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OEMトレーナーを初めて作るブランドがやりがちな失敗10選

目次
はじめに
OEMトレーナーの生産は、多くのブランドが新しい挑戦として取り組む分野です。
しかし「自分だけのこだわりトレーナーを作りたい」とOEMに初挑戦した際、思わぬ落とし穴にハマるケースが後を絶ちません。
製造現場の視点とバイヤーの心構えを両立させ、OEMでありがちな失敗を事前に回避することは、ブランドの成功と信頼度向上のカギとなります。
今回は、20年以上の現場経験で見てきた「OEMトレーナーを初めて作るブランドがやりがちな失敗10選」を、ラテラルシンキングで深堀りしつつ解説します。
失敗1:ターゲットユーザー像が曖昧なまま仕様依頼する
OEMにおけるファーストステップは「誰にどんな価値を届けるのか」の明確化です。
ターゲット像やブランドコンセプトが曖昧なまま「カッコいいトレーナーを」という希望だけで依頼すると、サプライヤーを混乱させます。
結果、汎用的な製品しかできず、価格競争に巻き込まれやすくなります。
フロントプリントの意義、着用シーン、洗濯耐性、厚みの好みなど、細かな要素まで言語化しましょう。
失敗2:素材選びとコストが連動していない
「素材へのこだわり」「価格を抑えたい」はトレードオフです。
高品質コットン×特殊加工×低価格…
これら全条件を満たすことはまず不可能です。
予算感を決めたうえで、妥協点と本当に譲れない部分を精査してください。
現場では、糸のグレード小さな差が数百円単位の原価アップになることも多くあります。
素材サンプルは必ず実際に肌で触り、イメージ通りか吟味しましょう。
失敗3:サイズスペックとパターンの軽視
「Mサイズ基準」「一般的なメンズのゆったりめ」という曖昧な指示は危険です。
各サプライヤーでパターン基準が異なるため、”出来上がり寸法表”(着丈/身幅/肩幅/袖丈など)はしっかり指定しましょう。
またOEMでは、試作品から本生産への“微妙なズレ”が頻発します。
工業用チャートや量産誤差を理解し「どこまで許容できるか」を伝えることが大切です。
失敗4:試作・修正のコストと時間を見誤る
OEMでは、理想の一着に辿り着くまで複数回の試作と修正がつきものです。
「一発で納得いくサンプルができるはず」と考えていると、予算オーバー・納期遅延につながります。
現場をよく知る人ほど、一度サンプルを着用・洗濯し、細部まで確認する慎重さを持っています。
また、その試作コスト・手間も事前に織り込んだ計画設計が重要です。
失敗5:工場の生産能力や最小ロットの理解不足
「小ロットしか作れません」「100着以下は法人対応できません」と、サプライヤーの生産能力や最小ロットに大きな違いがあります。
初回から無理な数を依頼すると、交渉決裂や品質の不均一化のリスクが高まります。
工場の得意分野・過去の実績を把握し、自ブランドとサイズ感が近いものを例示するのがスムーズです。
失敗6:検品と品質基準を丸投げする
工場任せの検品は非常に危険です。
「何着かに色ムラが…」「片袖だけ生地にムラが…」
こうした“微妙な不良”は、工場とブランド側の「許容範囲」のすり合わせ不足が原因です。
ISOやJISと実際の現場レベルにはしばしばギャップがあります。
自社内で検品基準見本を作成し、サプライヤーと認識統一を図ることをクセにしましょう。
失敗7:納期の考え方が甘い
OEMの納期は、設計変更・資材遅延・現場トラブルなどで簡単に変更されてしまうのが実情です。
シーズン販売開始を逆算し、量産開始日から1〜2週間程度のバッファは必ず設けましょう。
また、物流環境や天候影響も考慮し、“どうリカバリーするか”までシミュレーションしておきましょう。
失敗8:製造原価の内訳やコスト構造を把握していない
「希望単価さえ伝えればOK」と価格交渉に望むブランドも見受けられます。
OEMの原価は、主資材、副資材、縫製、加工、検査、間接費など、多数の要素で構成されます。
各工程がどれほどコスト増減に直結するのか、実際の工場担当者と率直に話し合いましょう。
現場感覚が身につくと、不要なコストダウンによる品質劣化も避けられます。
失敗9:コミュニケーションロスと情報伝達ミス
OEMはブランド→商社→工場 など、多段階で進みがちです。
指示伝達が曖昧だったり、図面修正内容が都度口頭のみだったりすると、現場では必ずミスが発生します。
「仕様書」「検品基準」「納品形態」など、パートナー全体に一元的に伝わる書式やルールを徹底しましょう。
また、初回打合せから現場担当者(工場のリーダークラス)にも同席してもらうことで、ニュアンスのズレを減らせます。
失敗10:希望納品形態やパッケージ仕様の見落とし
OEMトレーナーは本体だけでなく、「畳み方」「タグのつけ方」「パッケージング」なども重要な差別化要素です。
現場の多忙な中では「指示がないから従来どおり」の作業が行われてしまいがちです。
オンライン販売用に「透明袋+ラベル貼付」なのか、店頭用に「四つ折り+専用ボックス」なのか。
確実な仕様伝達によって、ブランドイメージの統一が図れます。
OEMトレーナーを成功させるための現場目線のポイント
以上の失敗を回避するためには、現場レベルでの地に足の着いたアプローチが不可欠です。
昭和から抜け出せないアナログ業界でも、次のような姿勢が実を結びます。
現場担当者へのリスペクトを持つ
工場担当者の技能やこだわり、長年の工夫や経験に敬意を払いましょう。
トラブル時も一方的な批判でなく「一緒に解決する」姿勢が信頼構築につながります。
情報整理と見える化を怠らない
図面や仕様資料、検品基準の書式を共通化し、話した内容は必ず記録・共有しましょう。
“誰が見ても同じ理解ができる資料”作りが、曖昧さの排除と再現性向上を生みます。
現物確認・現場での最終ジャッジ力を鍛える
データだけでなく、実際に現物サンプルを自ら手に取って評価できる目利き力が重要です。
洗濯テストや着用感、色味など…
「百聞は一見にしかず」を徹底しましょう。
まとめ
OEMトレーナー生産は、企画段階の熱意や発想と、現場での地に足の着いた交渉力・確認力のバランスがすべてです。
ブランドとして成功するためには、現場目線でのコミュニケーションや工程理解、人と人との信頼構築を意識してください。
失敗しがちな10のポイントを胸に刻み、一歩先を行くOEM物作りを実現しましょう。
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