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製造業のグローバル調達におけるサステナビリティの実現:CSR調達の推進

製造業におけるグローバル調達は、企業の競争力を高める上で欠かせない戦略です。
しかし、近年では単なるコストダウンだけでなく、環境や社会への配慮も求められるようになってきました。
このような中で注目されているのが、CSR調達の推進です。
目次
CSR調達とは
CSR調達とは、企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)を調達活動に反映させることを指します。
具体的には、調達先の選定や評価の際に、品質やコストだけでなく、環境保全や人権尊重などの社会的責任への取り組み状況も考慮するということです。
これにより、サプライチェーン全体でのサステナビリティの実現を目指します。
CSR調達の必要性
グローバル化が進む中で、製造業の調達先は世界中に広がっています。
しかし、国や地域によって環境規制や労働基準などが異なるため、サプライチェーンのどこかで問題が発生するリスクがあります。
例えば、違法な森林伐採による木材の調達や、劣悪な労働環境での製品製造などです。
このような問題が発覚した場合、企業の信頼や価値が大きく損なわれる可能性があります。
CSR調達を推進することで、このようなリスクを未然に防ぐことができるのです。
CSR調達の取り組み事例
では、実際にCSR調達に取り組んでいる企業の事例を見てみましょう。
トヨタ自動車は、サプライヤーに対してCSRガイドラインを策定し、その遵守状況を定期的に確認しています。
ガイドラインには、環境マネジメントシステムの構築や、強制労働・児童労働の禁止など、多岐にわたる項目が含まれています。
また、パナソニックは、責任ある鉱物調達を推進するため、紛争鉱物の不使用を方針に掲げています。
コンゴ民主共和国など紛争地域で採掘された鉱物は、非人道的な労働環境や武装勢力の資金源になっている可能性があるため、使用を避けるようサプライヤーに求めています。
このように、大手製造業を中心に、CSR調達への取り組みが広がっているのです。
CSR調達の推進に向けて
それでは、CSR調達を推進していくためには何が必要でしょうか。
まず重要なのは、トップのリーダーシップです。
経営層がCSR調達の重要性を認識し、明確な方針を打ち出すことが求められます。
また、サプライヤーとの協働も欠かせません。
一方的な要求ではなく、サプライヤーの実情を踏まえた上で、ともにCSRを推進していく姿勢が大切です。
さらに、社内の意識改革も必要です。
調達担当者はもちろん、設計や製造など関連部門の理解と協力を得ることが重要となります。
デジタル技術の活用
CSR調達の推進には、デジタル技術の活用も有効です。
例えば、IoTを活用してサプライヤーの工場の環境データを収集・分析することで、環境負荷の見える化が可能となります。
また、ブロックチェーン技術を用いて、サプライチェーンの透明性を高めることもできます。
原材料の産地から製品の流通まで、すべての過程を追跡可能にすることで、問題の早期発見と是正に役立ちます。
AIを活用した自動監査も進んでいます。
膨大な取引データから不正のパターンを学習し、リスクの高い取引を自動で検知する仕組みが開発されています。
このようなデジタル技術を積極的に取り入れることで、CSR調達の効率化と高度化が期待できるのです。
製造業のグローバル調達において、CSR調達の推進は避けて通れない課題となっています。
サステナビリティの実現に向けて、サプライチェーン全体で取り組んでいくことが求められるのです。
企業の社会的責任を果たしつつ、持続的な成長を実現するために、CSR調達はますます重要になってくるでしょう。
製造業の現場では、こうした動きをしっかりと捉え、自社の調達活動に活かしていくことが肝要です。
CSR調達は、コストアップにつながるという見方もあるかもしれません。
しかし、長期的な視点に立てば、ブランド価値の向上や新たなビジネス機会の創出など、企業の競争力強化にもつながる取り組みなのです。
製造業の発展のためにも、CSR調達の推進に向けて、現場の知恵を結集していきたいものです。