製造業の購買担当者がAIにかわることってあり得るの?
これから説明する中小企業の購買管理の強化策は、単にコスト削減だけでなく、リスクマネジメントの視点から重要な手法だと思います。
まずは仕入先の選定方法を見直す必要があります。
過去の納期達成率や品質管理力だけでなく、将来的な事業継続力も考慮する必要があるでしょう。
自社製品の部品供給能力はもちろんのこと、自社財務力やマネジメント体制も盛んにチェックすべき項目です。
中小企業としては代替部品の確保が難しいため、信頼できるサプライヤーを選定することが重要になります。
次に請求書の管理方法を見直しましょう。
電子請求書導入などデジタル技術を活用し、一元管理と精度の高い在庫管理を目指すことをおすすめします。
仕入先から送られてくる請求書をすべて電子データとして一元管理し、領収書発行や支払管理を効率化できるでしょう。
紙ベースで管理していた在庫も電子データベース化し、常時正確な在庫状況把握が可能になります。
さらにサプライヤーとの契約方法についても見直しを推奨します。
長期的な売買契約ではなく、半年や1年を区切りに見直すローテーション契約を結ぶことで、仕入先のパフォーマンスに応じて入れ替えや価格改定が可能になります。
一方で売買量や取引額で一定割合以上のサプライヤーに対しては、長期的安定供給を条件に価格アップ要求をとりあえず却下する「戦略的サプライヤー」と位置付ける戦略もオススメです。
以上のように購買管理をデジタル化し、仕入先管理と契約方法を見直すことで、中小企業の部品在庫リスクや納期リスクを大幅に低減できると考えられます。
コスト面とともに、事業継続上重要な安定調達も図れるでしょう。
時代の流れに合わせた購買マネジメントが求められます。
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。