投稿日:2024年12月23日

FTIRの基礎とスペクトル測定法・解析のコツおよび異物分析のポイント

FTIRの基礎

FTIRとは、Fourier Transform Infrared spectroscopy(フーリエ変換赤外分光法)の略称です。
赤外線を用いて物質の分子構造や化学結合を調べる分析技術です。
製造業や研究開発の現場で非常に重要な役割を果たしています。
赤外線は物質を通過する際に分子振動を引き起こし、その結果として特定の波長で吸収が生じます。
FTIR法では、この吸収スペクトルを取得し、物質の化学的特性を解析します。

FTIRスペクトル測定法

FTIRスペクトル測定法は、物質の化学的特性を知るための非常に有用な手法です。
その基本的な手順は次の通りです。

試料準備

試料の状態によって準備方法が異なります。
固体、液体、気体などの形状に応じて、適切なアクセサリやセルを使用します。
例えば、圧縮リケッセル法では、粉末の試料をブリオリケッセルと呼ばれるアクセサリに挟んで測定します。

スペクトルの取得

試料をFTIR装置にセットし、赤外線を照射します。
装置は試料を通過した赤外線の強度を測定し、データをフーリエ変換してスペクトルを生成します。

スキャン速度と分解能の設定

用途や試料特性に応じて、最適なスキャン速度と分解能を選択します。
一般的に、詳細な解析を行う場合は高い分解能を設定しますが、スキャン速度は遅くなります。

スペクトル解析のコツ

FTIRスペクトル解析にはいくつかのポイントがあります。

背景補正

試料スペクトルの正確さを向上させるために、背景の吸収を補正します。
背景としては、使用したセルや装置による吸収が考えられます。

ピークの同定

スペクトルに現れるピークはさまざまな化学結合に対応しています。
Infrared spectroscopyのライブラリやデータベースを利用して、ピークと対応する化学構造を同定します。

定量的解析

特定のピークの強度を定量化することで、試料中の成分濃度を測定します。
キャリブレーションカーブを用いて定量評価を行います。

異物分析のポイント

FTIRは異物解析においても強力なツールです。
異物の特性を理解することで、製造プロセスや品質管理の改善につなげることができます。

異物の同定

製品中に混入した異物の起源を特定する際に、FTIRは非常に有効です。
まず、異物を慎重に採取し、FTIRでスペクトルを取得します。
得られたスペクトルをライブラリや既知のデータと照合し、可能性のある化学構造を探ります。

原因調査

異物の特性を把握したら、その原因を突き止めるために、製造プロセスや原材料のトレースを行います。
FTIRによる異物の解析結果を基に、パートナー供給業者と連携し、原因追求と再発防止策を講じます。

まとめ

FTIRは、製造業の現場で有効な分析手法の一つです。
赤外線スペクトルを駆使して、物質の化学的性質を解析し、品質管理や異物対策に貢献します。
スペクトル測定や解析、異物原因の究明にはいくつかのポイントがありますが、これらを注意深く実施することで、正確な分析につなげることができます。
正しい知識と経験をもとにFTIRを活用し、より高品質な製品提供を実現しましょう。

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