の鍵となります。
FMEAによる品質トラブル未然防止の具体例
例えば、自動車部品の製造工程でのFMEAを考えてみましょう。
ある部品における組み立て工程での故障モードとして「不適切なトルク設定」が特定されたとします。
この故障モードに対しての影響は部品破損のリスクがあり、発生の可能性や検出の難易度を総合的に評価し、高いRPNが算出されました。
そこで対策として、自動トルク制御装置の導入や作業員教育の強化、定期的な機器校正を実施します。
これらの対策後、再度FMEAを行い、故障の発生頻度が低下したことを確認することができます。
アナログ業界でのFMEA導入の考え方
製造業の中には、未だアナログ的な手法が色濃く残る業界や現場もあります。
こうした環境にFMEAを導入する際は、デジタルツールの導入を強引に進めるのではなく、紙ベースからスタートしても効果を得られる方法を検討します。
例えば、FMEAシートを紙で作成し、関係者が集まってリアルタイムに修正を加える会議形式のセッションを行います。
これにより、デジタル化が進んでいない現場でもFMEAを活用し、品質向上を目指すことが可能です。
まとめ
FMEAは、製造業における品質トラブルを未然に防ぐための強力なツールです。
正確な実施と定期的な見直しを通じて、製品やプロセスの改善に寄与します。
特に組織全体のコミュニケーションと協力体制が重要であり、これを通じて企業全体としての品質向上が達成されます。
また、アナログ業界での導入においても工夫を凝らしながら適用していくことが求められます。
FMEAをうまく活用し、品質トラブルを未然に防ぎ、顧客満足度を高めることが製造業の発展に繋がります。
資料ダウンロード
QCD調達購買管理クラウド「newji」は、調達購買部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の購買管理システムとなります。
ユーザー登録
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
オンライン講座
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(Β版非公開)